今作は又、当ブログらしからぬ硬派な一品。
以前に製作した山親父フィギュア「FALKAR, WANDERING SWORD」同様
スペインは「Andrea Miniatures(アンドレア・ミニチュアズ)」製で
製品名は「ENGLISH INFANTRYMAN. WWI(WWⅠのイギリス軍歩兵)」。
スケールは1/32(54mm)のホワイトメタルフィギュアです。
第一次戦時のイギリス歩兵・・と言う、かなり地味~な製品ながら
やはり・・その造形美に何とも心惹かれる一品です。
最近、あのタミヤ様からも似たような感じのインジェクションキットが出てましたが
何と申しましょうか・・躍動感が違います!
このキットは、普通の顔&ガスマスク顔の頭二個付きコンパチキットでして
この造形見るまでは「ガスマスクも良いけど表情が見えないからな・・」と思ってたんですが
コレ見て迷いもぶっ飛びました。 1/32ですから・・普通やらないですよね多分。
ただレンズっぽい平面仕上げで終わりと思うんですが・・・しかも結構奥まってるし・・
何ですかね・・スペインの職人魂と言ったところでしょうか。
何より。 今年は丁度、第一次大戦終結100年目! の年でもありますんでね・・
正に旬な製作タイミングではなかろうか? と思います。
すこぶる出来の良い兵隊さんは、そのままで作ろうと思いますが
例によって、付属台座が何とも・・・チッさ! だったんで何時ものエポパテ拡張作戦で・・
有刺鉄線はキット付属の物です。 スペインにしては珍しく気が利いてます。
木はプラ棒加工。 水たまりは透明エポキシボンド着色です。
肝心のオ目目は・・ウレタンレンズやってみましたが・・チョット滲んじゃったみたいですね。
でも・・・肉眼では殆ど見えませんから良しとします!
ココからはミリオタのウンチクです! ダラダラと長いだけで何一つ得るものも無い記事かもしれません。
興味の無い方は、どうぞすっ飛ばしてやってください。
1914年夏。 後に「世界大戦」と呼ばれる事となる「世紀の戦争」の幕が切って落とされます。
「IT革命」とか「第二次産業革命」な~んて言葉が飛び交うようになって久しい昨今ですが
100年前の当時も、19世紀後半より加速度を増した「産業革命」の影響も有り
内容的には今とは全く異なるものの、やはり「時代の転換点」とか「変革期」等々と言われていた時勢柄でした。
WW1で、真っ先に浮かぶハイテク兵器と言えば「飛行機・戦車・潜水艦」なんかが筆頭ですが
当時まだ、彼等はどちらかと言えば「未知なる物への恐怖型」・・要はイメージ先行型で
実際に多くの局面で「驚愕の人的損害」をもたらしたのは、どちらかと言えば地味な・・
「狙った処に当たる様に進歩した大砲」や「何時までも撃ち続けられる機関銃」等の
基礎的なハード面の進化であり。 それらは・・今に例えるなら
長く続いた「黒電話」が、ここ二十年で別物のように進化を遂げた「ガラケー・スマホ」の様なもの?
と言っても言い過ぎではない物で・・
銃は、数百年に渡って続いた「黒色火薬の前装式単発銃」から「無煙火薬の後装式連発銃」が実用化され
更に「機関銃」の登場により、まさに弾幕を張る事が可能となり。
そして砲は、駐退複座器等の実用化により、それまでの常識を覆す「精度・威力・発射速度」を備えつつありました。
この、19世紀後半からの数十年間における「銃器・砲」の発展進化の過程は、誠に興味深いものが有りまして。
世界中のあちこちで色んな物が「発明・実用化」されながら、それらが引き寄せられるように
組み合わさりつつ、アっと言う間に「別のステージ」に昇ってしまうあたりは、さながら今の「デジタル革命」と
相通ずる物を感じるのは管理人だけでしょうか。
更に・・・「老害」と言われる「変革期」に付いていけない「オジサマ達」が跋扈するのも今と同じく。
郷里では、「戦場を知らずして男たるなかれ」とか「クリスマスには終わるんでね?」な~んて
自称知識層気どりの老害おじさんにそそのかされて、行った若者達を待ち構えるのは
やっぱり・・どんなに偉かろうとも・・頭の中は18世紀のままで、「突撃さえしてりゃ、そのうち何とか・・」
と信じ込んでいる老害軍高官達と・・奴らが出す「突撃命令」の度に砲銃撃の餌食となり
朽ち果てゆくままの骸が散乱する沼地。
そして・・糞尿交じりの下水道と化した、我愛しの安全地帯「塹壕」の現実だったのでした。
因みに「戦車デビュー」で有名な
WW1中期の「ソンム戦」初日に於けるイギリス軍の損害は戦死2万、戦傷4~5万。
繰り返しますが・・1日分の戦闘損失です。 開いた口が塞がらない・・と思ったのは
当時の人も同じでしょう。 そして・・クリスマスまで・・要は半年から長くて1年・・
と多くの人が思いこんでいた(思い込まされていた?)WW1は・・・約4年の長きに渡り
推定900万の兵士と1000万の民間人の命を引き換えに幕を下ろします。
そして・・初の世界大戦と言う事も有り、そもそもの参加国・・つまりは参加人数が多かったから・・
とは言え・・産業革命に伴う技術革新によって、人々の想像力を遥かに超えて洗練されていた
当時の「ハイテク兵器」達がもたらした正に桁違いの犠牲者数に、世界は恐怖し慄きます。
お言葉に甘えてまた書かせて頂きます、申し訳ありません。
製作ピッチがお早い、しかもアンドレアのキットを実感溢れるビネットに仕上げられてますね。
特に私が素晴らしいと思ったのは、マスクの中の目、この(瞳)を塗装するというのは大変だったと思います(私はだめです)おまけにレンズ!「”ウレタンレンズ”とは何者?とまた教えて頂きたい」です(エンフィールドライフルの木部の色使いも参考になりました)。
そしてベースの表現、地表の色、水たまり、倒れ濡れた鉄条網の杭、錆びた鉄線、否が応でも寒々しい塹壕戦の雰囲気が迫ってきます、OSUZU様の作品で今までこのようなものを見たことが無かった様に思いますが、硬軟いずれも”OK”という事なんでしょうね。
装備の下に着用しているのはバトルジャーキンでしょうか?寒かったんでしょうね、これを着てガスマスクを付けて泥濘の中をドイツ軍のMG08に向かって突撃する、レンズが体温で曇らなかっただろうか、マスクをして泥濘地を走って息が苦しくは無かったろうか、いろいろ考えさせられてしまいました。
陰惨な塹壕戦(戦争は皆そうでしょうが)の雰囲気に呑まれてしまい、やっぱりお色気のほうが平和でいいですね、という在り来たりの感想ですみません。
毎度さまです。
ウレタンレンズは、二液性ウレタンクリアを流す単純なものです。透明レジンとかの代用です。
ハイ! こういうのも結構好きです。 特に海外の物はその芸術的造形センスがストーリーを感じさせてくれる製品も多く、製作意欲を刺激してくれます・・作りにくいですけどネ。
マスク曇らんかったのか?> 同感です。 と言いますか・・マスクしたまま
突撃! もアンマリ無かったと思いますが、なんせWWⅠを象徴する物の一つとしてコレは外せんな!と思った次第であります。
御色気な平和が> ハイ! 仰る通りで、オクでも女子フィギュアのアクセス数とかには全くもって及びません!
かわいそうな兵隊さんであります(笑)。