NZではどの街に行っても、かならずビーズ屋を捜すことにしています。クルマで流している時にチェックを入れたり、モーテルのイエローページで探したり、ツーリストインフォメーションで聞いたりと、短い滞在でもできる限りのことはしてみます。その結果、今のところ4軒のビーズショップを覗くことができました。
そのうちの1軒がオークランドのポンソンビーにある「ビーズ&ピーシーズ」。近くのブティックホテル風、洋館3軒ぶち抜き(2軒だったか?)B&B「ザ・グレート・ポンソンビー」に泊った時、
「この近くにビーズ屋ってありませんか?」
と宿のおネエさんに聞いてみると、
「あるある!私も買ったことがある」
と、紹介してくれた店でした。チェックインが済むや否や、そそくさと出かけてみました。
こぢんまりとした店内には一通りのものが揃っていて、全体的に日本より大粒のものが多く、好みのものがかなり見つかりました。日本製でも彼らのチョイスにかかると、日本とはずい分違った品揃えとなり変った色や形が結構揃っています。さらに大好きなインドビーズを大量に見つけてしまい、クレジットカード片手にもう買いまくり・・・♪
香港のように"おたま"ですくって買えるわけではないので(香港のビーズ事情はコチラで)、50粒、100粒と買う場合でも1粒ずつ数えなくてはいけないのです。香港人はスワロ(フスキー)のキラキラにイチコロで、あまり手作りのぬくもりに価値を見出さないせいかインドビーズは手に入り難く、「香港に帰ったらそうそう手に入らない」という脅迫観念もあってか、数えに数え、とうとう千粒単位という途方もないことに。最後はほとんど寄り目&涙目でした。
うつむいたきり顔を上げない不思議な東洋人に、店番をしていたキレイなアルバイト風のおネエさんたち2人はちょっと引いていて、遠巻きに見ているだけでした。でもビーズトレーと言われるネックレス形に楕円の凹みがついたプラスチックトレーを、1人で何枚使っていてもイヤそうな顔もせず(確かに客らしい客もいませんでしたが)、放っておいてくれたのには感謝。うっかり「Can I help you?」なんて声をかけられたら、どこまで数えたのかわからなくなり、「また最初から」なんてことになりかねないところでした。
レジにたどりついた時にはもうヘトヘト。頭もク~ラクラ。さすがにおネエさんたちも数え直すのはヤだったみたいで、すべて私の自己申告通りにレジを打ってくれました。ところが、色と形に分けて何枚かのトレーに乗せて運んだのに、会計が済むやいなや、「あっ!」という間もなく、それらは紙袋にザザ~~と一気に流し込まれ、すべて一緒くたに!「あんなにきっちり分けた私の努力は?!」と一瞬思いましたが、これこそが
「簡易包装、ゴミ減量への第一歩!」
と一介の主婦としてすぐに気を取り直し、たった1袋となってしまった大切なビーズ袋を抱えて店を出ました。
あれから1年半。もちろん使い切っていないので(もったいなくて使えないのがいっぱいあります)、まだ数百粒はあるであろうインドビーズがジャムビンの中に賑々しく納まりながら、他のビーズと一緒に西蘭家の窓辺に並んでいます。こんなガラスの粒にまで手作りの息遣いというものは残るらしく、インドビーズだけつなげてもなんとも趣のあるアクセになりますが、天然石やパールといった自然のものとの相性もまた抜群です。そして1粒でも使うたびに思い出す、あのポンソンビー界隈。どんなデザインでもNZの思い出つきで、作った時の思いがけない出来栄えの良さは、まさにキウインド・マジック。
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編集後記「マヨネーズ」
後から「ビーズ&ピーシーズ」は日本語のガイドブックでも紹介されているのを知りちょっとビックリ。NZ移住の師レディーDによれば、オークランド在住の日本人奥様御用達ということです。ということは、それ以外にオークランドにはビーズショップがないってことになるのでしょうか?
そうでないことを祈りますが、ひょっとしたら移住後は本当に店を出さないと自分で作る物の材料にも事欠くかもしれません。天然石、珊瑚、淡水パール、ターコイズあたりがもっとザクザク欲しいです。まさか飛行機に乗ってクライストチャーチのビーズアンリミテッドまで買い出しに行くわけにもいかないし。これは商社をやっている女友だちのところで丁稚奉公させてもらって、LC(信用状)の開き方から何から貿易のイロハを勉強した方がいいかもしれません。株なんか薦めている場合ではなさそうです。そして、NZの人にも是非、ビーズを粒で買うのではなく、"おたま"ですくって買う楽しさを味わって欲しいところです。
そう言えば、オークランドでは手芸屋でもビーズを買いました。クイーンストリートのクイーンズアーケード内にある「ホームワークス」という店です。数は少なかったけれど、ビーズを見つけたのが嬉しくて、少し残っていた色も形もばらばらなチェコを在庫一掃状態で買いました。・・・と言っても8粒とか13粒といった単位ですが。いくらビーズを持っていても、どこで買ったかは不思議と忘れないものです。特にホームワークスからのは数が少ないので、手に取るたびに店番をしていた、老眼の鼻めがねで優雅にビーズを数え、
「残りのご旅行を心からお楽しみください。」
と声をかけてくれた、老婦人を思い出します。
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後日談「ふたこと、みこと」(2021年1月):
たった18年前の話でも隔世の感。まず当時は世界的に空前のビーズブームで、ビーズ屋とか手芸店でのビーズやパーツの扱いが今では考えられないほどたくさんありました。なので時間の限られた旅行中でもビーズ屋巡りが気軽にできました。
さらにインターネットの発達で世界中から気軽にモノが買える時代が、こんなに早く訪れるとは、想像だにできなかった頃。やっとアマゾンがオンライン本屋を脱し始めた頃の話です。
ビーズ&ピーシーズもホームワークスもすでにありませんが、ザ・グレート・ポンソンビーはザ・グレート・ポンソンビー・アートホテルとして、今でも営業しています。
(※B&Bからホテルに昇格)
そのうちの1軒がオークランドのポンソンビーにある「ビーズ&ピーシーズ」。近くのブティックホテル風、洋館3軒ぶち抜き(2軒だったか?)B&B「ザ・グレート・ポンソンビー」に泊った時、
「この近くにビーズ屋ってありませんか?」
と宿のおネエさんに聞いてみると、
「あるある!私も買ったことがある」
と、紹介してくれた店でした。チェックインが済むや否や、そそくさと出かけてみました。
こぢんまりとした店内には一通りのものが揃っていて、全体的に日本より大粒のものが多く、好みのものがかなり見つかりました。日本製でも彼らのチョイスにかかると、日本とはずい分違った品揃えとなり変った色や形が結構揃っています。さらに大好きなインドビーズを大量に見つけてしまい、クレジットカード片手にもう買いまくり・・・♪
香港のように"おたま"ですくって買えるわけではないので(香港のビーズ事情はコチラで)、50粒、100粒と買う場合でも1粒ずつ数えなくてはいけないのです。香港人はスワロ(フスキー)のキラキラにイチコロで、あまり手作りのぬくもりに価値を見出さないせいかインドビーズは手に入り難く、「香港に帰ったらそうそう手に入らない」という脅迫観念もあってか、数えに数え、とうとう千粒単位という途方もないことに。最後はほとんど寄り目&涙目でした。
うつむいたきり顔を上げない不思議な東洋人に、店番をしていたキレイなアルバイト風のおネエさんたち2人はちょっと引いていて、遠巻きに見ているだけでした。でもビーズトレーと言われるネックレス形に楕円の凹みがついたプラスチックトレーを、1人で何枚使っていてもイヤそうな顔もせず(確かに客らしい客もいませんでしたが)、放っておいてくれたのには感謝。うっかり「Can I help you?」なんて声をかけられたら、どこまで数えたのかわからなくなり、「また最初から」なんてことになりかねないところでした。
レジにたどりついた時にはもうヘトヘト。頭もク~ラクラ。さすがにおネエさんたちも数え直すのはヤだったみたいで、すべて私の自己申告通りにレジを打ってくれました。ところが、色と形に分けて何枚かのトレーに乗せて運んだのに、会計が済むやいなや、「あっ!」という間もなく、それらは紙袋にザザ~~と一気に流し込まれ、すべて一緒くたに!「あんなにきっちり分けた私の努力は?!」と一瞬思いましたが、これこそが
「簡易包装、ゴミ減量への第一歩!」
と一介の主婦としてすぐに気を取り直し、たった1袋となってしまった大切なビーズ袋を抱えて店を出ました。
あれから1年半。もちろん使い切っていないので(もったいなくて使えないのがいっぱいあります)、まだ数百粒はあるであろうインドビーズがジャムビンの中に賑々しく納まりながら、他のビーズと一緒に西蘭家の窓辺に並んでいます。こんなガラスの粒にまで手作りの息遣いというものは残るらしく、インドビーズだけつなげてもなんとも趣のあるアクセになりますが、天然石やパールといった自然のものとの相性もまた抜群です。そして1粒でも使うたびに思い出す、あのポンソンビー界隈。どんなデザインでもNZの思い出つきで、作った時の思いがけない出来栄えの良さは、まさにキウインド・マジック。
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編集後記「マヨネーズ」
後から「ビーズ&ピーシーズ」は日本語のガイドブックでも紹介されているのを知りちょっとビックリ。NZ移住の師レディーDによれば、オークランド在住の日本人奥様御用達ということです。ということは、それ以外にオークランドにはビーズショップがないってことになるのでしょうか?
そうでないことを祈りますが、ひょっとしたら移住後は本当に店を出さないと自分で作る物の材料にも事欠くかもしれません。天然石、珊瑚、淡水パール、ターコイズあたりがもっとザクザク欲しいです。まさか飛行機に乗ってクライストチャーチのビーズアンリミテッドまで買い出しに行くわけにもいかないし。これは商社をやっている女友だちのところで丁稚奉公させてもらって、LC(信用状)の開き方から何から貿易のイロハを勉強した方がいいかもしれません。株なんか薦めている場合ではなさそうです。そして、NZの人にも是非、ビーズを粒で買うのではなく、"おたま"ですくって買う楽しさを味わって欲しいところです。
そう言えば、オークランドでは手芸屋でもビーズを買いました。クイーンストリートのクイーンズアーケード内にある「ホームワークス」という店です。数は少なかったけれど、ビーズを見つけたのが嬉しくて、少し残っていた色も形もばらばらなチェコを在庫一掃状態で買いました。・・・と言っても8粒とか13粒といった単位ですが。いくらビーズを持っていても、どこで買ったかは不思議と忘れないものです。特にホームワークスからのは数が少ないので、手に取るたびに店番をしていた、老眼の鼻めがねで優雅にビーズを数え、
「残りのご旅行を心からお楽しみください。」
と声をかけてくれた、老婦人を思い出します。
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後日談「ふたこと、みこと」(2021年1月):
たった18年前の話でも隔世の感。まず当時は世界的に空前のビーズブームで、ビーズ屋とか手芸店でのビーズやパーツの扱いが今では考えられないほどたくさんありました。なので時間の限られた旅行中でもビーズ屋巡りが気軽にできました。
さらにインターネットの発達で世界中から気軽にモノが買える時代が、こんなに早く訪れるとは、想像だにできなかった頃。やっとアマゾンがオンライン本屋を脱し始めた頃の話です。
ビーズ&ピーシーズもホームワークスもすでにありませんが、ザ・グレート・ポンソンビーはザ・グレート・ポンソンビー・アートホテルとして、今でも営業しています。
(※B&Bからホテルに昇格)