続・床屋の穴掘り。

王様の秘密を知ってしまった床屋のように、時には穴を掘って思いっきり言いたいこともある。そんな日記。

自分のしたこと、これからすること。

2013-01-26 23:05:23 | 動物と暮らす者として。

今日、銀二のウィルス検査を行った。

保護した時点で、いつ死んでもおかしくないくらいひどい状態だったし、
他猫にやられたと思しき傷跡があったことから、外で生活している猫の宿命ともいえる
「猫エイズ感染」については覚悟していた。

まだ発症していないキャリアであるというだけならば、
弥七たん・銀二ともに穏やかな性格で、噛み合いひっかき合うようなケンカは考えにくいので、
感染の原因として一番怖い「傷口からの感染」は回避できる。
環境と栄養状態を良好に保っていくことで長生きだって不可能じゃない。
発症しないで一生を終えるにゃんこだっていることだし。。。と楽観的に考えていた。

だから、これまでは弱っていて抵抗が少なかった銀二が
診察時に初の大暴れをしつつ採血されていた際も、
「ここまで暴れられるほど元気になって。。。」
と先生や助手さんには申し訳ないが、感慨にふけりつつ余裕の面持ちでいた。
先生達のケガ防止にミニサイズのエリザベスカラーをつけられた銀二は
大層ご立腹だったが、それすら微笑ましく思えるくらいであった。

来院した理由は、口内に違和感もしくは痛みを感じている仕草が気になったのと、
不定期で連続したくしゃみをするので「風邪がぶり返したか?」と危惧したからである。
腹具合が良くない対策にと、ロイヤルカナンの胃腸サポート系カリカリを与えていたので、
固い粒で口の中の炎症がひどくなったのかくらいに思っていて、正直そんなに深刻に考えてはいなかった。

しかし、暴れる銀二を連れて一旦帰宅し、結果を聞きに一人で再度来院した私を待っていたものは、
決して楽観的でいられるような話ではなかった。


いつになく深刻な表情で先生が告げた検査結果は、
猫エイズ 陽性
そして、

白血病 陽性

であった。

白血病。
かつて実家で飼っていた、まだ若くて大きいオス猫・サスケをあっという間に連れ去った病。
元気だったサスケがみるみる衰弱し、獣医の先生が懸命に手を尽くしてくれたにも関わらず、
信じられないほど呆気なく逝ってしまったあの恐ろしい病気が、
子猫のように小さな銀二の体を蝕んでいた。

しかし、そのこと自体は決して珍しいことではない。
猫エイズ同様、外での暮らしを余儀なくされていた猫を保護した者ならば
予想する範囲内の病気である。
恐ろしい病気であるが、延命は不可能じゃない。
多くは白血病そのものの発症ではなく、免疫力の低下による臓器の障害に悩まされる。
腫瘍や腎臓疾患、慢性口内炎や貧血などがよく見られる症状だと言われている。
とは言え、中には何も症状が出ないとか、ウィルス自体が突然消えてしまう猫もいるという。

これまたエイズ同様、環境と栄養状況を整え、何か症状が出たらその都度対処することによって
長生きは望めぬまでも、ある程度の期間を生きていくことができる病気、らしい。

だが、この病気はうつる。
それも飛沫感染などハードルが低い経路で。
行きつけの獣医先生によれば、
「ひとつ屋根の下で飼われている猫同士だと、ほぼ100%の確率で感染してしまう」
とのことだ。
感染させたくなければ、そもそも同じ建物内に置いてはいけない。
そういうレベルだという話だった。

一匹だけで飼ってきたこともあり、これまで弥七はウィルス検査をしたことがなかった。
副作用その他のあまり良くない噂を聞いていたのと、行きつけ獣医の推奨が3種ワクチンなので
白血病を含めては打ってこなかった。

恐らくもう手遅れだ。
きっと弥七たんは感染してしまっている。

私が保護するまでの一週間ほど外にいたことや、その際に他猫との接触があったことを考えると
既にキャリアであったという可能性はゼロではないにしても、感染していたらきっと私のせいだ。
せっかく健康体な弥七たんを、あたら危険に晒してしまった。
私の甘いシロウト考えで長生きできるはずの寿命を縮めてしまったなら、
どうやって償えばいいのだろう。

ショックで言葉を失い俯いてしまった私を気遣ってか、
「たとえプロでも、おうちでの感染を防ぐことはできないですよ」
と先生は慰めてくれたが、私の気持ちは晴れなかった。
だが、もう既に起こってしまったことはどうしようもできない。
私にできることは、弥七にウィルス検査を受けさせ、その結果を踏まえて先生と相談しつつ
二匹の健康管理を行なっていくだけである。

銀二は今後ずっと投薬が必要となるし、検査も定期的に行なわねばならない。
弥七も、仮に近く行なう検査で陰性であっても、それで安心ということにならない。
もし不幸にも白血病キャリアになってしまっていた場合、どのように不調が出てくるかわからないので、
その都度で対処していく必要がある。


暗い気持ちで帰宅し、白血病についてネットで色々調べてみた。
キャリアや発症したにゃんこの飼い主さんが綴ったブログを見つけ、
闘病の末に儚くなったという記事で終わっているのを読んで目の前が暗くなる思い。
最期はこうなってしまうのかと胸が痛くなる。
先生の見立てでは、銀二の余命はあと4年程度。
できるだけその時間を引き延ばしたい。
そしてできるなら、弥七は何事もなく元気でいて欲しい。

すべて私の勝手な願いだ。
弥七の寿命が縮まったなら、それは間違いなく私のせい。
だけど、銀二を見捨てるなんて出来なかった。
ループだ。悪循環。

今日、先生が帰り際にかけてくれた言葉を思い出す。

「だけど、仮に健康な猫ほど生きられなかったとしても、
 拾われていなかったらもっと悲惨な最期が待っていたはずなんです。
 できるだけのことをその都度やっていきましょう。やるしかないんだから!」


そうだ、やるしかない。
私がしっかりしていかなくては、私を頼るしかない二匹が可哀想だ。
どんなことが起ころうとも、その時にできる最良のことをしていくしかない。

そう決意しつつ、今夜だけは落ち込んでしまいそうなヘタレな私なのであった。



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4 コメント

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そんな。。。 (ひとち)
2013-01-27 16:50:43
お久しぶり。

padaちゃんの優しさが弥七たんに病気をうつしてしまうことになるとは。。。
すごいショックだね。
良いことをしたのに、罪悪感を感じてしまうね。

先生のおっしゃる通り、弥七たんも銀ちゃんも外で暮らしてたらもっと短命だったと思う。

少しでも長く家族4人で暮らせることを願ってるよ。
今出来る最良のことをやっていこう。
返信する
ホオポノポノ (いそたー)
2013-01-28 13:07:12
つらいこと
悲しいこと
どうにもできないこと

銀二との出会いは素敵な出来事だったはずです。
それは家族みんなにとって幸せなことだったんです。
銀二と過ごす時間は喜怒哀楽に満ちていますが、トータルしたら絶対100%プラス幸せです。

あと何回「愛してる」と言ってあげられるか
あと何回「ありがとう」と言ってあげられるか
たくさん言うほどたくさん幸せがやってきます。

pada01さんが銀二と出会い、生活を共にすることはきっと意味があることです。
共に生活して感じることすべてが幸せなんです。
返信する
ひとちゃん。 (pada01)
2013-01-30 08:28:07
毎日寒いけれど、元気にしている?

銀二のこと、正直言ってものすごくショックだった。。。
自分の甘さに後悔が大きくて。
でも、起こったことを悔やんでいるよりもやることがある、
そう前向きに頑張っていこうと決めたよ。

銀二の苦痛をできる限り和らげてやること、そして弥七の健康をできる限り維持すること。
このふたつを、獣医先生に力を貸していただきながら実行&継続していくよ。

いつも暖かい励ましを本当にありがとうね。
私、頑張るよ!病気がなんぼのもんじゃい(`・ω・´)!!!
返信する
いそたーさん。 (pada01)
2013-01-30 08:34:07
「トータルしたら絶対100%プラス幸せ」
本当、そうですね!

銀二は色々なことを連れて我が家にやってきました。
そして、これからも色々なことをもたらしてくれると思います。
共に過ごせる時間が少しでも長く続くよう、できる限りの努力をしたいと思います。
あんな小さな体で頑張ってる銀二と、不満もあるだろうにいい子にしてくれている弥七のために。

暖かい励ましを本当にありがとうございます!
私、前向きに頑張ります!
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