みどりきみどり空色

草花とそれにまつわるetc.

サネカズラは飛び立つ

2009-02-15 10:31:46 | Weblog
ものみなすべて、無常の嵐がふきまどう。逃れられない。
過去の栄華栄誉はいつしか色あせくすんでゆく。
さねかずらも過去のはなばなしい栄光は去りゆき、実を削げ落とし次世代への準備を始める。
 2008年に芽吹いて結んだ実は未来へバトンタッチ。みんなわれらが兄弟はひとつづつ分かれて旅立つ。鮮やかなガラス細工のような突起物がいくつもついて一つの集合体をなし飾り玉のようにきらきら真紅に揺れる実だったけれど、
わたし無知でした。
 中心に保護されて種がある思っていましたが、その突起一つ一つの中にお茶の水博士の鼻のようなその中に種があったんです。
 形はちがいますが、まるで、表面に種があり、中身は真っ白のイチゴのようです。核となってつかまっていたくす玉みたいなのには何の役目があったのでしょうか。
 種がおちたあとの姿は禅智内供の鼻を彷彿させます。でこぼこのぶつぶつサクランボ状、しだいに変色し、しぼんでひからびていくのです。
 毎年花開き実をつけ繰り返されていく営み、遙か昔から、万葉集にも素材として、いくつかうたわれているサネカズラだが、哀しいかな歌詠み出来ぬ私、また、たとえ詠めたとしても、思いを募らせ、サネカズラに託す人もおりません。その腎臓の様な形の小さな種を手にとって、まじまじと見つめるだけです。今日のサネカズラの種との出会いに、いにしえ人や、繰り返される万物の命の流れに思いを馳せる。命の連続と命の連続の過ぎ去っていく一瞬の出会い。

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