『自由の哲学』を読む ~日々の暮らしから~

日々の「?」から始めて一歩ずつ
自分で見て考えて、行動していきたい。
私の自由が人の自由にもつながりますように。

何でも売ってる!! 横尾忠則 自我自損展より

2019年12月10日 | 『自由の哲学』


神戸横尾忠則現代美術館で開かれている
「横尾忠則 自我自損展」に行ってきました。

この展覧会は、
「自画自賛」じゃなくて
自我自「損」というところがミソで、
「エゴに執着すると損をする」がテーマだそうです。

自分の前作や過去のポスターに思い切り手を加えて、
全然違う絵になってたりするものが、
あれこれあったのですが、
中でも「おおっ」と思ったのが、この絵。

小さくて見えないでしょうが、
いろんなタッチ、主に人の顔の絵に、
「SALE]という文字が
これでもかこれでもかと乗せられています。



たくさんの「人物画」を売ってるのだとしたら、
別にかまわないのですが、
しばらく見ているうちに、
いろんな「人」が売られているように見えてきて
ものすごく怖くなりました。

人物はもちろん、
原爆や連獅子も売っています。
檻に入った人も売ってます。

大切にしたいもの。

人ひとりひとりも、
決して繰り返してはいけない経験も、
独自の日本文化も、自由も…。
無造作に売られているように見えます。

なんでもかんでも買える。
お金を出したら買える。
お金があれば幸せになれる。

そういう価値観が
壁一面の絵に「SALE」が載せられて
見る側に問われているように思えて、
しばらく怖さにひたっていました。

その前に座って、しばし。
…これが絵で良かった。
でも、現実にもあるよな。

子犬が「SALE」なのは、
愛してくれる人のところに行けるなら
ぎりぎりアリでしょうが、
横尾忠則の自画像のシンボルの首つり縄まで、
つまり、自分の命まで売っているんだもの!

働く時には、
自分を黙らせて職場の価値観に合わせることは、
なかば当然のこととして普通に行われていますが、
(だから待遇が良くてもストレスを感じるんでしょうけど)、
それはもしかして、命を売っているのと同じかもしれません。

その細切れに売られた命で得た糧によって、
自分や家族の命をつないでいるとしたら、
得られた糧を、気晴らしになんか使えない…。

横尾忠則氏のインタビューパネルがあって、
「その時の気分が一番大事だ」と
とってもそっけなく書いてありました。

職場や家庭、子育てなどの日々の現場で、
その時の自分の想いに従うことが
こんなに難しくなったのは、
他人の価値観に頼っているから、かもしれないな。

やっぱり、自由って大事だ。

これ、「エゴに固執すると損をする」展覧会だけど、
前にも書いたように、
自由は「エゴ」でも「ワガママ」でもないからね。
もっと高い、精神の喜びに向かって。


※リンク貼っときます。
2019年「ワガママな人」と「自由な人」の違い
2011年「スーパーマイペースな人」と「自由な人」の違い


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