(俺のせいだ……俺の……)
大の字に倒れ伏した桶狭間忠国を見て、後悔と懺悔をしてるのはアンゴラ氏だ。けどそれもそのはずだろう。だって本当なら二人で戦う筈だった。けど、結局戦ってたのは桶狭間忠国ただ一人だけ。
(彼が一瞬ためらったのはきっと彼女を人とまだ思ってたからだ。彼の腕力じゃもしかしたらって……)
「だめ! 草案!!」
ハッとして更に後方みる。位置関係的にはアンゴラ氏と桶狭間忠国、そして草陰草案達は丁度三角系になるような位置にいた。なにせ桶狭間忠国も悪魔のような女性もよく動いてた。なのでいつの間にかそんな位置になってた。それでも後方組の草陰草案達よりも後ろにやらなかったのは桶狭間忠国の矜持だったのかもしれない。
そんな桶狭間忠国へと駆け寄ろうとしたのはやっぱり草陰草案だった。彼女はきっとその力で助けようとしてるんだろう。でも危ないからって止めようとしてる野々野小頭。
(まだ、俺は!! 女子中学生が動いてるんだぞ!!)
倒れた桶狭間忠国を悪魔のような女性は既にみてない。そしてその視線は動き出そうとした草陰草案へといってる。
「危ない!」
いち早く気づいたのは猩々坊主だ。草陰草案の腕を引いて逆に彼が前に出た。シャランシャランと彼が持ってきてた錫杖が音を鳴らす。でも次の瞬間にはその錫杖が砕かれて、猩々坊主は腹を蹴り上げられてそしてさらに背中から地面にたたきつけられた。
「がっ……あっ……」
猩々坊主はもう動けないだろう。それだけの怪我を負った。けど悪魔のような女性は止まらない。
「この野郎おおおおおおおおおおおおお!!」
そういって戦闘なんて全くできなそうなミカン氏が叫ぶ。それと同時にチャド氏に大川左之助、朝日倉三も動き出した。けど次の瞬間には動いた奴らは全員伸びてた。
(成長……してる?)
アンゴラ氏はそうおもった。結局今でも無事なのは自身とそして女子中学生組とカメラを回してた東海道馬脚だけ。
「あ……ああああああこっちだ化け物!!」
さらに草陰草案へと迫ってた悪魔のような女性をアンゴラ氏は呼ぶ。同時に力を込めたチョコレートを投げてた。なんとか草陰草案をかばおうとしてた野々野小頭。けど彼女たちにはその毒牙は届かなかった。チョコレートが当たった悪魔のような女性は首をギュルンとおかしな感じでまげてアンゴラ氏を見たからだ。そして一気に近づいていい奴を一発貰った。
けどその間にも彼は拳に握ってたガムやチョコレートをばらまいた。それによって追撃を無くすことはできた。それでも……だ。
「ぐえっぇぇぇぇ! ぜぁ……はあ……」
痛い……痛すぎた。でもそれでもアンゴラ氏は自分が転がった分、草陰草案達と距離が出来た……と思った。
(今のうちに……頼む!!)
そんな風に目にメッセージを込める。そしてそれからアンゴラ氏の身を削る戦いが始まった。