昭和の時代、
わたしの6年生のクラスで、校長先生が特別授業をしてくださった。
「今、世界で一番強い空手家の大山倍達が、東京駅で、列車から降りようとしたんだ。
すると、プラットホームから近寄ってきたやくざがいいがかりをつけてきた。
無視して降りようとしたら、数人の仲間が来て、取り囲んだ。
そこで、大山倍達が、目を細めて、低い声で
『おじさんは強いんだよ』
と言うと、
ヤクザたちは突然怖くなって、チリヂリに逃げていったんだそうだ。」
みんな感心してほお、という表情をした。
この話は受けた。
ちょっと、作り話っぽいが、いい話だった。
同じような事が起きたら、今はどうだろう。
「おじさんは強いんだよ」と言った瞬間、
前後左右から仲間が棒切れをもって殴りかかり、
空手家は、ぶったおれてしまうだろう。
なつかしの校長先生は、
もう90歳を超え、
施設の中で、みなに支えられて生きておられる。
あの人のことだから、
介護職の方にも尊敬され、
手厚い介護をうけておられるだろう。
ほんとうに、いい先生だった。
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