アイヌ語由来の地名が多い北海道であります。
札幌市営地下鉄南北線に乗って出かけたいと思った時、澄川（すみかわ）の由来って何だろうと思い、行ってみることにしました。
澄川は下図が表す地域であります。
札幌市南区公式HPより
※Googleマップだとさらに南側の山林地帯も「澄川」で表示されます。
8つの字が統合されてできた「澄川」。
考えていた以上に広いエリアのようであります。
澄川エリアでありながら、平岸や真駒内、西岡と言った地名も見られます。
昭和初期までは「精進川（しょうじんがわ）」と呼ばれていました。
理由はいたってシンプル。
「精進川」が流れていたからであります。
澄川（すみかわ）となったのは昭和19年（1944年）。
難読で数が多すぎる字を整理統合するようにという、北海道庁の呼びかけに応じました。
「簡易・平明・優雅で口調が良いもの」が奨励され、澄川も8つ字を統合して作られました。
澄川の名の由来は、「精進川の澄んだ流れ」から来ております。
平岸や真駒内、西岡と言った地名も見られる澄川エリア。
旧名の「精進川」はもはや公園や緑地などにしか、その名を見ることはできません。
今回は遊歩道が整備された「精進川河畔公園」に行ってみようと、札幌市営地下鉄南北線「澄川」駅から歩くことにしました。
札幌市営地下鉄南北線「澄川」駅。地下鉄とありますが、澄川駅は1面2線島式ホームの高架駅 で、2階にホームがあります。現在の駅は昭和46年（1971年）北24条駅～真駒内駅間開通に伴い、設置されました。昭和44年（1969年）までは定山渓鉄道の駅でした。
グルメスポットとしての顔を持つ澄川。このエリアには有名店の本店が多数みられます。
グラノーラ専門店「カクキウェンズデー」本店。カフェメニュー有り。
「スミカフェ」。札幌を代表する洋菓子店「ろまん亭」で修業された方が独立してオープンしたお店だそうです。朝食メニュー有り。
芸能衣装専門のレンタル店。
着ぐるみのヘッドパーツも楽しいのですが、写真左側に見える「バナナの叩き売り」の幟も気になります。どういう時に使うのでしょう？
さらに天神山に向かって歩くと、「本願寺道路終点」の記念碑。この道は札幌が他と通じる初めての道らしい道だったとのこと。
久しぶりの街歩き。ご挨拶をして行こうと「相馬神社」に立ち寄らせていただきました。ちなみに一の鳥居をくぐると勾配のきつい坂が待っております。
相馬神社は福島県太田相馬神社の御分霊を奉遷し 、明治41年創立。御祭神は
天之御中主大神（あめのみなかぬしのおおかみ）。天地自然、万物の生育発展を主宰する神様だそうです。
御神木の「シバグリ」。樹齢は300年以上とのこと。
ぐるっと回って、最終目的地の「精進川河畔公園」へ。
自然豊かな大きな公園。公園の南端には小さな滝があります。
以前は柵とコンクリート護岸が設置されて、排水路のようだったそうなのですが、現在はそれらが撤去されて、川らしい景観に戻されました。
園内にある氷池（ひいけ）。住民の要望で復元されました。大正11年頃から昭和12年頃まで、精進川と豊平川南22条橋の両側に幅25mの池を造り、天然氷を採取していたそうです。ワンシーズンに2回しか切り出しができなかったとか。リンゴ農家にとって貴重な冬の収入源だったそうです。
鴨のカップルが泳いでおりました。
ところで「精進川」の由来って何でしょう？
以下の説があるようです。（諸説あるらしい。）
- 平岸の河岸段丘が切れる川尻付近に滝があり、そこをアイヌ語で「オソ （ショ） ウシ」（川尻に滝があるの意）と言った。そこから「オショシ川」→「お精進川」→「精進川」になった。
- 豊平川の段丘崖に滝があるため、鮭が遡上できなかった川なので、「魚の住まない川」、すなわち「精進川」となった。
- 滝をなんとか上ろうと魚が精進する姿から。
いまや貴重な地名となった「精進川」。
その地名が人々の安らぎの場となる公園や緑地に残っているのは幸いであります。
豊平川が昔流れていたかわ道の名残であるという「精進川」がずっとこのままこの地域を流れていくことを願うのでありました。
とても良いウォーキングでした。
＜今回のコース＞
＜参考資料＞
- 札幌市南区公式HP「澄川地区」
- ウィキペディア「澄川駅」、「澄川駅（定山渓鉄道）」、「相馬神社（札幌市）」
- 「本願寺道路終点」の碑説明板
- 精進川河畔公園の説明板
- 『札幌の地名がわかる本』（関 秀志・編 亜璃西社）
- STV「どさんこワイド179」＞「札幌の歴史を歩いて探訪！てくてく洋二」
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