今回は制作依頼品の御紹介です。
メーカーは、以前に御紹介済みの「シンデレラ・白雪姫」等
怪しい造形が非常に魅力的な「カブキモデル」。 made in Italy。
モデルは・・・これまた怪しさ全開のファンタジーフィギュア、「ハートのクイーン」。
ハートのクイーン?・・とは、これまた当カテゴリー「Honey Trap」に御あつらえ向きなリクエストでして
なんせ、トレードマークもトランプモチーフなもんですから・・
(アンマリ意味無いトレードマークです・・意味はHoney Trap初回の記事参照。)
そんな訳で・・ハートのクイーンを調べてみると・・クイーンのカードを伝統的に歴史上もしくは神話上の
偉人になぞらえるフランスに於ける「ハートのクイーン」には、「ユディト」なる愛称が有るようでして・・
それが ↓ コチラ。
一応、御二方とも同一人物でして・・名はユディト(Judith)。 旧約聖書中もしくは、その外典に伝わる
「ユディト記」に描かれるユダヤ人女性(架空のね!)・・との事です。
簡潔に書きますと・・
ユダヤの街、ベトリアに侵攻したアッシリア軍の将「ホロフェルネス」を、首を切り落として謀殺
降伏寸前のベトリアを救った英雄。・・みたいです。
「首、切り落とす!」 なんて聞くと、現代人は大抵・・残酷とか猟奇的と思われるかもしれませんが
写真等の記録技術の確立以前は、それが唯一「個人を特定できる死の証明」で有ったり(体ごと持ち帰るのは重労働でしょ)。
文化的に頭と胴体、切り離すのが当たり前(蘇り阻止!)で有ったりとか・・100年位前までは
世界中で普通に行われていた行為・・どころか国によっては、どちらかと言えば「名誉を重んじた殺しかた」で・・
我が日本でも、近代まで(旧軍時代の、たかが7.80年前迄)は銃殺・斬首はどっちかって言えば・・高貴な殺し方・・でしたもんね。
と、マァ・・そんな事を、頭の片隅に置いて見ると・・また一味違う・・「ハートのクイーン」です。
因みに、他には「英米式」トランプの「ハートのクイーン」は「エリザベス・オブ・ヨーク」(実在した普通の王族)やら・・
トランプじゃありませんが、「不思議の国のアリス」の「ハートの女王」(癇癪持ち・「首を刎ねろ!」が口癖)等が有り。
これも有る意味で・・ 「立体で見る西洋童話の世界」~ホントはエロいグリム童話~・・・なのかも知れない・・。
と、思える様な気もする・・今日この頃・・でした。
しかしコレ・・依頼でもされなきゃ多分、自分で作ることなどキット無かった製品ですが。
その歴史的背景含め、とても楽しめた作例となり・・御依頼主様には感謝です。
H様、何時も有難うございます!