『自由の哲学』を読む ~日々の暮らしから~

日々の「?」から始めて一歩ずつ
自分で見て考えて、行動していきたい。
私の自由が人の自由にもつながりますように。

12歳の問い(2)~親として受け止める~

2019年07月18日 | 中学生と育つ
昨日の続き。

中学1年生の個人懇談で、子どもの問い
「大人が忘れてても大丈夫なことを、
なんで自分たちは勉強する必要があるの?」
を、先生にお伝えした。

教育の目的や本質を考えるのに、
とてもいい問いだと思う。
親や先生が、自分で考える必要のある問い。

残念ながら、懇談ではそれを深める時間はなかったけど、
懇談の後「大人が役立てなくても生きていける、
無駄に見える知識を、なぜ学校では学ぶのか」について、
家で時々話しています。

子どももね、ピュアに疑問を持ったというより、
苦手な気持ちが、その疑問のきっかけみたいだから、
そこは自覚しておいてもらった方がいいかもしれない。

大人は部活やらなくても生きていけるけど(そもそも部活ないし)、
そこには疑問を持たないでしょ?
やっぱり、感情的にやりたくないっていう割合も多いんじゃないの?
とか。

「そやなー」と素直に聞いている。

それでも、その問いはいい問いで。

「現実的なことを言うと、今の社会では、まだ
勉強して学校を出ておいた方が将来の選択肢が広くて、
将来的に自分の得だと思うよ」、みたいなことを言うと、
「でも勉強は損得じゃないと思う」って。

ほんとだね。
キミはきっと、意識してるかどうかは別として、
もっと哲学的な意味で問うているんだよね。

学びというのは、本来、
「生きる意味を知りたい」とか、
「どうすれば自分が成長するのか」とか、
「そもそも幸せって何だ?」とか、
そういうことに応えるためにするもんでしょ?
それに関係ないことは、機械がするし、
人は、そこでは絶対勝てないのになんで?
みたいな感覚が、潜んでるのかもしれないなー。

ならば今度は、
マイフェイバリット池田晶子を渡してみよう。

「勉強が役立つかどうかを考えるのは、
世の中が役立つことにしか価値をおかないからだ。
役立つことがしたければ、どこででもいいから今すぐ働け。
世に出る前の時間は、役立たないことが許される時間で、
そもそも勉強に意味なんてない。
本当のことを知りたいから学ぶだけだ」

…みたいなの。
さすが。

役立たないことが気になる一人としては、
あっち(社会的な正しさ)だけでは無味乾燥だけど、
こっち(精神的な充実)だけでは生きていけないよー、
あっちとこっちをつなげながら、両方磨いて、
いかにバランスよく生きていくかだよね、
とお伝えし、自分でも取り組んでいけたらいいな、と思う。

あっちで役立たないことを誠心誠意考えていく楽しさは、
ほんとに贅沢で、悪魔的なほどに楽しいからね。
ゴミひとつ拾う方が、社会的に喜ばれるのは間違いない(^^)。

だけど!
社会的に正しいことは、時代ごとまるごとで、全員で、
大きく間違うこともあるから、
精神的な正しさと切り離さないようにすることが大事。



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