「ねえばーちゃん、廊下の突き当りのお窓の網戸にセミが止まってるよ。」
「え~~。にゃんが去年セミだって言ったの、大きな気持ち悪い『蛾』だったじゃない。ばーちゃんゴキブリよりナメクジより『蛾』が大っ嫌いだから、見に行きたくない」
「ダイジョブだよ。去年のあの時、ちゃんと違いを覚えたもん。
ほら、『ジ~~~~』って泣いてるでしょ?。蛾は鳴かないんだもん。」
「・・・」
「ばーちゃん、鳴いてるの聞こえない?」
「ばーちゃん、いつでもお耳の中でいろんな虫が鳴いてるからわかんない^^。」
「え?お耳の中に虫がいるの?」
「年寄りになると、耳鳴りがひどくなって、いっつもお耳の中で虫が鳴いてるみたいに聞こえるの。冬でもセミが鳴いてるのよ^^。」
「でもさ、今鳴いてるのは本当のセミだから、見に来てよ。」
「どれどれ・・・。あらほんと。これは本当にセミね。お写真撮っておこうね^^。」
ばーちゃんがスマホ取りに行くときの、ドアの開け閉めの気配を察して、セミさんチャって飛んで逃げちゃったにゃ・・・。
折角遊ぼうって思ったのにつまんないの。
この辺にいるのかな?^^