「うわぁ……」
私はびっくりした。なにが? と思うだろう。それはこの円盤に、一つの世界があったからだ。この円盤は巨大だった。そこらの船何百隻分……いや何万隻分くらいの大きさがあった。私は外周を歩くのはやめて、内部への侵入を試みた。
幸いに私はこの円盤の内部構造の設計図を手に入れてる。なので道はわかる。まあ問題はこの円盤。ちゃんとした「道」はない……ということだ。いや、既定の道がないといった方が正しいかもしれない。
外周の環状線はそもそもこの円盤の内部に円滑に物資を運ぶためにあるみたいで、あれは別だ。この円盤の内部空間は四つの世界と一つの管理管制塔によって成り立ってるみたいだ。
まずは内部を守るためにあるのは海だ。円盤じゃないの? と思うだろう。それになぜに海が? とおもうのは当然だ。私もよくわからない。けど、その海が一つの世界として、そして内部にある世界と世界を守る役割として、覆う感じであるみたいだ。
私は今、その「海」を渡る通路にいる。これは管理管制塔へと向かうためのものだ。内部の世界……の者たちはきっとこんなのがあるのなんてしらないだろう。
まあ世界が生きてるのかはわかんないが……でもこの海……を見る限り、どうやら海は生きてる。
なにせ……だ。この水中回廊の様な通路から見える海には沢山の生き物がいるのだ。大群で泳ぐ魚から、漂うクラゲ。色とりどりのサンゴとか、そこから顔を出すカラフルな魚。
そして時折、その巨体が横切っていく。ちょっとした水族館体験である。そんな海を突っ切る水中回廊を通っていくと、内部の世界へと出る。青い空が広がって眼下にはどこまでも広がる森が見える。
そして空中に飛んでる鳥……鳥?
「鳥にしてはでかいな……」
とか思ってると、それが何かわかった。あれは多分プテラノドンとかいう恐竜じゃないか? 私の前世の記憶で似たようなものを見たことある気がする。実際G-01の中の図鑑に正式な? 名称があったが、どっかの世界で観測された生物というのは資料にあった。
それに……だ。なんかガサガサと木々が揺れてる……と思ったら、細長い首が森から出て来た。
あれも見たことある。首長竜とかいう奴じゃない? デカいけど草食で確か木々の葉を食べてた筈。今もほら、木々の葉を食べてる。まさかここ、恐竜が跋扈してる世界なのだろうか? そうなると……ちょっとおりたい気分になっちゃうよね。
みたいじゃん、恐竜。
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