人生の多くの時間を「公的」な文章の書き手として仕事をしてきた。
その軛から離れて、地元の図書館のコンクールに読書感想文を発表した。
それまでは、評価者として、字数制限を課して仕事をしてきた自分が、
私的な文章を発表できることは、新鮮な喜びにつながった。
104歳まで現役医師として活躍した、日野原重明先生の「生きかた上手」の感想文、200字以内、である。
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著者は、医師として4000人を看取り、何百歳分の人生を生きた。それをふまえて、誰もが無限の才能を持ち、開花させ得ることを例示する。医療で、治せる病気は一割に満たないが、善き医師に助けられ、病とつきあう方法はある。老いた患者を安らかに見送るにはどうすればよいのか、を論じた部分は、この書の白眉となっている。この書を読んで、人生・医療との理想の付き合い方を学び、著者の人生訓を汲み取ることができた。
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このときから、改めて、「私的」な文章を書く自分、を意識した。
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