北海道熱供給公社のマンホール・白い蒸気の正体

2021年12月30日

今やウォーキング・テーマの定番となった「マンホール」。

近隣の街へ出かけて行くのも楽しみとなります。
調べれば調べる程にマンホールの観察ポイントは増えて行きますよ。

＜マンホール写真集（80）＞

ある日のこと。

札幌には「北海道熱供給公社」なるものがあることを知りました。

💡北海道熱供給公社とは

札幌市内において地域熱供給事業を行う企業である。

供給区域は札幌都心部と光星地区。

札幌都心部では、JR札幌駅、創成川、南一条通、西7丁目通に囲まれた範囲の主要オフィスビル等、及び札幌中央郵便局、JR札幌病院、北大植物園に高温水（一部施設にはこれに加え、温水、冷水、電力）を供給する。

光星地区では、光星団地や道営住宅、東区役所等に高温水を供給している。

供給区域は約106ヘクタール。

日本の地域熱供給の中でも大規模である。

エネルギーセンターは、中央、札幌駅南口、道庁南、赤レンガ、創成、光星などにある。

北海道熱供給公社が設立されるきっかけとなったのは、札幌オリンピック（1972年）で、それまで札幌は、各建物から排出される暖房用熱源の煤煙による大気汚染が深刻化していた。

北海道初の地域供給熱が導入されたことにより、大気汚染防止に大きな役割を果たした。

そもそもそうした企業があることを知ったのは、こちらの設備を発見したことがきっかけでありました。

こちらは大通公園4丁目の西南側にあるもの。

白い蒸気がモクモクと立ち上っていて何だろう、と思ったのであります。

札幌は冬になると、時たま白い蒸気がモクモクと街中を覆い、なかなか情緒深い風景を作ることがあります。

普段はその蒸気が何なのか考えても分からないので、素通りしてしまっていたのですが、大通公園のものは規模も大きく、蒸気の量も多かったので、好奇心を抑えることができず、札幌在住四年目にして遂に調べることにしました。

初めは、ビルの屋上から時々立ち上っていたりする白い蒸気のものと同じなのでは、と推理し、そこから調査を始めました。

参考にしたのはこちら。

こちらによると白煙は地域冷暖房システムのボイラーから出る蒸気とのこと。

よって、大通公園の白い蒸気も、ボイラーから出た蒸気ではないかと考え、地下にそうした設備があるのではないかと思い、色々検索してこちらの記事を発見しました。

コージェネ財団「取材報告　天然ガスコージェネレーション活用型大規模地域冷暖房システム（道庁南エネルギーセンター）」（pdf）

そして、「北海道熱供給公社」に辿り着いたのであります。

私、「北海道熱供給公社」の存在を知った時は大変感心し、そりゃぁもう大興奮でありました。

ブログの記事にしようと張り切りました。

しかし、確証はありません。

それで確認をするため、お忙しいであろうと大変申し訳なく思ったのですが、「北海道熱供給公社」に電話したのであります。

そうしましたら、残念なことに私の推理は完璧に外れてまして（涙）、上写真の設備は地下鉄の換気塔であることが分かりました。

しかしながら、北海道熱供給公社の方は、私の的外れな問い合わせにもかかわらず、ものすごく親切に対応して下さいまして、色々と教えて下さったのであります。

その内容は以下の通り。

上写真の設備は地下鉄の換気塔であること。
普段は白い蒸気が出ないように気をつけてはいるが、外気の温度によっては白い蒸気が出てしまうことがあること。
（私が質問したような内容であっても）問い合わせがあると、異常がないかきちんと現地に足を運んでチェックし、報告すること。
（ちなみに今回は地下鉄管理の設備なのに、わざわざ地下鉄の方にも確認を取って下さいました。申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。本当にすみませんでした。）
そして札幌中心部で時々見られる白い蒸気が出る煙突は、「北海道熱供給公社」のものであり、それは煙突そばにある北海道熱供給公社の「マンホール」に溜まった熱を逃がすために設置されているものであること。

などであります。

なんと、冬、街中に時たま漂う白い蒸気は、北海道熱供給公社のマンホールで生じたものでありました！！

ちなみにこちらが北海道熱供給公社の煙突。