国際霊柩送還士という仕事。
考えただけで非常に重い仕事です。
読んでみると、想像以上でした。
海外で亡くなった日本人の遺体や遺骨を日本に搬送し、
日本で亡くなった外国人の遺体や遺骨を祖国に送り届ける仕事。
本書は2012年にノンフィクション賞を受賞していて、
著者は、「エアハース」というその会社を取材しています。
スマトラ沖地震、アフガニスタン邦人教職員殺害事件、
ミャンマーでのフリージャーナリスト殺害事件など、
新聞に載るような重大事件・事故の裏で、
必ず彼らの働きがあるそうです。
なので、損傷の激しい遺体が多いとか。
「ご家族が見た時どう思うだろう」
「何とかしてあげなくては」
「家族に会わせられるように、
きちんと死を受け入れられるように、
きちんと対面させてあげたい。
お別れをさせてあげたいと思うんです」(送還士)
そして、遺族に送り届けるまで、
まるで生きている人を扱っているかのように、
話しかけ、細心の注意を払って
遺体を故郷に搬送しています。
昼夜を問わず、舞い込んでくる仕事。
想像しがたい遺族の心境に
寄り添う彼らの仕事に頭が下がります。
突然の悲報を受け入れがたく、
悲嘆にくれた遺族は、
それでも、
綺麗な姿で戻ってきた「夫」「妻」「子供」を迎えて、
必ず彼らに「ありがとう」と感謝を述べています。
「死」についてとても考えさせられた本でしたが、
「きちんとお別れをする」
「きちんと悲しむ」
そして、
「少しずつ受け入れる」。
死別は、誰もが必ず経験するもの。
私は、母を亡くして7年経って、
もう「受け入れ」られています。
今日は、迎え火。
幸せに生きることが、両親への親孝行。
笑顔でお盆を迎えられるようになりました。
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