やっち@十月祭とビール好きの部屋

町田の老舗麦酒屋さんを畳んだ店主のその後奮闘記です(笑)

色々あるんだねえ…

2015-07-09 10:05:14 | 日記
梅雨ですねえ…

もう全然ダメですね…
どこの飲食店も少なからず悩む時期でしょうが、その昔は雨でも雪でも台風でも誰か訪ねてきたものだ。
例え一人でも期待されるって勇気もらえるね!
だからどんな日でも、具合悪くても行かなきゃって、頑張ってたけど…
あんまり期待はずれな日が続くと、精神力にも限界があるね。
お向かいさんも昨夜は心が折れたのか、かなり早くに閉めてた。
私だけが弱虫じゃないんだって…みんなおんなじ。

今回の試飲。
缶ビールでは秀逸!すでに2缶目購入。

店内がむあっとしてたので、ドアを開けていたら初めてのオジサンが入ってきたよ。

“ここはフードは何があるんだい?”

小さな店でお客さんも少ないし、あれもこれも用意できないから、いつもあるメニュー以外は日替わりで用意している。
あれこれ食べたいなら他を探された方がよいのでは、とまで言った。
彼は壁の黒板をじっと見て…

“結構色々あるんだねえ…”

少ない方だと思っていたから驚いた。

そして、蛍いかの素干しとスモークチーズ、ビールはオススメのぺールエール。
初めての、しかも年配の方にクラフトビールを出すのは少々緊張する。
都心の専門店には、あまりないだろうが、ここ町田ではまだまだ認知度が低い。
彼は1番小さなサイズで頼んだグラスを一口飲んで、美味しいと言った。

出した蛍いかが呼んだのか、まだビールがあるのに日本酒を注文された。

自慢の錫の酒器に注いだ日本酒を、彼はビールに並べて飲んだ。
(最近お酒ばなれがささやかれているが、私はウィスキーのチェイサーにビール、熱燗にレモンサワー並べて飲むアル中だ)

それからも彼は追加でビールを頼まれた。
“一杯飲んだら帰るつもりだったのに…”

何度もそうおっしゃって、飲みながら色んなお話をした。
彼は(方向は違うけど)近隣の人だった。
今来てくれる常連と言える方は、ほぼ町田以外の方ばかり。
“町田のやっち“ビール界ではそう言われているが、この街はなかなか受け入れてくれない。町田に馴染めてない。
だから地元の人が来てくれるのは本当に嬉しい。

そしてお会計の時、カウンターに置かれた焼酎や泡盛を見て。

“本当に色々あるんだねえ…”

またおっしゃった。

お酒や食事の質や量、嗜好が合う人というのは、そんなものなんだね。

ちょっと安心した。
頑張ろうって思った。