UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十八話part3

2025-03-10 19:53:12 | 日記
「おじいちゃんとおばあちゃんはどのタイミングでその……付き合ったの? 一緒だったのは中学とかまで? 高校とか大学は?」
 
 確かおばあちゃんが幾代の時に言ってた事を小頭は思い出す。この地域は子供も少ないから、同じ小学校なら、山の下の方の中学校にこの地域の小学生たちが集まってくるといってた。分かれることになるのは高校かららしい。高校はいくつかの選択肢があるという。もちろんそれは都会と比べたら途方もなく少ない。けど寧ろ小頭はこんな田舎でもそこそこ学校あるんだな……とか思ったのだ。だからきっと二人は中学校までは一緒の学校だったはずだ。ではいったいどこで……その特別になったのか……それが小頭は気になった。
 小頭は普段はそんなにコイバナに花を咲かせる女子ではない。むしろそんな女子たちを草陰草案と低俗……とか言ってた方だ。もちろん公の場では言わないが、実際学校の女子と話すと高確率でその話題があがる。むしろ女子の話と恋バナはきっても切り離せない関係性だといっていい。でも実際、小頭はそこまで他人の恋バナに興味を持てない質だった。漫画とかでは小頭もとてもドキドキできる。でもそこらのクラスメイトの恋バナはそんなに……だったのだ。
 
 けど、おじいちゃんとおばあちゃんは他人ではない。それに二人が結ばれたことでお父さんが生まれて、そしてお父さんとお母さんが出会って結婚して足軽と小頭は生まれたのだ。そう考えると小頭のルーツ的なことにつながるわけで、興味がわいてきたのだ。
 
「そうね……あれは中学生最後の夏祭りだったわね。その時、花火を見てる時に告白してくれたのよ」
 
 ちょっと照れくさそうにおばあちゃんはそういった。「わぁぁぁ」――と小頭も自分の頬を手で押さえて興味津々にきいてた。だってそんな……まさに漫画の中の話の様ではないか。夏祭りで花火を背景に告白なんて……映画になりそう……と思った小頭だ。素敵だなって純粋に思ったし、そんなシチュエーションで告白するなんてちょっとおじいちゃんを見直したまである。だって……だ。小頭はおじいちゃんにロマンチックな感性なんてないのだと思ってた。
 けどどうやらそれは誤りだったみたいだ。ちゃんとおじいちゃんも雰囲気とかシチュエーションを考えるという感性があってちょっと安心した。これでなんでもないような……実はなんとくなくずっと一緒にから……とかだったら反応に困っただろうと小頭は思う。やっぱり告白を受けるなら、そんなロマンチックな瞬間にしてほしいと、一人の女子である小頭は思うのである。でも……
 
「おいおい、何をいっておる。告白は卒業式の時に、お前が学ランの第二ボタンを無理矢理奪ったのがきっかけだろうが」
 
 んんん!? なんかおじいちゃんの発言で小頭は混乱しだした。だってこんな風に夫婦までなった二人の告白の認識が違うってことがあるだろうか? 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 195

2025-03-10 19:47:07 | 日記
『世界がいくら分裂しても、それを受け入れるのに限界があるのはわかりました。ならばなぜ運命が渋滞してるのですか?』
 
 私はそう彼にたずねる。けどそれにはアイが答えてくれた。
 
「誕生する前の魂の命だもの。何も定まってないのだから、なんだって受け入れることができる。それに元はメタリファーという時空間を司る存在。きっとさぞ高位な存在になるでしょう。
 そんな存在の命よ? どんな運命でも歩めるでしょう。なら……自分が選ばれるかもしれない」
『押し付けた者勝ち……ということですか?』
「そうともいうかもね」
 
 実際、魂には前世の情報があって、運命がある程度示されるという。命が何回も転生して積み重ねていくと、それだけ流れ? ってのは決まっていくのかもしれない。
 でもメタリファーはそもそもが魂とかない概念的な存在だった。それを魂に変換して、新たな存在に押し込めようと……そうしてる。メタリファーの魂にはきっと何の情報もないだろう。まさに真っ白だ。だからこそ、どんな運命だって押し寄せる事が出来てるのかもしれない。
 いやいや、そもそもが運命が魂の情報によってある程度示されるのなら、寧ろまっさらなメタリファーの魂には運命なんてこれなくない? という気もしないでもない。だってメタリファーの魂にはまだ何もないんだからだ。
 けど事実として、運命は集まってることでユアの卵はバクを起こして誕生を阻んでる。
 
『そもそも運命が魂の情報である程度示唆されるなら、メタリファーの魂はまっさらなはずです。運命が押し寄せることがおかしいでしょう?』
『概念と違って命は刻まれるものだ。その生を魂に刻む。それはこれからでも、その先の無数の運命が手を挙げてる状態なんだろう』
 
 やっぱりここでも押し付けた者勝ち……か。運命とは案外押しつけがましいらしい。でも少しずつ方向性は見えて来たきがする。つまりは、何も定まってないから、運命が渋滞してる。まっさらな魂はそれだけ魅力的にみえるんだろう。
 
『メタリファーはなぜ、魂を求めたんでしょう? 何か望みが、やりたいことがあるのではないですか? それは聞いてませんか?』
 
 私は彼にそれを問いただす。だって概念だったメタリファーが魂と体を求めて確かな存在として確立しようと思った何かがあるはずだよね? そういう目的や目標があれば運命はある程度絞られると思う。
 だからそれを示せばちゃんと誕生できるんじゃないだろうか?