朝は来る 恋愛詩の章 by asawakuru

恋愛詩です。
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恋心 5

2020年07月09日 | ストーリー





その後何回か4人でご飯を食べた

この頃にはアナタは馴染んで

カラオケに行ったり距離が近くなった

ボクは相変わらず距離を取ろうとしたが

常に隣にいてゼロ距離で距離を詰めて

来てたが さり気なく 無駄に距離を

取ろうと意識した

鈍感なボクでもアナタの気持ちに

気付いていたが

その気持ちに応えることはしなかった

これがどれだけ残酷な事かを知っていた

しかし

アナタに惹かれていくことに戸惑い

いつものように距離を取れずにいた

そう アナタは よく似ていた

ボクは アナタを通して違うものを

感じていた 見えていた


ベランダでタバコを吸いながら空を見上げ


良くないよな 失礼だよな


アナタの大切な時間をボクに使わすことに

罪悪感を感じていた


そんな時スマホにアナタからLINEが届いた


会えませんか…今


どれだけの気持ちを込めて書いたのだろう

胸が締め付けられた 胃が痛い


今どこ 行くよ


覚悟を決めよう いつも通り終わらせよう

アナタのために 

決してボクの為でなく 決して…


公園のベンチにアナタは座っていた

ワンピース姿のアナタは 

今にも折れてしまいそうな感じがした


お待たせ

もう遅いです

ゴメン 道が混んでて


ベンチの隣に座った

二人とも目の前の噴水を見てた


彼氏になってください


ゴメン

やっぱり そうですね


なぜか聞いてもいいですか


好きな人がいるから


そうですか


私って魅力ないのかな 

好きになった人は

自分を見てくれないんですよね


そうかな 

可愛いしそんなことないんじゃないかな


振った人が言っても説得力ゼロです



はぁー お腹空きました

なにが食べたい?

高いのがいいです


じゃーフグ行こう


やったー 


腕を組まれて引っ張られた

付き合えないと言ったのに

まぁ いいか お金足りるかな

そこから3時間恋愛の愚痴を聞き続けた

日本酒制覇したよね この子


結局今公園の同じベンチに戻ってきて

隣で小さな寝息を立ててる

またスタート地点に戻ってきた


けども寝顔を見てると愛しさが

止まらない 

もう恋してしまってるんだな


暫くして目を覚ましてボクを見て

ボクの頬に手を当てた


どうして そんなに辛そうな顔をしてるの


無理やり笑顔を作って

そうかな 気のせいじゃない

車で送るよ

立ち上がってごまかした


ちょっと座ってて


近くの自販機で水を2本買ってきて

1本渡して 自分の水を飲んだ


そうしたらアナタはボクの水を奪って

全部飲み干した


空のボトルと未開封の水を返してきて

やってやったの顔をして歩き出した

我に帰って慌てて追いかけた


この子は強いな もしかしたら…

車を出しても ご機嫌だ

テンションが高い 不思議な子


アナタの家の前に着いた


今日はご馳走様でした

アナタが降りた

その時助手席の窓を開けた


やっぱりさっきの答え 保留でいいかな


アナタはびっくりしてボクを見た


私これでもモテるから早くして下さいね


とびっきりの笑顔を向けてきた


努力するよ おやすみ


そして車を出した

バックミラーを見たらマンションに

入らずずっと手を振ってる


ボクの中で固まっていた歯車が

動き出したような気がした


Fin…







恋心 4

2020年07月07日 | ストーリー





3カ月前

残業時間で仕事が一服した時

違う部署のアシスタントの子が

席まで用件を伝えにきた

別にメールでいいんじゃないかと思いつつ

出張の精算の時お世話になってるので

飲み込んだ ボクは一言多い

用件が終わってもなんか居着いてる

最近のパターン 

残業時間の人気が少なくなるとやって来る

そういえばクッキーのお礼してなかった

クッキー美味しかった

料理も趣味とか

いいお嫁さんになるね


一瞬なにか言いたそうに間が空いた

3年後輩だから上から目線だったかな

セクハラになるか

なんか地雷を踏んだかな 

言われて嫌なのだろうか


つぐんだ口が開く瞬間


帰るぞ 飯行こうぜ

ツレが声をかけてきた

助かった その子にさよならと言って

席をたった

その子はツレを睨んでいたような

気がするけど気のせいかな


いつもの居酒屋

またツレの彼女が合流して来た

その時友達のアナタを連れてきた


アナタは名前を言って席についた

すぐに打ち解けて馴染んでいた

ボクのくだらない話も楽しそうに

聞いてくれた

その内仕事の愚痴とか出会いがないとか

結構食事とか誘われるけど

下心が見えてウンザリしてるとか


大変だね けど男ってそんなもんじゃない

その内いい人と出会えるいいね


アナタはびっくりした表情をして


そうですよね 彼女さんはいるんですか

いないよ まだいいかな

仕事が楽しいし当分先かな


隣のバカップルが付き合えとかうるさい

まだ会ったばっかりなのにバカか

リア充は死ねばいいのにな

うるさいな


なんですぐに恋愛話になるのか

面倒くさ


アナタは

そうですね 

面倒くさいですね 特にあの二人


話が合いそうでよかった

そのままお開きになった

彼女達を駅まで見送って別れた


ボクは飲まないからツレと駐車場まで

歩いた 飲む時はボクが車を出す


ツレは無言だった

ボクも無言で歩いた

ツレの考えてることを

ボクは分かってるから

駐車場の車の横でタバコに火を付けた

ツレも彼女と付き合いはじめてやめてた

タバコをくれのサインを出したから

火を付けてやった

禁煙して1年振りに吸ってる

それだけ彼女が大事だってこと


空を見上げたら曇ってた

月も星も見えない


二人車にもたれながら天に煙を吐いた

ツレが最初に呟いた 目線は天のまま


まだダメか

そう見えるか

そうだな

そうか…


彼女の友達の子 いい子だろう

そうだな いい子だった けどな


そうか まあ気にすんな

俺はいつでもお前の味方だ

腹減ったラーメン奢れよ

了解


二人はタバコをくわえたまま車に

乗り込んだ

あとはどこのラーメンにするか揉めた

続く…


恋心 3

2020年07月06日 | ストーリー





仕事が終わって帰る準備をしてたら

ツレが飯行こうぜと誘ってきた

いつもの居酒屋に入って乾杯

ボクは下戸なのでウーロン茶


しばらくしてツレの彼女が合流した

これで2回目のメンツだ

ツレは背も高くてスマートでいい奴だ

人当たりが良くて昔からモテた

一方ボクは背が高くなくフツメン

どこにでもいる一般人


ツレの彼女は美人で誰からも好かれる

タイプのとても良い子

隣で見ててもお似合いのカップル

多分結婚するだろう


いつものように談笑してたら

彼女作れと二つの口がうるさい

今は仕事が楽しいし忙しいから

興味ないと言うと 勿体無いと言う

こんなフツメンモテないよ

相手も選ぶ権利があるだろう

当分一人でいいよ


ツレが違う部署のアシスタントの子と

仲いいよなといらないこと言った

その子は小柄で可愛い系で結構みんな

狙ってるってツレが言ったが

その手の話は全く興味がなかった初耳


ツレの彼女が前のめりに迫ってきた

そういえばクッキーもらった

ちょうど鞄に入ってたから

食べると聞いたら彼女に怒られた

その子とのことを聞かれた


残業して気づいたらボク一人

もう10時かタバコ吸いに行ったら

その子が一人仕事してた

タバコを吸って戻る途中に

遅くまで残業大変だね

ジュースを机に置いた

上司に丸投げされたらしい

一緒だねって言って笑い合った

ついでに愚痴を30分以上聞かされた

もう一度タバコが吸いたくなった


送るからもう帰ろう

いいんですか お願いします

てっきり断られるかと思ってたのに意外

すぐ準備しますと言って後始末して

更衣室に走って行った


最終退室して警備システムをオンして

二人外に出た 空を見上げたら星空

明日休みで良かった


自分の車の助手席の荷物を後ろに投げた

元気によろしくお願いします

助手席に乗り込んだ


お腹がなった 助手席で

何か食べようかと言ったら

耳を赤くしてコクコク頷いた


帰り道のファミレスに寄った

散々喋った 主に彼女が

デザートのパフェを見てたら

気にしないで食べてと言われて

二人分頼んだ

食べてから遅くに甘いもの食べると

太るよと言ったら女性に言うのはダメと

説教された

なんだろうな 昔からよく説教されるな

ボクがお金を払って店を出た

遠慮してたけど女の子にお金を出させる

なんて出来ないしね


お腹が一杯になったのか隣りでうとうと

ナビに住所を入れさせて眠り姫

20分で単身マンションの前に到着

本当に無防備でボクが送り狼だったら

大変だとその子が心配になった


声をかけても起きないので肩を揺すった

ここどこですか

マンションに着いたよ

はい ありがとうございます

寝ぼけながらフラフラ歩いて

オートロックを開けて中に入ったのを

見届けて車を出した

家に着いたら2時だった

ってことがありました


それ以来なんか懐かれてる

困ったもんだ 周りの視線が痛い


ツレの彼女がはーっと息を吐いた

ボクにどうするのか聞かれたが

興味ないから ほっとくと言ったら

怒られた

ツレ曰く、タチの悪い男なんだ

昔のことをツレが勝手に話出した

ボクは無視して焼き鳥を食べた

ツレの彼女は珍しいものを見るように

ボクを見て言った 何やってんの

続く…

恋心 2

2020年07月06日 | ストーリー





ほら乗って 

おんぶするため彼女の前でしゃがんだ


えっ大丈夫、大丈夫 ほら立てる

立ち上がろうとしたが尻もちをした

スカートを慌てて下ろしてた


はー 早く邪魔になるからと強めに

くるように促した


そっと肩に手を置いてゆっくりと

体を任せてきたのでゆっくり

おんぶをして立ち上がった


恥ずかしいのか顔を隠して

首に手をまわしてきた

そして近くの公園まで歩き始めた


耳元で 重くない?って呟いてきた

うん重いよ 結構

瞬間 頭を叩きながら暴れ始めた

ゴメン ゴメン 謝ったら収まった

こういうところ女心が分かってない

デリカシーがない 散々説教された


そんなんじゃ 振られるよ

と言って静かになった


そうだね 気をつけるよ


その時アナタの鼓動が大きくなった

ような気がした


10分ほど歩いてたら寝息を立ててた

公園のベンチにゆっくり下ろした

酔っぱらうと寝るようだ 

無警戒過ぎて心配だな

もう終電も行ってしまった


ジャケットを脱いでアナタに掛けて

アナタの隣りに座って空を見上げた

月がとても綺麗な夜だった

いつの間にかアナタは体を預けて

眠ってる


月夜に照らされたアナタは神々しく

綺麗だった

気がつけばまつ毛が濡れてた


アナタの前髪を避けて目に

溜まった涙を拭った

悲しい夢でも見てるのだろうか


優しく髪を撫でた サラサラの綺麗な

髪が心地良くて撫で続けた

愛しくて仕方がない


もう知り合って3か月か


続く…




恋心 1

2020年07月05日 | ストーリー





出会いがないと嘆くアナタ

そんな愚痴を聞くボク


人口の半分は男なんだし

そこら中に歩いてるしナンパしたら

そもそも理想が高すぎるんじゃないの


いいと思ったら既婚者だし

既婚者のくせに食事に誘ってくるのが

多くて信じられない


この魚美味しいよ

なんか口が尖ってるように感じるけど

気のせいだろう


街コンとか行ってみたら

出会いあるんじゃないかな

誰か誘って行ってみたらいいよ


なんか視線が痛いけど気のせいだろう


可愛いいし面倒見がいいし

その内いい出会いがあるんじゃないの

男たちも見る目がないね 本当


なんか目を合わせたらダメなような

気がして料理に集中 集中


ほっぺが膨らんでいるようなのは

気のせい 気のせい

指でほっぺを突っつきたい衝動を

抑えるのが大変 ああ突っつきたい


なにか言いたそうなのは気のせい

そろそろやばいな


ああもうこんな時間

会計でいいよね


えっ 日本酒の大吟醸ほしいの

今日飲み過ぎじゃない

すごい美味しいの 味見てみろと

あら美味しいね 升返すね


もう終電近いのに 早く会計せねば

また同じ日本酒頼んでる

目が据わってるね ああ怖い

頼んでるのに寝るなよ

ほら出るよ はい起きて 起きて

えっトイレ 行っておいで

やっと店出れた

3時間の愚痴からの解放だ ふー疲れた


店の前でしゃがまない 邪魔だよ

えっ気分悪いの 立てないの

なんてこった

続く…











出逢いとバスと鈍感男 後編

2020年06月16日 | ストーリー







このバスで帰るんですか

うん これが最後のバスだから

それに今日卒検合格したから

ここに来るのも最後なんだ

今日で卒業


そうなんですね

気のせいか瞳が揺らいだように見えた


もう友達も帰ったし遅いけど大丈夫?

大丈夫です 親が迎えに来るので

笑顔だけど なんかぎこちない


あと5分か もう行かなきゃ


そしてボクは立ち上がった

その子は座ったまま

言葉を発することなくボクを見上げた

手をグッと握ってるように見えた


付き合ってくれてありがとう

気をつけて帰ってよ


その子は はいってうなずいて

小さくバイバイをしてくれた

バイバイと言って背を向けた


待合室から玄関を出たら真っ暗だった

冬を告げる冷たい小雨が音もなく

静かに降ってた


玄関を出て左手を少し歩いたところに

寒そうなバスがポツンと止まってた

バスに乗り込んだら

一人女性が車内の左手に座ってた

反対側の学校側の右側に座った


学校から漏れる光で辺りを照らしてたけど

小雨のせいでおぼろげだった

やっと終わったと感慨にふけった


運転手が乗って来てエンジンをかけて

そして静かに進み出した


ぼんやり学校を見ながら

さっきの子はいい子だったな

帰り大丈夫だろうか


外を見ながらぼんやり考えてた


玄関の手前に二人の人影

バスがその前に差し掛かったとき

さっき話をした子と先に帰ったはずの

もう一人の子がバスを見上げてた

あの子は胸の前で手を握って

もう一人があの子の肩に手を回してた

外からはバスの中は見えないのか

目を凝らしているようだったけど

ボクには二人の姿がはっきり見えた


バスは真っ暗な小雨の中あっという間に

玄関前を通り過ぎて行く


時間としては一瞬だったけど

ボクにはスローモーションのように

二人の姿を捉えて離さなかった

通り過ぎても尚ガラスを凝視して

固まって動けなかった


どんな話でも楽しそうに笑う表情

バスの話をした時の表情

もうすぐ行くと言った時の表情

さよならと言った時の表情



全て分かってた

気づいてた

感じていた


呆然と目を見開いたまま

いつもの停留所で降りた


いつもこうだ

分かってるのにわからないように

誤魔化す弱い自分


この時から女性が目を見て話してくる時

目を見て話すのが苦痛になった

時間が経っても尚苦手のまま

遠い昔から心に残るトゲになった物語。






最後までお付き合いありがとうございました。
携帯もスマホもLineもメールもなかった
頃の鈍感男の昔話でした。
感想など頂けると嬉しいです。(^^)









出逢いとバスと鈍感男 中編

2020年06月15日 | ストーリー





その子は高校を卒業したら就職

本当は短大に行きたかったけど

家に余裕がないから諦めたと言った


大学は楽しいですか

工学部だから毎日朝から晩まで講義で

遊ぶ暇もなくて高校と変わらない

講義でないと留年しちゃうし

遊んでるのは文系だよ

あいつら遊ぶために大学行ってる


〇〇生って人気あるんですよ

みんな有名な会社に行くからって

そうなんだ まあ確かに就職はいいなぁ

イメージしてた学生生活と違うけど


大学は女の子もいて楽しいでしょう

工学部しかないから男ばっかり

学科で女の子は2人しかいないから

男しかいないし

あと寮に入ってるから男ばっかり ハハ


じゃ出会いがなくてつまらないですね

友達に連れられてサークルに入ってるから

周りの女子大とか短大とか出会いは

あるけど 


彼女さんはいるんですかあ

いないよ

サークルで出会いがあるのに?

テニスがしたいだけだから

妹みたいに懐いてくる子は何人いるけど

誰かと付き合ったら色々面倒だし

妹みたいな感じだし なんかね

別にいなくても気にならないしね


興味無いんですか!?

いやいやノーマルだから ほんと

疑ってるその目はやめて マジで


なんて たわいもない会話を続けてた

その子は途中から足が痛くなったと言って

すぐ隣に座ってた 

なんかいつの間にかとても近くなってた

その子は小柄だったから横から少し

見上げる感じで変わらず しっかり

目を見て話すのは変わらなかった

表情の豊かなその子が笑うと花のように

パッと華やかになった


校内放送が流れた

〇〇方面行きの最終バスは10分後に出ます


待合室の時計を見たらあと10分を切ってた

話し出して初めてその子から視線を外した

思ったより長く話してたな

あっという間に時間が過ぎた


そしてボクは視線をその子に戻したら

そこにいたその子は…


後編に続く…


出逢いとバスと鈍感男 前編

2020年06月14日 | ストーリー





大学2年の秋 自動車学校

卒検も合格して帰りのバスまで

時間があり座って待ってた

この間講義の調整したり友人に

代返してもらったり夜も学校に来て

短時間で卒検まで終わりほっとして

ボクは自宅に帰れる最終バスを待ってた

そして自動車学校に来る最後の日だった

あいにく自宅方面行きのバスまで時間があり

のんびり待合室のテレビの

バラエティを見て時間を潰してた

外はもう日が暮れて夜だった


暫くして女の子2人組と会話を始めた

多分向こうから話しかけられた

学生さんですか?と

〇〇大学の2年て答えた

自分達は今年で高校卒業ですって

会話が弾んだ

会話は2人組の片方の子が主だった

なにを言っても笑ってくれるその子

多分声をかけてきた方だと思う

自分は椅子に座っていたが

その子は目の前でしゃがんで

見上げるようにして話してた

とても可愛くて笑顔の素敵な子


暫くしてその子の連れの女の子が

用事があるから先に行くねって

行ってしまった

ボクは気にせずバイバイと言って

目の前の彼女もバイバイって言った

二人はそのままそこで会話を続けた

その子は相変わらず目の前で

しゃがんで話してとても楽しそうだった


その子はボクの目から目を逸らさず

真っ直ぐに見つめて話すのが印象的だった

ボクは楽しくて時間が過ぎるのも忘れてた


続く…




ここまでご覧頂きありがとうごいます。

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