俵万智の青春歌に思いをめぐらす 2018-12-14 22:14:38 | 短歌 ある歌は、 遠い青春の日を 思い出させる。 その時代に 研ぎ澄まして 心に感じたことどもを 昨日のように思い出すのだ。 いろいろな歌人の歌を 紹介するにつけ、 「時代の子」 という言葉を思い起こす。 俵万智の歌。 「スペインに行こうよ」 風の坂道を 駆けながら言う 行こうと思う Runnig up a hill,you saying, "Let's go to Spain!” Yes,let's go. I think‥‥
小池光の歌3首 2018-12-14 21:43:29 | 短歌 先に、 文学と「老い」 について書いた。 具体的な作品を鑑賞しつつ、 表現の可能性を 探ってみよう。 小池光の歌より。 ~あまりにも平凡な日々をかえってうまらなくおもうとき~ 泥棒にはいられたることいちどもなく七十年過ぐ 泥棒よ来よ ~年齢を重ねるにつれて心を通じ合う人が減るのを嘆いて~ この人とゐても話すことなしと思へる人いつしか増えて年とりにけり ~老いを感じつつ~ 二次会に誘はれたれどわれ行かず厭世観につかまれをれば
歌人のとっての戦争 2018-12-14 21:17:47 | 人生 現代では、 すでに 日本人は 単なる 「戦争鑑賞人」 たることを許されない。 今が、戦時でないとしても、 自然災害の恐ろしさは、 人智を超えたところにあるし、 完璧な情報管理もある。 隣国の動きに、 恐怖を感ずることもある。 太平洋戦争後、 歌人は、 頻繁に戦争反対の メッセージを投げかけた。 そのいくつかを ひもときながら、 激しい動きを見せる 世界と交わる覚悟をもとう。 ‥‥‥ 世をあげし思想の中にまもり来て今こそ戦争を憎む心よ(近藤芳美) 戦争を憎むと言へりしかりしかり然りしかりしかうしてきみはどうする(黒木三千代)
文学における老いと死 2018-12-14 20:58:51 | 文学 文学は、 死と老いについても、 語る。 いや、 文学者のみならず。 多くの人が、 必ず死と老いに直面する。 幾人かの人たちは、 夭折し、 自死し、 病死した。 しかし、 幸か不幸か、 生き残ったわれれれは、 人生に残された この問題に直面せざるをえない。 政府高官や医者や法曹になった 多くの友人たちも、 若い時、 多くは、文学を志したり、 そこに慰みを求めたりした。 今、老齢になって、 再び、 誰もが 死と老いに直面する。 文学を志したときと同じで、 そこには 絶対的 個 独 があり、 何人も平等にそれらに 直面せざるを得ない。 成功したとか 財を築いたとか 名誉にあずかったとか、 とは 関係がない。 若い時、 文学の目には、 すべての事象が、 平等に眺められると思ったことを、 振り返りながら。 誰にとっても、 死は平等にやってくる。 文学においては、 すべての価値が転倒することを 思ったように、 死に直面する。 老いや死をどのように表現しようか。