コツコツ歩き隊!

散策!札幌(70) 民俗学的にも大変珍しい「仙人庚申塚」を拝見する

≪前回からのつづき

🌟散策のお土産



「三星(みつぼし)」と言えば、ハスカップジャムを使ったロールケーキ「よいとまけ」がとても有名な北海道・苫小牧(とまこまい)のお菓子屋さんであります。
「よいとまけ」は北海道代表するお菓子なので、土産店に行けば手に入るのですが、それ以外のお菓子となると、入手はかなり難しくなります。

ハスカップスイーツの種類の多さにかけては、道内随一の「三星」さん。
北海道のフルーツである「ハスカップ」を身近にしてくれている「三星」さんのお菓子は、チャンスがあれば是非いただきたいものであります。


JR「あいの里教育大」駅前にあるショッピングエリア。最後の休憩にもおススメ。

そんな訳で、私、札幌の郊外に出かけて行く時は、「コープさっぽろ」をまずチェック。
あれば、「三星」さんがテナントとして入っているかどうかもチェックします。
どうも、「三星」さんの戦略として、札幌中心街ではなく、郊外にあるコープさっぽろにて店舗を展開してらっしゃるようなのです。
よって、中心街よりも郊外の方が、「三星」さんのお菓子が手に入りやすいです。
あいの里にも「コープさっぽろ」はあり、「三星」さんがテナントとして入っておりました。

今回は、大好物の「ななかまど」を購入。
オールスパイスが良い仕事をしている、ミニバウムクーヘンであります。
もちろん、「ハスカップ」味もあります。
「あいの里」散策時は、苫小牧の名店「三星」さんのお菓子を是非、チェックしてみてください。

<札幌市北区「あいの里」散策プラン>
【散策マップ】
・かなりの距離を歩きます。良い飲食店もありますので、営業時間や電車の時間など予め調べておき、よく計画を立てて足をお運びください。
・強風の日に札幌大橋を歩く時は、くれぐれもお気を付けください。無理をせず、場合によっては端折っても良いと思います。

【見どころ】
5.仙人庚申塚
「庚申(こうしん)」とは、「干支(えと)」すなわち「十干(じっかん)」・「十二支(じゅうにし)」の組み合わせの一つであります。
干支は合計60通りの組み合わせで表します。
陰陽五行説において、「庚申」の年・月・日があり、「庚申」の年と日は人の心が冷酷になりやすいとされています。
そんな訳で、「庚申」の日は60日ごとに巡ってきます。

この更新の日に神々を祀り、その後、寝ずに酒盛りなどをして夜を明かす(=庚申待)という「庚申信仰」が、かつて日本にはありました。
(今でも親睦会に名を変え、行っている所もあるようです。)

なぜ寝ないのか、と言えば、中国の道教によれば、人間には「三尺(さんし)の虫」がいて、いつもその人の悪事を監視しており、「庚申」の日の夜、人間が寝ている間に天に登って、天帝(閻魔大王)に告げ口報告し、罪状によっては寿命が縮められたり、死後、地獄・餓鬼・畜生の三悪道に落とされたりする ことから、それを防ぐためでした。

こうした信仰は村単位で行われるようになり、「庚申講」と呼ばれました。
そして、「庚申待」を3年18回続けると、記念に「庚申塔」または「庚申塚」を建立したのであります。
たいてい、庚申塔には青面金剛(しょうめんこんごう)や「見ざる、言わざる、聞かざる」のが彫られました。
(文字のみが刻まれることもあります。そういうものは比較的新しい庚申塔。)

江戸時代までは盛んに行われていた「庚申講」ですが、明治時代に入るとぐっと減ります。
理由の1つは、明治政府が「庚申信仰」を迷信と位置づけたからであります。

故にですね明治維新後、本格的に開拓が始まった北海道で、「庚申塚」が建てられたこと自体、珍しいと思うのですが、さらにですね本尊として「仙人」が彫られたというのは、とても珍しいことなのです。

そんな珍しい「庚申塚」が「あいの里」エリアにあります。
「仙人庚申塚」であります。



明治28年(1895年)に建てられました。
すぐそばにある説明板によれば、山岳信仰の開祖と言われる「役行者(えんのぎょうじゃ)」が彫られているのだとか。
風化がかなり激しく、また布がかぶせられているため、長い髭を貯えた人物であることはわかるのですが、あとはよく分かりません。
右には錫杖(さくじょう)、左手には金剛杵(こんごうしょ)を持っておられるようです。



なぜ、こちらが「庚申塚」だと分かるかと言えば、台座に三猿が彫られているから。
(なかなか面白い配置であります。)



庚申塔の本尊には、その他に「帝釈天」や、神道と結びついて、「猿田彦神(さるたひこのかみ、さるたびこのかみ)」が彫られることがありますが、「あいの里」では山岳信仰と結びつきました。

本当に珍しいので、せめて札幌市の文化財に登録しても良いのではないかと思います。
(そして保存に努めましょう。)

ウォーキングテーマとしてずっと「庚申」を追い続けている私。
貴重な庚申塚を拝見することができ、「庚申」の勉強をしておいて本当に良かったと思ったのでした。



※過去、「庚申」について勉強し、まとめたものを記事にしたことがあります。
ご興味あればご一読を。

6.JRあいの里教育大駅

散策マップでは約 7km の散策コースとなっていますが、道を間違えたので、実際には8km ぐらいは歩いており、かなり疲労しました。
ゴールの JR「あいの里教育大学」駅まで来ると、國松明日香氏・作「ミューズ」が出迎えてくれました。


オータムフェストで、食べてばかりの前月。
「あいの里」散策で、街歩きの勘を取り戻したように思います。
とても楽しい散策でした。

おわり
<参考資料>
  • 仙人庚申塚の説明板

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