みなさま大変ご無沙汰しております。まずは、暑中お見舞い(もう残暑お見舞いと言いたいとこですが・・・)を申し上げます。
この夏は冷夏と思われるような七月から一転して、連日の度を越した猛暑で、元気な人ですら体調を崩すような有様です。
わたくし母も、冷房と猛暑の繰り返しの攻撃で体調がおかしくなるし、夏風邪は引くし散々ですが、
この度はわが王、おっとり師匠が大変なことになっておりました。
七月下旬のある日、師匠がぱったりとご飯を食べなくなってしまいました。
ご存知の通り、師匠の食欲は底なし。食べないなんて通常ありえない話です。
これはあれかな、季節の変わり目で人間だってだるだるだし、調子を崩したかな・・。
何かウェットとかの美味しいご飯にすれば食べるだろうと思っていましたが、ちょっと舐める程度で食べようとしません。
しかも、食べてしばらくしたら吐いてしまいました。心なしか元気もない。
そこで、獣医さんに電話して往診してもらい、おそらく胃腸炎ではないかとの診断で、吐き気どめや抗生物質等の注射をしてもらい、様子を見ることになりました。
しかし、翌日になっても全くご飯を食べない師匠。スプーンひとさじを舐めても吐いてしまいます。皮下点滴しても、ぐったりとして押入れの中で目を閉じたままの師匠。獣医さんに相談し、その日の夜から入院することとなってしまいました。
師匠のような肥満猫は特に、食事を取らなくなると数日で「肝リピドーシス(脂肪肝)」になってしまいます。
つまり肝機能不全を起こし、黄疸が出て最悪死んでしまうという恐ろしい病気です。
全くご飯を食べなくなった師匠のことで、真っ先に心配したのはこれでした。
その上、師匠は糖尿病という持病持ちのため、深刻な事態になってしまったのでした。
まず、入院してすぐに尿にケトン体が出始めました。
ケトン体とは、糖が尿と一緒にどんどん体外に出て行ってしまうため、エネルギー源としての糖を燃焼させられず、代わりに自分の脂肪を燃焼させてしまい、その時に燃えかすとして発生するものです。
ケトン体は酸性の物質なので、血液中に出ると「ケトアシドーシス」という状態となり、これまた最悪死に至る恐ろしい症状です。
糖尿病の子は、常にこのケトアシドーシスの危険と隣り合わせのため、適切な血糖値管理が必要なのです。
今までは順調にインスリンの注射で血糖値のコントロールができていたようなのですが、急に食事を摂れなくなったことが原因なのか一気に体の中の電解質やら血糖値やらのバランスが崩れてしまいました。
不思議なことに、腎機能、肝機能の検査や血糖値の検査を入院時、最初に行ったときには、特に異常値はありませんでした。
つまり、原因全く不明・・・。
先生方も頭を捻って悩んでいました。
24時間体制で、点滴や血液検査が行われましたが、いくら調べても原因はわからずじまい。
師匠はというと、食事に全く手をつけずどんどん弱ってゆきます。
入院3日目には、もう危ないのではないかというほどに状態は悪化していました。(実際、獣医さんに、母の到着が間に合わないかもしれないと思ったと言われました)
毎日毎日、我々人間衆は昼に夜にお見舞いに通い、師匠の回復を祈るしかありませんでした。
あまりに弱ってヨロヨロになってしまった師匠の姿を見ると、切なすぎて涙が出てきます。
『師匠くんが一番頑張っているんですよ!飼い主さんが諦めては本当にダメになってしまいます。回復すると信じて頑張りましょう!』という先生の言葉にどれだけ励まされたことか・・・。
経口で食事を摂れないと本当に命に関わるので、シリンジによる強制給餌も始まりました。
強制給餌をやる人は嫌われるんですよ〜^^;と、先生が言うのもよくわかります。
首根っこを掴んで顔を上に向かせ、口の横からシリンジを入れて流動食を食べさせるのでニャンコとしてはかなり不本意でしょう💧
わたくしも後学のためにと教わって一度やらせてもらいましたが、素人ではやはりなかなか上手にできないものです。
食事を摂らせて、血糖値が安定するまでインスリンの量を微調整して、血液の成分の調整をしながら経過観察をする・・・。
先生たちもあらゆる手を尽くし、昼夜関係なくずっと診てくださいました!
その甲斐あってか、入院一週間を過ぎる頃から少しづつ回復の兆しが見え始め、本当にちょっとずつですがカリカリを口にするようになってきました。病気の原因はやはり不明のままですが、とにかく口から物を自分で食べ始めることが回復の第一歩。
血液の成分も、血糖値も点滴だけでは補うことはできません。
ご飯を食べることで、体が自ら調整を始めてくれるんですね。
お見舞いに行っても、体を起こして嬉しそうに迎えてくれるようになってきました。
そして、入院二週間後、ついに退院の日を迎えたのでした!!
退院時の体重は、6.15キロにまで減っていました。あの、8キロ近かったまんまるボディはすっかり痩せ、皮ばかりがタルタルになってしまっています。皮のたるみは、戻らないんだって・・・。
それでも、本にゃんはお家に帰ってきて、心底リラックスしている様子です。
師匠入院中、暫定国王に勝手に任命されていたもっちゃんも嬉しそうです。
もっちゃんにとっても青天の霹靂、万年総務部長がいきなり翌日から代表取締役になれと言われたようなものですから、さぞや心細かったであろうと思われます。
よく留守を守って頑張りました!
師匠の入院中、たくさんの方々から「師匠頑張って!」と励ましの元気玉をいただき、わたくし母も元気づけられました。
みなさま、先生方、本当に本当にありがとうございます。( ;∀;)
師匠は、退院してからは今まで以上に気をつけて生活をしていかなければなりません。
いつまた悪化するとも限らないので、血糖値や食事の量、インスリン量などもしばらくは獣医さんと連携して細かく見ていかなければ・・。
今はとにかく現在の体重を維持して血糖値を安定させることが大事です。
ちなみに食事の量は一日50グラム厳守(ヒルズのm/dという糖尿病の療法食です)と、結構厳しい制限だと思われるのですが、師匠くん、日々食欲が増進しておりすっかり元どおりになりまして、退院してから一週間で200グラム体重が増量しました。
師匠、恐ろしい子・・・!
そんなこんなで、暑くて辛くて大変な今年の夏でした。
何事もない抑揚のない日常が何にも勝る幸せだということを、しみじみと感じて過ごす夏の終わりでございます。
みなさまもどうかお体を大切に!まだまだ熱中症にも注意ですよ。
おっとりともとなりはきょうもしあわせ。
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この夏は冷夏と思われるような七月から一転して、連日の度を越した猛暑で、元気な人ですら体調を崩すような有様です。
わたくし母も、冷房と猛暑の繰り返しの攻撃で体調がおかしくなるし、夏風邪は引くし散々ですが、
この度はわが王、おっとり師匠が大変なことになっておりました。
七月下旬のある日、師匠がぱったりとご飯を食べなくなってしまいました。
ご存知の通り、師匠の食欲は底なし。食べないなんて通常ありえない話です。
これはあれかな、季節の変わり目で人間だってだるだるだし、調子を崩したかな・・。
何かウェットとかの美味しいご飯にすれば食べるだろうと思っていましたが、ちょっと舐める程度で食べようとしません。
しかも、食べてしばらくしたら吐いてしまいました。心なしか元気もない。
そこで、獣医さんに電話して往診してもらい、おそらく胃腸炎ではないかとの診断で、吐き気どめや抗生物質等の注射をしてもらい、様子を見ることになりました。
しかし、翌日になっても全くご飯を食べない師匠。スプーンひとさじを舐めても吐いてしまいます。皮下点滴しても、ぐったりとして押入れの中で目を閉じたままの師匠。獣医さんに相談し、その日の夜から入院することとなってしまいました。
師匠のような肥満猫は特に、食事を取らなくなると数日で「肝リピドーシス(脂肪肝)」になってしまいます。
つまり肝機能不全を起こし、黄疸が出て最悪死んでしまうという恐ろしい病気です。
全くご飯を食べなくなった師匠のことで、真っ先に心配したのはこれでした。
その上、師匠は糖尿病という持病持ちのため、深刻な事態になってしまったのでした。
まず、入院してすぐに尿にケトン体が出始めました。
ケトン体とは、糖が尿と一緒にどんどん体外に出て行ってしまうため、エネルギー源としての糖を燃焼させられず、代わりに自分の脂肪を燃焼させてしまい、その時に燃えかすとして発生するものです。
ケトン体は酸性の物質なので、血液中に出ると「ケトアシドーシス」という状態となり、これまた最悪死に至る恐ろしい症状です。
糖尿病の子は、常にこのケトアシドーシスの危険と隣り合わせのため、適切な血糖値管理が必要なのです。
今までは順調にインスリンの注射で血糖値のコントロールができていたようなのですが、急に食事を摂れなくなったことが原因なのか一気に体の中の電解質やら血糖値やらのバランスが崩れてしまいました。
不思議なことに、腎機能、肝機能の検査や血糖値の検査を入院時、最初に行ったときには、特に異常値はありませんでした。
つまり、原因全く不明・・・。
先生方も頭を捻って悩んでいました。
24時間体制で、点滴や血液検査が行われましたが、いくら調べても原因はわからずじまい。
師匠はというと、食事に全く手をつけずどんどん弱ってゆきます。
入院3日目には、もう危ないのではないかというほどに状態は悪化していました。(実際、獣医さんに、母の到着が間に合わないかもしれないと思ったと言われました)
毎日毎日、我々人間衆は昼に夜にお見舞いに通い、師匠の回復を祈るしかありませんでした。
あまりに弱ってヨロヨロになってしまった師匠の姿を見ると、切なすぎて涙が出てきます。
『師匠くんが一番頑張っているんですよ!飼い主さんが諦めては本当にダメになってしまいます。回復すると信じて頑張りましょう!』という先生の言葉にどれだけ励まされたことか・・・。
経口で食事を摂れないと本当に命に関わるので、シリンジによる強制給餌も始まりました。
強制給餌をやる人は嫌われるんですよ〜^^;と、先生が言うのもよくわかります。
首根っこを掴んで顔を上に向かせ、口の横からシリンジを入れて流動食を食べさせるのでニャンコとしてはかなり不本意でしょう💧
わたくしも後学のためにと教わって一度やらせてもらいましたが、素人ではやはりなかなか上手にできないものです。
食事を摂らせて、血糖値が安定するまでインスリンの量を微調整して、血液の成分の調整をしながら経過観察をする・・・。
先生たちもあらゆる手を尽くし、昼夜関係なくずっと診てくださいました!
その甲斐あってか、入院一週間を過ぎる頃から少しづつ回復の兆しが見え始め、本当にちょっとずつですがカリカリを口にするようになってきました。病気の原因はやはり不明のままですが、とにかく口から物を自分で食べ始めることが回復の第一歩。
血液の成分も、血糖値も点滴だけでは補うことはできません。
ご飯を食べることで、体が自ら調整を始めてくれるんですね。
お見舞いに行っても、体を起こして嬉しそうに迎えてくれるようになってきました。
そして、入院二週間後、ついに退院の日を迎えたのでした!!
退院時の体重は、6.15キロにまで減っていました。あの、8キロ近かったまんまるボディはすっかり痩せ、皮ばかりがタルタルになってしまっています。皮のたるみは、戻らないんだって・・・。
それでも、本にゃんはお家に帰ってきて、心底リラックスしている様子です。
師匠入院中、暫定国王に勝手に任命されていたもっちゃんも嬉しそうです。
もっちゃんにとっても青天の霹靂、万年総務部長がいきなり翌日から代表取締役になれと言われたようなものですから、さぞや心細かったであろうと思われます。
よく留守を守って頑張りました!
師匠の入院中、たくさんの方々から「師匠頑張って!」と励ましの元気玉をいただき、わたくし母も元気づけられました。
みなさま、先生方、本当に本当にありがとうございます。( ;∀;)
師匠は、退院してからは今まで以上に気をつけて生活をしていかなければなりません。
いつまた悪化するとも限らないので、血糖値や食事の量、インスリン量などもしばらくは獣医さんと連携して細かく見ていかなければ・・。
今はとにかく現在の体重を維持して血糖値を安定させることが大事です。
ちなみに食事の量は一日50グラム厳守(ヒルズのm/dという糖尿病の療法食です)と、結構厳しい制限だと思われるのですが、師匠くん、日々食欲が増進しておりすっかり元どおりになりまして、退院してから一週間で200グラム体重が増量しました。
師匠、恐ろしい子・・・!
そんなこんなで、暑くて辛くて大変な今年の夏でした。
何事もない抑揚のない日常が何にも勝る幸せだということを、しみじみと感じて過ごす夏の終わりでございます。
みなさまもどうかお体を大切に!まだまだ熱中症にも注意ですよ。
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