UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十一話part2

2024-11-02 19:38:20 | 日記
「え? これってどういう……」
 
 おばあちゃんは便器の前でようやく、ようやく事態を把握した。本当ならドアを開くときにでも気づきそうなものだけど、そこはなんか寝ぼけてたんだろう。おばあちゃんは慌てて踵を返す。けばその時に膀胱から信号が送られてきてブルルっと体が震える。
 そもそもがトイレに来たのである。それに……だ。今や幼い体になってしまってるわけで、きっと膀胱も小さく、そして線もゆるゆるだ。このままだとやばいとおばあちゃんは判断した。年を取るとあそこも緩くなってしまうというが、まだおばあちゃんはそこまで老いてる自覚はない。
 だから大人になっておもらしなんて……と思って素直にトイレに舞い戻った。
 
「ふう……こんなに大変だったかしら?」
 
 そんな風に用を終えて感想を語るおばあちゃん。なんとかお手ても洗って、ふと思い出す。
 
「そっか、昔は和式のトイレだったものね……」
 
 昔はあの和式のトイレの穴がどこに続いてるのか怖かったことを思い出した。ぽっかり空いた穴は、ふとしたひょうしに飲み込まれそうで、このくらいの小さな時には親に駄々を言ってついてきてもらってたなって……そんな親も既にいないが……そう思うとなんかちょっとかなしくなる。
 
「さて、悲しみに浸るのもここまでね。問題は……」
 
 そういって大きな鏡がある部屋までおばあちゃんは行く。木の枠がついた全身用の鏡。そこに立つと自身の姿が映し出された。いつもはその全身鏡にすっぽりと入る自分自身。けど、今はおばあちゃんの姿はその鏡にも半分くらいにしか映らない。
 
「やっぱり……本当に若返ってる?」
 
 呟くおばあちゃんはとりあえずクルクルして自分の体を確かめる。すると次第に楽しくなっていって、小さな服を奥の箪笥から引っ張り出して色々と着始めた。一人ファッションショーの開催である。
 
 自分の子供……つまりは野々野足軽のお父さんの姉の物だ。実はお姉さんがいた。そんな彼女の昔の服は、取ってある物もあったのだ。
 
「ふう、若いっていいわ~」
 
 そんな事を言いながらひとまずは満足したのか、おばあちゃんはごろんと大の字に転がった。周囲には散乱した服がたくさん。
 普段はならきちんと脱いだ服は畳むんだけど……今は精神が体に引っ張られてるのかもしれない。
 
「そろそろ、ちゃんとこの状況をどうにかした方がいいかもね」
 
 ふとそんな風に呟く。なにせ朝になってもこのままでは困る。とりあえずおばあちゃんはスマホでこの現象の原因を求めて検索を始めた。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 102

2024-11-02 19:33:25 | 日記
 私はためらいつつ、出来上がった直線の道にG-01の体重を預けてみる。するときしんだりすることもなく、頑丈なのがわかった。実際うっすい板にしか見えないが、強度は十分なようだ。
 
 道をさらに作りつつ、私は考える。
 
「ここの構造はわかってる。元々が道がないから、道を作って目的地を定めて到達するって感じなんだよね。なら……その目的地を決めないと、ただ道を作り続けるだけになるんだよね。
 目的地……か」
 
 ここはある意味で空間自体がねじられた場所というか? そんな風に設計されてるみたい。なので、それぞれが自由に道を作り、その都度、目的地へと接続するという方式を取ってある。
 本当ならちょっとの道で目的地に行ける……みたいな合理的なシステムなのだ。こんな数歩、数十歩進む必要なんてそもそもない。簡単に目的地にまでたどり着けるシステムがこれなのだ。
 けど私は歩いてた。それは私が明確な目的地を示してないから、道が続くのだ。でも……ね。私はここに来たことないし? とりあえずどこにいくか? この船の中枢? 確かに最終的な目的はそこだ。そこにはきっとG-01と似たようなエンジンであるユグドラシルシステムがあるだろう。
 それを手に入れれば、ツインドライブとかにできたり? 夢が広がるばかりである。でもそれをやってしまうと、この船はきっと完全に停止することになる。となると……この船の中で維持されてる『世界』はどうなるのか? 
 
「明確だよね。きっと維持できない。世界は滅ぶ」
 
 狭い世界なんだろう。本当の世界に比べたら、そもそもが実験的に作られた世界なんだし……でも……そこにいる生命体にとってはそこが紛れもない世界なのはそうだろう。
 それを私が勝手に自分の為にって壊していいのか? というね。まあそもそも中枢に行ってみないと何ができるのか? とかわかんないしまずはそこに向かうのが大切だろう。
 でもその前に……だ。その前に気になる所がある。それはきっとこの船にあるであろう目玉たちの生産ラインだ。なんでそんなのがこの船にあるのかも気になるし、なんならそこにはきっと勇者たちがいる。
 そろそろ合流した方いいかな? とも思うんだよね。なのでまずは勇者たちと合流しよう。そうしよう。