今日は誰も来なかったんで暇潰しに昔の話。
私はとても面倒見がいい。
私をよく知る人は知ってると思うけど、本人が気付く前に段取りしてあげちゃう。
付き合った、特に同居してた人ならさらに分かるよね。
“きっとこうなるからその前にしてあげる”
秘書なら成り上がれたかもね?
夏休みの宿題は最初の一週間で終わらせる。
もらった教科書は全て目を通す。
今ある情報は把握したいし、処理したい。
直前にバタバタしない自分の生き方。
だけど、一般人はこれが理解できない。
過去のある男の話。
健康診断の用紙をもらってきた。
内容も読まずに放置しているから、私の方で目を通して、一週間前に本人を前にして問診形式で私が記入した。
途中で面倒になったのか「こんどまたやる」と言われて途中になったけどね。
それが検診前夜になって…
「21時までに食事を済ませると思っていたら19時だった」
とか言ってる。
「大丈夫だよ。それを先生に伝えたらいいから」
私はこんな仕事してるから、イレギュラーを受け付けてくれることも知っている。
てか、そんなにビビりじゃない。さすがに食べないけど余裕で飲んでる。
そこから文面に目を遠し始めた。
一週間前に私が問診したことを
「この前書いたのと違ってる」って言い出して私は非難された。
どうせ鉛筆で書いてるから消せばいいのに、説明も読んでないので焦ったのでしょうから私にキレまくり。
予めやろうと試みた私の気持ちなんか少しも省みず、だけど私も大人げなくムカついたので、無視。
「これ何で書くの?」
「説明読めば分かるでしょ」
「読まなくても聞けばわかるなら効率いいでしょ」
言葉の意味は確かにそうだが、礼儀はどこいった?一切自分の否も認めず。
読んでいて気付いたのか…
「鉛筆どこ!」仕方なく手渡す
何か間違えたのか…
「消ゴムは?」
暮らし始めて一年以上経っていたのと、ムカついてるので
「一秒でも探してからにしたら?」
と言ってみた。案の定…
「探す前に聞いたらわかるなら効率いいでしょ」
一見そう思えるかもしれないけれど、それを私が許してきたから自分の家の、何がどこにあるかも分からないのでしょ?
それに感謝もせず、自分が思い通りにならないからって八つ当たりか?
自分が甘やかした結果なのは分かっているが、本当に背中から刺してしまいたい衝動にかられた。(普通はとどまる)
彼はあちこちの扉をわざと激しく開けたり閉めたり、その辺りにあった私のバッグも足で蹴り、深夜にガタガタ消ゴム一個を探し始めた。
その間も、私は朝食べようとしていたサンドイッチ食べながら赤ワイン飲みまくり。
本当は夕食以降何も食べられない彼のために何も食べずにいようと思っていたんだよ。
でも無理だった。
当て付けに食ってやった。飲んでやった。
一言の罵声もなく抗議してやった。
仕事であんたより遅く帰ってきたツレに労いの一言もなく、私には非のないことを責め、気付いても謝らないアンタに、人より大きい私の包容力、はち切れたよ。
「いーよ!買いにいくから!」
ジャージのまま家を飛び出す彼に「分かつったよ(無駄だから)だしてあげるよ」と言ったものの、振りきって出ていった。
(便利な所に住んでいるってこう言う時ね…)
彼が帰宅する前に、消ゴム出しておいたから、彼は帰宅してもそれを使った。
問診票に書き込む背中を見て。
“つまんないこと腹立てちゃった”と反省の念が沸いてきた。
私は怒りが長続きしないんだよね。
背中から抱きついて「ごめんね意地悪して」って言ってしまったよ。
彼はそれでも謝らなかった。(てか一度もまともに謝ったことがない)
自分が悪いのか?って言えば違うと思う。
だけど、そんな可愛くて子供みたいな人を選んでしまう(子供がいないから母性の行き場がないのかな)。そしてそれを余計つけ上がらせてしまうように世話をしたのは私だ。
彼が何も不自由しないように彼の癖を記憶して、便利に配置して、困らないようにしたのは私だ。
これまで付き合った人はみんな出世してる。転職して、だけど私と別れて他の人と結婚して、子供つくって、家買って、幸せに暮らしてる。
私が育てた尽力は私の幸せには全然繋がらないんだけどね。
お客さんもそう…
私の誠意や真心は、私の幸せにはつながらない。
そんな星のもとに生まれてるんだね。
別に飲みたくもない赤ワインがやけに渋かった。