いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

中城ふみ子~乳房喪失~

2018-12-03 23:35:43 | 短歌


中城ふみ子は、
三十二歳にして
歌壇に登場し、
その数か月後、
亡くなった。

乳房をがんのために
喪失し、
しかも
離婚歴あり、
ということもあって、
歌集
「乳房喪失」
は、
センセーショナルな
話題となった。
以下に
その歌を挙げるが、
自らの、存在と
出奔した夫、
子を
恋いる歌は、
胸を打つ。

‥‥‥

もゆる限りはひとに與へし乳房なれ癌の組成を何時よりと知らず

冬の皴よせゐる海よ今少し生きて己の無惨を見むか

出奔せし夫が住みゐるてふ四国目とづれば不思議に美しき島よ

頼りなく母を呼ぶ声伝えくる長距離電話は夜のかぜのなか

北原白秋の歌~その3~

2018-12-03 23:13:59 | 短歌


北原白秋の歌。
人口に膾炙した作品が多い。

1つ、
挙げる。

‥‥‥

一、海は荒波 向こうは佐渡よ
 すずめ啼け啼け もう日は暮れた
 みんな呼べ呼べ お星さま出たぞ

二、暮れりゃ砂山 汐鳴りばかり
 すずめちりぢり また風荒れる
 みんなちりぢり もう誰も見えぬ

三、かえろかえろよ ぐみ原わけて
 すずめさよなら さよならあした
 海よさよなら さよならあした

ドラマチックな、宮柊二の歌

2018-12-03 22:43:15 | 短歌


宮柊二は、
北原白秋の弟子である。
生涯で、13の歌集を出した。
弟子に、高野公彦等がいる。

歌誌「コスモス」

創刊。
1912年生まれ、
1986年死去。
芸術院会員、
宮中歌会始選者を務める。

もっとも有名な歌集は、
日中戦争の渦中でつくった歌、
「山西省」。
一兵卒として
なまぐさい戦場の景を叙する。

ここでは、
3首のみ挙げておく。

‥‥‥

ひきよせて寄り添ふ如く刺ししかば声も立てなくくづおれて伏す

磧より夜をまぎれ来し敵兵の三人迄を迎へて刺せり

耳を切りしヴァン・ゴッホを思ひ孤独を思ひ戦争と個人をおもひて眠らず





佐々木信綱の短歌~その1~

2018-12-03 21:25:36 | 短歌


佐々木信綱は、
有名な歌人である。
優雅な歌、
美しい歌、
滑らかな歌。

いろいろな形容のしかたがある。
その歌集から、
短歌を紹介する
つもりだが、
ここでは、
2首だけ
挙げておく。

‥‥‥

ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲

大門のいしずゑ苔にうづもれて七堂伽藍ただ秋の風

与謝野晶子と数詞

2018-12-03 21:12:11 | 短歌


与謝野晶子が
力を発揮したのは、
短歌だけではない。
無類の科学好きだったし、
物語も書いた。
童謡も。

また、詳しく紹介するが、
与謝野晶子の
短歌には、
数詞が
頻繁に出る。

3首だけ挙げておく。

‥‥‥

その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな

ほととぎす嵯峨へは一里京へ三里清滝夜の明けやすき

狂いの子われに焔のかろき百三十里あわただしの旅

自転車イヤホン、歩きスマホ、歩きイヤホン、にモノ申す

2018-12-03 21:01:55 | 人生


スマホをしながら、
運転する
車、
自転車が
多い。

危険だ。
やめてほしい。
あなた自身のためだけではない。
人や動物をはねたら
どうするのか。

歩きスマホ
歩きイヤホンにも
困る。
車に気づかなかったり、
注意されても
聞こえなかったり。
車にはねられたら
どうするのか。

著しく、不道徳だ。

この忙しい時代、
自分にも、相手にも、
苦痛を与え、
苦痛をこうむる可能性。

いまだからこそ、
よけいに気をつけてね。

民衆派の詩人白鳥省吾の詩

2018-12-03 18:51:06 | 文学


民衆派とは、
1916年頃から
大正末年にかけて
栄えた、
社会性を帯びた
口語自由詩運動の一派。

その、民衆派の詩人
白鳥省吾の作品。

貧しいものを
苦しめた
財閥への怒りを
下敷きにしている。

‥‥‥

女工の母    白鳥省吾作

工場主から2円の前借をして
女工の母は
皺くちゃの煤け顔で
冬の夕方工場の門を出た。

左手には棒の先に
古びた五合入りの石油缶を下げ
右手には黒いぼろぼろの毛布を抱へ
街の方に買い物に行くらしい。
後姿を寂しく見てゐると
ふと振りかへる皺くちゃの顔が
笑ったか泣いたかわからぬが
閃くやうに暗い感じが私を襲った。

その婆さんの住んでゐる
まだ灯もつかぬ煤けた夜の農家がめに浮かんだ。
娘の女工は工場で今どうしているか
若い者さへ仕合せでない世の中だ。




ボランティア~はさみ将棋など~

2018-12-03 18:41:47 | ボランティア


老人ホームで
ボランティア。
本日は、
将棋、
囲碁、
はさみ将棋。

わたしは、
はさみ将棋の
お相手をした。

老婦人。
前月
痛い目に合っているので、
考えに考えて、
3局指した。
2勝1敗。

対局後は、
スタッフ3人、
利用者2人で、
楽しい話し合いをもった。

北原白秋の歌~その2~

2018-12-03 18:20:47 | 文学


北原白秋の
童謡や
愛唱歌は多い。

白秋が
小田原に住んでいたころ、

妻は、
菊子さんという人だった。
よく尽くし、
小田原時代の白秋には、
すぐれた作品が多い。

1つ紹介。

‥‥‥

ゆりかごの歌  北原白秋作詞

一、ゆりかごの 歌を
 かなりやが うたうよ
 ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

二、ゆりかごの 上に
 びわの実が ゆれるよ
 ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

三、ゆりかごのつなを
 木ねずみがゆするよ
 ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

四、ゆりかごの 夢に
 黄色い月が かかるよ
 ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

館長さんにびっくり

2018-12-03 18:11:15 | 日記


館長さんにびっくり。

地域の将棋サークルに
参加した折、
ある部屋に、
貴重な教育学の本があることに
気づいた。
公民館の職員に
借りられるか聞くと、
「それは、館長に聞いてください」
とのこと。

初老の紳士を想像していた。

ところが、
出てきたのは、

魅力的な女性館長。

世の中、
進んだものだ。

もちろん、
書籍の借り出しは、
許可された。

北原白秋の作品~その1~

2018-12-03 08:53:04 | 文学


北原白秋は、
長く小田原に住んだ。

詩人三好達治は、
「白秋では童謡が一番すぐれている」
という。

年配者なら、
誰でも知っている
歌を
書いてみる。

‥‥‥

この道  北原白秋・作詞

1、この道は いつか来た道
 ああ そうだよ
 あかしやの花が 咲いてる

2、あの丘は いつか見た丘
 ああ そうだよ
 ほら 白い時計台だよ

3、この道は いつか来た道
 ああ そうだよ
 おかあさまと 馬車で行ったよ

4、あの雲は いつか見た雲
 ああ そうだよ
 山査子の枝も 垂れてる