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「大向う」 ジミソウ、ジミソウ ...(自民党総裁選)

2020-09-07 19:32:54 | 『コロナ:考』新しい試みです(2020年4月より)
「大向う」(おおむこう)とは、 芝居小屋の向う桟敷の後方、舞台から最も遠い客席のこと。明日は、自民党総裁選が告知される。政策論議をおろそかにすれば、党の汚点となろう。離れた場所から、目も耳も肥えた国民が注視していることをお忘れなく、と言いたくなりました。

https://youtu.be/5G2oslFhtDA(2分9秒)

◆芝居小屋の舞台から一番遠い席は「大向う」(おおむこう)と呼ばれる。全体を見渡せるため、目も耳も肥えた芝居好きが集まる。

◆講談の「中村仲蔵」は、江戸時代に実在した役者の立志伝である。仲蔵は日の当たらない道を歩んでいたが、忠臣蔵の端役を演じるのに苦心して、全身白塗り、びしょぬれという度肝を抜く姿で舞台に現れた。静まりかえった小屋で、見つめていた常連客が喝采をあげた――

◆国の指導者を決める選挙で、投票権を持たない国民はさしずめ大向うの客だろう。舞台にあがる3氏には日本の進路を濃く深く論じてもらいたい。

あす自民党総裁選が告示される。
◆コロナ禍の対処と経済の両立はもちろん、対立を深める米中両国とどう付き合うか。折からの重い課題である拉致問題、少子高齢化、地方の疲弊…。現政権の看板「アベノミクス」が継承に値するか否かも、聞いてみたいところである。

◆すでに結果が見えるからといって政策論議をおろそかにすれば、党の汚点となろう。総裁選を単なる派閥の主導権争いにしてはなるまい。
離れた場所から、目も耳も肥えた国民が注視していることをお忘れなく。

【読売新聞 編集手帳 2020年(令和2年)9月7日より】

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