
しだいに色づいてきたビナンカズラ(さねかずら)。蝋を塗ったような皮質の緑の葉に小豆のような突起を付けて朱が濃くなっていく様は目に鮮やかで心惹かれる。
名にし負はば 逢坂山の さねかずら 人に知られで くるよしもがな 百人一首より
里山で見つけたサネカズラなど思いきし引っ張ってみたら、ズルズルと6mくらいたぐり寄せらられてきた。結構丈夫そうな葛だ。これで愛しい人をひっぱるという歌を詠んだいにしえのひと。
薬草や整髪としても用いられていたというから有用植物として、京の都でも生け垣などに絡ませて普通に生えていたのであろう。そして人恋しくなる秋の頃、ものみなすがれ、枯れていく頃、緑葉繁き中にくっきり濃い赤実をつけるビナンカズラは生命力あふれ、人の揺れる思いをひそかに燃え立たせていくような蠱惑的な存在だったのでは?
名にし負はば 逢坂山の さねかずら 人に知られで くるよしもがな 百人一首より

里山で見つけたサネカズラなど思いきし引っ張ってみたら、ズルズルと6mくらいたぐり寄せらられてきた。結構丈夫そうな葛だ。これで愛しい人をひっぱるという歌を詠んだいにしえのひと。
薬草や整髪としても用いられていたというから有用植物として、京の都でも生け垣などに絡ませて普通に生えていたのであろう。そして人恋しくなる秋の頃、ものみなすがれ、枯れていく頃、緑葉繁き中にくっきり濃い赤実をつけるビナンカズラは生命力あふれ、人の揺れる思いをひそかに燃え立たせていくような蠱惑的な存在だったのでは?
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