荻伏共同育成場日誌

北海道浦河町にある競走馬育成牧場・荻伏共同育成場の場長が日々の風景をお届けする徒然日誌。

日本におけるトレーニングセールの歴史

2016-05-26 18:18:08 | 仕事
 トレーニングセールという言葉が日本に持ち込まれたのは1991年バレッツトレーニングセール出身のヒシマサルが活躍した頃だったと思います。その後円高の影響もありトレーニングセール出身の外国産馬が猛威を振るい、日本でもできないかという機運が高まってきました。しかし当時の育成場の主流は冬場はじっくり乗り込み春になってからピッチを上げていくというものだったので、3月や4月の段階でハロン11秒といったレース並みの速度で調教を行うということに対して否定的な見方が一般的でした。

 1994年3月8日に三栄育成牧場が日本で初めてのトレーニングセールを開催。あくまでプライベートセールなので市場取引馬とはならないものの、このとき日本のセリも新たな扉を叩くことになりました。1997年には3つのトレーニングセールが新たに開催されることになります。ひとつは今唯一継続されている日高軽種馬農協が主催する「HBAトレーニングセール」(当初は北海道3月3歳トレーニングセール)、もう一つは有力牧場が出資し設立された株式会社プレミアセールという民間会社主催の「プレミアトレーニングセール」、そしてひだか東農協といういち農協が主催する「ひだかトレーニングセール」という3つです。

 これらの興亡については長くなりそうなので次回。

 同業者やこの仕事に興味のある方はコメントくださいね。



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