UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 281P

2023-09-24 20:38:05 | 日記

「う……ううん……小頭ちゃん……」

 泣いてる野々野小頭に反応したのか、草陰草案が目を覚ました。彼女を見て、そして周囲を見回す。

「えっと……私……やっちゃった?」

「やっちゃいすぎだから! いっぱい叱られればいい……」

「今回は……ちゃんと反省してるんだけどな。一緒に謝ってくれる?」

「バカ……今回だけだからね」

「うん……」

 そんなやり取りを二人はしてる。野々野足軽は確かめてたとはいえ、一応しっかりと草陰草案を見てる。それでやっぱり身体的には異常はなさそうだった。それに草陰草案は最初は寝ぼけてた感じだったが、次第にちゃんとやり取りもハッキリとしつつある。本当に不幸中の幸いで彼女は助かったらしい。

「よかったよかったですな……グスグス」

「とにかく無事に見つかったことだし、関係者には連絡をしたほうがいいかもしれないな」

「そうですね。歩くのも辛いだろう?」

 そう言って皆が草陰草案を心配する。それに対して草陰草案も「すみません」といった。自分のために再びこんな所まで来てくれたって事に感謝してるんだろう。

「えっと……その……」

「どうしたの? 痛い所ある?」

「その……」

 何やら言いよどむ草陰草案。それに対して皆が心配そうな顔をする。なにせ状況が状況だったからな。すると――

グゥゥゥ

 ――となんか気の抜けるような音がこの廃墟に響いた。そして真っ赤になる草陰草案。どうやら今のは草陰草案の腹の音だったらしい。でもそれはそうだろ。なにせ少なくとも丸一日はそれこそ何も食べてないし、飲んでない筈だ。胃の中も空っぽになるだろう。

「こ、これを!」

 誰も飲み物も食べ物も持ってないと思ってたら、ミカン氏がそのリュックからペントボトルの水を取り出した。しかも新品だ。飲みかけ……とかではなかった。どうやら事前に用意してくれてたらしい。

 配慮もしてペットボトルの蓋をキュッと軽く開けて渡してくれるミカン氏。そして野々野小頭が草陰草案の頭を支えてその口に先端をあてがう。

 コクコク

 ――と彼女の喉がなる。更に色々と買ってたのか、ミカン氏が栄養価の高そうでかつ食べやすそうな食べ物を取り出してた。用意がいい人である。そんな中、ちょょっとした安心感に満たされてたとき、『みゃーお』という音が聞こえて、皆に緊張の糸が走った。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 918

2023-09-24 20:33:24 | 日記

「お許しください。お許しください。アーシャーラーマラー」

 ザンサンシャカレの宮殿の地下。厳重に隠されてた部屋に私たちはきてる。いや、来てるのはそれこそ、ザンサンシャカレの領主と私=ドローンだけである。やっぱりここはずっとそれこそ領主一族しか入れなかったそんな場所なのだ。それは実際、アズバインバカラとかも変わりない。

 やっぱり都市核というのは街を支える核だから、秘して祀らないといけないらしい。なにせこれがなくなったら、街は崩壊する。人が生きていくことはできなくなるのだ。だからこそ、万一を考えてもこの場所は当代の領主と次の領主と決められてる子供以外は知る由もないらしい。

 まあ教会の奴は多分しってるんだろう。ミレナパウスさんは匂わせてたし、この場所を知ってるからこそ、攻め込んできたはずだ。だから実際ミレナパウスさんは連れてきてもよかったのかもしれない。

 でもそれをここの領主は了承しなかった。もしかしたら彼らの方に投降してたら一緒に連れてきたりしたかもしれない。でもミレナパウスさんはこの世界の者たちではなく、私たちの方に投降したのだ。それが彼としてはちょっとプライドが傷ついたのかもしれない。

 結局のところ、私たちは外からきた得体のしれない奴らだからね。そんな奴らよりも自分たちは下に見られてるのか――ってことなのかも。私たちのやったこと……そして私たちがいるからこそ、教会にたてつけてるわけだし、それをちゃんと領主の人たちはわかってる。

 納得もしてる。理解だってしてるだろう。初めて私……G-01を見たとき、腰を抜かしてた人たちもそこそこいたからね。お披露目……とはちょっと違うか? 顔合わせ……的なそんなのをアズバインバカラでしたのだ。

 私がいる庭の方にぞろぞろとやってきて、そこで私は膝を折ってたわけだ。いつものようにね。私がいる場所は広場みたいになってるから、沢山のアズバインバカラの民衆がいた。G-01を拝んだり、その周りで遊んだりがアズバインバカラの日常風景だからだ。

 そんなところにやってきて、領主たちはG-01のことを便利に使える人形とかと思ってたのかもしれない。なんかそれこそG-01の前に勇者とかとも挨拶してたわけだけど、勇者は優しいからね。侮られてたんだろう。

 そして世間ではG-01は勇者の下の存在となってる。だからもしかしたら領主たちはG-01という存在をどういう風に便利に使えるか……的な皮算用をしてたのかもしれない。

 でもそんなのを打ち砕いた。和やかで、にぎやか、そんな広場になってる場所でなされるままにされてるわけのG-01を御しやすそうだと思ったかもしれない。

 でもG-01が動き出して立ち上がった時。その大きさに領主たちは驚いて腰を抜かしてた。そこできっと彼らは悟った。

 私たちを敵に回したらいけないってね。

「お願いいたします」

 そういって台座から取り外したザンサンシャカレの都市核をドローンへと託してくる。それに迷いがないのも、G-01という存在が自分達よりずっと上位にいるとわかってるから。

 やっぱり最初の印象って大事だよねって私は都市核を受け取りながら思ってた。