ポニちゃんが怯えてアーマーの機能が六割位使えない状態。こういう弊害もあるのですね。別になにか特別すごい攻撃を目玉達はやってきてる分けじゃないです。
ただ単になんかすごい吸引力を披露してるだけ? といえる。けどそれにポニちゃんが異様に怯えてしまってる状態です。
でも確かにあそこに腕を伸ばしたりしたら、ポニちゃんの体が吸い込まれそうではありますね。それがきっと怖いんでしょう。
「大丈夫ですよポニちゃん」
私はそうつぶやいた。なにせこれまでさんざんお世話になってるのです。それに私がこうやって戦える許可をもらえたのはポニちゃんが力を貸してくれたから。私一人では絶対にこうやって戦わせてもらえませんでした。
でも私だって戦いたかった。思いっきり体を動かしてワチャワチャした戦いをしたかったのです。それを叶えてくれたのはポニちゃんです。だからその感謝を示すためにも、今は私がポニちゃんを助けます。
チラッ
――と私はアイ様を見ます。いや、ほら、もしかしたら彼女がペチョッと潰してくれるかもしれないじゃないですか? だって別にあの人なにも影響ないですし。けどアイ様はどこ吹く風です。自身に向かってくる目玉達以外はガン無視状態。
けどきっと私達の状況は把握してるはずです。なにせそういう人ですし。それに危険ならそれとなく助けてもくれるはず。このくらいは私達の力でなんとかしろ――ということなんでしょう。
とっさに私は壁に腕を突っ込んで耐えてましたけど、その壁もベゴっと剥がれて私は吸引力に負けて吸われます。
(この勢いを利用する? 勢いよく内部に入って破壊するのはどうでしょう?)
私はそんなふうに考える。逆転の発想というものです。内部からなら簡単に破壊できるかもしれません。けど……
(だめだめ!)
となんか伝わってきた。実際には声が聞こえたわけじゃないです。ただポニちゃんのそれはだめって感情が私に流れ込んできた感じです。そっかこれはだめですか……ならばどうするか。そんなことを考えてる間にも目玉の腕の大きな吸引口が迫ってきます。
(これはまずい?)
私の頭が今までないくらいに動き出して、そして口ずさむ詠唱。さらに――
「ポニちゃんもお願いします」
私はそういってその詠唱を何重にも重ねることにしました。
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