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サントリーHDの子会社が上場する

2012年12月21日 17時01分07秒 | 学習・研究支援
サントリー、「やってみなはれ上場」の理由
編集委員:田中陽 氏稿
2012/12/21 7:00
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・12月19日、日経新聞朝刊9面「サントリーHD 中核飲料子会社上場を発表」を受けて

サントリーHDの主な事業

 サントリーホールディングス(HD)が
主力子会社で清涼飲料事業を手掛けるサントリー食品インターナショナルを
来年夏にも東京証券取引所に上場させることを18日に発表した。
上場しても株の過半はサントリーHDが保有し続けるという。
調達金額は最大で5000億円となるもようで大型上場になるのは間違いない。

 同社の上場を巡っては
持ち株会社設立前のサントリーの時代から社内外で関心を集め議論されてきたが、
日の目を見ることはなかった。
関係者によると「この話は20年以上も前から続いている」と語る。
それがついに実現することになる。

 だが、上場を勧めていた証券会社からは驚きの声が上がっていた。
「サントリーが2009年に持ち株会社体制となり、持ち株会社を上場させるものだと思っていた」
(大手証券)というのが理由だ。

 一般的な上場スキームだと
親会社である持ち株会社を上場させ、子会社は上場しない。
現在、東京証券取引所で親会社が非上場で子会社が上場しているのはわずか24社。
全体の約1%にすぎない。
しかもその多くが時価総額が100億円を下回る。
親会社が非上場のままで
1兆円の時価総額が見込める巨大子会社の上場計画は極めて異例だ。

■創業家と祖業を守る

 なぜ、そのようなユニークな上場をするのか。
そこにはサントリーならではの事情がある。
結論を言うとこうだ。
「創業家と祖業を守る」ことで編み出されたのが今回の子会社上場だ。

 サントリーの創業家は鳥井家。
持ち株会社の約9割の株式を保有しているのは
創業家の資産管理会社の寿不動産だ。
もし、持ち株会社を上場すれば
創業家が保有株の一部を手放すか、
新たに株式を発行することになり、
どちらの方法でも創業家の持ち分の比率は下がる。
破談したキリンホールディングスとの経営統合交渉でも、
支配力が下がる統合比率に反発したのが理由とされた。
創業家を守るためには持ち株会社の上場は無理筋だった。

 では、なぜ持ち株会社の傘下にある有力子会社群の1つ、
サントリー酒類が選ばれなかったのか。
祖業であるウイスキーは製品化までに時間がかかり、
企業業績を短期間で判断する傾向のある株式市場にはなじまないとする意見が
社内には根強い。

 1963年に参入したビール事業が初めて黒字になったのも46年目の2008年12月期だ。
仮にサントリーが上場していたら
株主からの鋭い視線にさらされていたはずだ。
今ではビール事業は黒字だが株主から祖業を守る意志が働いても不思議ではない。

■機動的な資金調達が欠かせず

 だが、旺盛な事業意欲を満たすには機動的な資金調達は欠かせない。
酒類に比べて成長力は高く、
健康にも配慮した商品などでイメージも高い飲料事業である
サントリー食品インターナショナルに白羽の矢が立ったのだ。


写真
サントリーHDは、
飲料事業を手掛けるサントリー食品インターナショナルを東京証券取引所に上場する計画だ

 親会社が上場せず、しかも株の過半を持ち株会社が保有することに批判もある。
しかし、同業のキリンホールディングスなどの場合、
「持ち株会社の上場は低成長部門や医薬品部門なども含まれて、
『企業の味が混在しておいしくない』」
(海外の投資家)という指摘もある。
いわゆるコングロマリットディスカウントだ。

 創業家の一人、佐治敬三の評伝を今年秋に出版した
サントリーOBの小玉武氏は今回の上場計画について
「驚くべき大胆な考え」と評する。

 異例な上場計画もやはり「やってみなはれ精神」が宿っているのだろう。


田中陽(たなか・よう) 85年日本経済新聞入社。90年編集局流通経済部記者、2002年流通経済部編集委員。日経ビジネス編集委員などを経て消費産業部編集委員。小売業、外食企業、流通行政・消費者行政などをカバー。主な著書に「セブン-イレブン 覇者の奥義」「百貨店サバイバル」。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1903K_Q2A221C1000000/より


サントリーHDの支配構造は、
かつての「西武鉄道」(堤家支配)とよく似ている。
西武のこのような支配構造が、
堤家の不健全な経営介入を招き、
ガバナンスが機能しなかった。
サントリーがこのようなことにならないことを祈る。
同社はマーケティングを得意とし、
広告・宣伝にな定評がある。
同社提供番組、毎週土曜午後5時からのFM東京系ラジオ
「アヴァンティ」は、毎週聴いている。