(そう来たか……けどまあそれなら……)
野々野足軽はそう思って彼らのやり取りをみてる。ダウジングの棒を手に取ったチャブ氏はそれを数秒間見つめてる。なにかきっとまだ葛藤があるんだろう。そこで野野々野足軽はちょっとだけその力を使った。
誰も気づきはしないだろうが、その瞬間それを手に取ってるチャブ氏は何かを感じたように、ハッとした。そして何やらそのダウジングの棒を胸に抱いて――
「すまない……」
――といった。ちょっとした涙も見える。けど、おっさんの涙なんて……ね。見ても別に何も感じないっていうか……別に見たくもなかったというかという感じの野々野足軽である。
それはどうやら野々野小頭も同じで、なにやらすでに彼らに興味なくしてスマホをいじってる。けどそんなのおっさんたちは関係ない。彼らは自分たちの友情を確かめたのか、その絆は深くなってるみたいだった。
チャブ氏はダウジングの棒を両手にもって前をみる。そして小さく「頼む」とつぶやいた。そして歩き出した。野々野足軽達はそんなチャブ氏を先頭に歩き出した。
「ねえ……」
「なんだ?」
なんか小頭が野々野足軽の背中ツンツンとしてきた。
「本当に大丈夫なの? 皆で別々に探したほうが良いでしょ。スマホだってあるんだし、見つけたら連絡すればいいじゃん」
「ここは危険だろ? それにここで変なの見たんだろ? 一人なんてなれないだろ?」
「それは……でも、あんな変な棒で見つかるわけ無いじゃん。あんなのに頼って……馬鹿じゃないの? 私の友達探す気ある?」
「あの人達もふざけてるわけじゃないだろ」
「本当かな……」
大人たちに対して小頭は不安があるようだ。まあ確かに、普通に考えたらあんなので探してる物が見つかるなんて思えないのは野々野足軽にだってわかる。でも彼らは真剣だ。ふざけてるわけじゃないと野々野足軽はわかってるから、野々野小頭にもうちょんと信じてみよう……っていう。
(それに、ちゃんと見つけてやるよ)
と、野々野足軽は頭の中で妹に対してそういった。しばらく歩くと、どうやら
ダウジングが反応したらしい。左右に持ったダウジングの一つがグググッと曲がった。そっちの方へとチャブ氏は進行方向を変える。それについていく御一行達。
その時、チャブ氏はなんか「おおぉおおお……」とかなんか自身で自信のあるはずのダウジングに驚いていた。きっと始めての感覚だったんだろう。なにせ彼は言っていた。今までやってきたダウジングなんてただのポーズでそれっぽくやってただけだと。
けどどうやら今回は違うと……彼自身が感じてるみたいだ。
「どうしたのだ?」
「いや、大丈夫だ。今の俺を信じてくれ」
猩々坊主の言葉にそう自信を見せて返すチャブ氏。それに頷いてついていくと、ビルの床に何やら瓦礫が積み上がってる部分が出来てた。そしてその瓦礫の側に半分に砕かれたスマホが見える。それを見て野々野小頭は走った。
「これ……草案ちゃんの……」
そう、野々野小頭は呟いた。