オシャクジデンダというシダがある。初めて名前を聞いたのは、近頃だ。
えっお尺寺田ダ?摩訶不思議な名前だ。 おしゃく寺という寺のそばで発見されたのかなあなどと貧弱な想像が働くが、突飛な名前のおかげですぐ覚えられた。お社貢寺連朶。
デンダの名前は字のごとく、連なって垂れる、しだれる。栃とかブナの巨木の苔むした軒先を好んで着生。邪魔しないから住まわせてね。ノキシノブより奥ゆかしいぞ。
葉っぱのわっさわっさ茂れる頃は十重二十重のゆりかご育ち、そして、冬緑で落葉後、
その姿は露見する。巨木の高みで、しっかり貴重な太陽を浴びて光合成。だけど冬は木枯らしもある。分布は北海道~九州中部までといわれるから、
ブリザードにも豪雪にも耐えていくのだ。
思いを巡らせば巡らすほど不思議な思いにとらわれる。一本の植物がここを見つけて育つという簡単そうに見えて実は大変なのではないかとか、何万年も掛けてよりよき繁栄を求めて勝ち取ってきたのであろう今の姿、そして今後、楢枯れや鹿の食害を見るに付け、生育環境が脅かされないだろうかとか、11月のある日、ある登山道で、このオシャクジデンダと出会った私は、ひととき、答えのないはてな
にとらわれ、たたずんでしまった。考える人にかこつけて、実は休んでいる私。そして、同行者に促されるのだ。秋はつるべ落としだ
と。ばれたか
。
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デンダの名前は字のごとく、連なって垂れる、しだれる。栃とかブナの巨木の苔むした軒先を好んで着生。邪魔しないから住まわせてね。ノキシノブより奥ゆかしいぞ。
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思いを巡らせば巡らすほど不思議な思いにとらわれる。一本の植物がここを見つけて育つという簡単そうに見えて実は大変なのではないかとか、何万年も掛けてよりよき繁栄を求めて勝ち取ってきたのであろう今の姿、そして今後、楢枯れや鹿の食害を見るに付け、生育環境が脅かされないだろうかとか、11月のある日、ある登山道で、このオシャクジデンダと出会った私は、ひととき、答えのないはてな
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