大分県別府市おたべ歯科(歯科 訪問歯科)副院長談

大分県別府市おたべ歯科副院長が本音で語ります。

技工士さんたちの窮状・・・

2006-06-16 22:01:30 | インポート
全国的に厳しい歯科の世界ですが、
入れ歯や差し歯を作ってくれる技工士さん
達にも、そのしわ寄せがいっています。
特に技工所を経営している技工士さんは、
連日、早朝から深夜まで働き、休みも、
滅多に取れない方が、沢山いるそうです。
しかも、それだけ苦労しても、同年代の
サラリーマンのほうが、はるかに収入が多いそうです。

何故、こんなことになるのでしょうか?
それは、保険で決められている入れ歯や、
差し歯の値段が、世界的にみて、
異常に安いためなんです。
そのために、当然、作られた入れ歯などに
歯科医院が払う金額も低くなります。
それに追い討ちをかけるように、
技工所同士の値引き合戦も、行われています。
先進国の中で、日本のように安い値段
で入れ歯を作る国など、ありません。
それを安く感じないほど、患者さんの
感覚は、麻痺してしまっています。

当院にもベテランの技工士さんが、いますが、
入れ歯一つを作るのも大変で、時間がかかる
と、いっも言っています。
一つ一つが、全てオーダーメイド、同じ入れ歯
が他人に合うことは決してありません。

そんな複雑で大変な仕事なのに、
その不当に安い価格のせいで、無理して
大量に作らざるをえない・・・
すでに、この業界に見切りをつけて、
転業する技工士さんも、増えています。
また、技工士を志す人も、どんどん
減っているそうです。

歯科医院を、支えてくれている技工士さんたちの窮状、
このままでは、日本の歯科業界は、根底から崩れて
いくような気がします。
それが、決して大袈裟に聞こえないほど、
技工士さんたちは、苦労しているのです。