みどりきみどり空色

草花とそれにまつわるetc.

近くの山へ

2009-02-24 22:57:27 | Weblog
晴れて休みともなれば、低山ハイクで賑わう山が近くにある。

日曜日、体がウズウズする。

昔、親しかったおばあちゃんが
祭り太鼓の音が朝から聞こえてくると手の平が、
うずうずほっこりほめいてくる(熱っぽくなる)
つまり、「早く早く踊りたくてたまらないんや。」と言っていたの思い出す。

 聞いたときは歌舞の苦手な私にはアリエールありえな~い、
と思っていたが、私も同じことがあった。

 杉林を見るとどんなイノデがあるのかな?
 渓流を見れば何か生えていないだろうか?
 うずうず、わくわくして横道にそれそうになってしまう。
 
 イノシシが少し心配だが、山に登りたーい。近くの友達に突然の℡で誘い、にわかごしらえをして出かける。

 駐車場には もう数台止まっている。静岡ナンバーもあった。

 登山口を前に、何故か厳かな気分になり、手を合わせ、どうぞ登らさせて下さいと二人、頭を下げる。
 麓は杉林が続く。おなじみの十文字シダ、リョウメンシダがよく目につく。これらが生えているところは、杉の造林に適しているそうだ。湿度大好きの指標となる。

 シュンランの弧を描くたくさんの葉を、かき分けると蕾がつくしんぼのように頭を出している。
 ショウジョウバカマは放射状に広がるきみどりの葉の中心にピンクの頭もたげ始める準備をしていた。
 所々、点々とうっすら雪が残っており、冬芽も未だ固く、まるで山全体が静かな冬眠の最中のような中なのだが、ちょっぴり彩りをみせてくれた。
 道草を楽しみながら、いつも通り、追い越されつつ、のんびり、ようやく尾根の展望台に。

 眼下に田んぼが広がっているのだが、ところどころびっしりはえそろったみどりの麦畑がぱっチワークのようにアクセントを付けている。
 鳥瞰する田園風景はいつも通り我が町の平和な風景だけれど
ちょっとうすぼんやりしているのは黄砂が浮遊しているせいか。
 
 それでも登れた身体に感謝して、沸かした珈琲をすする。空は空色とはいかず、ちょっと下り坂。時計も12時をまわり、では、そろそろ帰りましょうか。

サネカズラは飛び立つ

2009-02-15 10:31:46 | Weblog
ものみなすべて、無常の嵐がふきまどう。逃れられない。
過去の栄華栄誉はいつしか色あせくすんでゆく。
さねかずらも過去のはなばなしい栄光は去りゆき、実を削げ落とし次世代への準備を始める。
 2008年に芽吹いて結んだ実は未来へバトンタッチ。みんなわれらが兄弟はひとつづつ分かれて旅立つ。鮮やかなガラス細工のような突起物がいくつもついて一つの集合体をなし飾り玉のようにきらきら真紅に揺れる実だったけれど、
わたし無知でした。
 中心に保護されて種がある思っていましたが、その突起一つ一つの中にお茶の水博士の鼻のようなその中に種があったんです。
 形はちがいますが、まるで、表面に種があり、中身は真っ白のイチゴのようです。核となってつかまっていたくす玉みたいなのには何の役目があったのでしょうか。
 種がおちたあとの姿は禅智内供の鼻を彷彿させます。でこぼこのぶつぶつサクランボ状、しだいに変色し、しぼんでひからびていくのです。
 毎年花開き実をつけ繰り返されていく営み、遙か昔から、万葉集にも素材として、いくつかうたわれているサネカズラだが、哀しいかな歌詠み出来ぬ私、また、たとえ詠めたとしても、思いを募らせ、サネカズラに託す人もおりません。その腎臓の様な形の小さな種を手にとって、まじまじと見つめるだけです。今日のサネカズラの種との出会いに、いにしえ人や、繰り返される万物の命の流れに思いを馳せる。命の連続と命の連続の過ぎ去っていく一瞬の出会い。

野山は朽ち葉でいっぱいだったけれど・・・

2009-02-11 22:08:30 | Weblog
2月も立春が過ぎてしまった。

 過去、福井県は立春なんてどこの話?太陽暦の上だけの話ってぐあいに外は一面真っ白、の凍てつく雪景色っだったはずなんだけれど。
 今年は予測通り、やはり暖冬だった。動物の一員としては、活動するにはありがたく行動範囲が広がるのだが、同じ哺乳動物の仲間のイノシシや鹿も大喜びで勢力地図を広げていると思うと素直に喜べないのだ。でも、ウズウズするこの身体のうごめきはどこからくるのだろう。

 みどりに出遇いたい。自然に囲まれたい。

 太古の昔より自然の中で活動してきた遺伝子がざわざわさわぐのだ。というわけで束の間の晴天下、近隣の自然公園に出かける。
 山靴の指揮のもと、落ち葉のカサコソいう賑やかな合唱はもう聞けず、折り重なった朽ち葉は力なく、静かにわが靴をうけとめていく。一番元気良さそうな、輝く新緑のアオキ。ヒサカキ。オカキ(これはお菓子)合間に目につくのはシダ類。
 本日いっとう最初に採取したのがこれ。
 調べたらイヌシダ。植物の名前に犬がつくとちょっとランクが落ちたような感じなのだが、これは全体に白っぽい毛が密生しているので毛むくじゃらの子犬に例えたとある。
 葉柄を透かしてみると赤ちゃんの産毛みたいにやわらかな優しい感じだ。バリバリ、ゴワゴワのカナワラビとは対照的だ。そして子供のソーラス(胞子)はポケットの中。きみどりいろの北海道から九州まであちこちに見受けられる身近な存在のイヌシダ。