私と母の住んでいるアパートの隣人はイヤな奴である。
棺オケに片足ともう一方の足のつま先まで入った根性曲がりのジジイと
その妻の憑依霊がゴッテリ背後にいそうなババアの夫婦である。
この隣人は、十ン年前より私達一家に理由のない恨みを抱いており
洗濯物を干せば地面に叩き落され
母が大事に育てていた植物を、根元から引っこ抜き打ち捨てる
などの嫌がらせを繰り返している。
一時期などは、ウチ宛の郵便物が開封された状態でポストに
入っているという事もたびたびあった。
しかし、何にせよ証拠がない。
管理会社に言っても、嫌がらせをしている当人達が死にそうな年寄りである為
「話し合って。。。」
というばかりで、ちっとも役に立たない。
今朝などは、アパートの別棟に住んでいるおじいちゃんの
毎年品評会に出している素晴らしい菊の鉢を、あらかた倒して折る
というむごい事が起こっていた。
毎年、おじいちゃんが丹精込めて育てている菊である。
これにはさすがに私達も激怒した。
近所の人達は、その隣人の異常なまでの根性の悪さを知っているので
誰も相手にしない。
その隣人をのけ者にして周辺住民みんなが仲の良いのを
先方は更に恨んでいる様子。
そんな確執が続く毎日の中、ある日母と私が外出から戻ると
部屋中が異様にウンコくさい。
何やらバキュームカーの匂いが充満している。
ウチの母は、すぐさま隣人の仕業と思い込み、
「あのヤロウ、するに事欠いて
ウチの部屋にクソしていったんじゃねえか?!」
と猛り狂った。
なまじっかあり得るだけに、戦慄が走る母娘。
すぐさま部屋中を点検したが、ブツは発見されずホッと胸を撫で下ろした。
しかし母はまだ気が済まない様子。
私が「家の外かもしれないから、点検してきてよ!」
というと矢のように飛び出していった。
しばらくして、「無かったよ!」と母が戻って来た。
「草までかき分けて探してきたよ!!」
と鼻息が荒い。
しばらくの間二人で、「靴の中にされてたらショックがでかいね」だの
「アンタの布団の中かもよ」と盛り上がっていたが、
壁が薄く物音が丸聞こえな為に、
「こんなアイディアを提供して、ホントにやられたらヤバい。
敵に塩を送るようなマネはやめよう」
という結論に達し、その話題は打ち切りとなった。
もしそんな仕打ちを本当にされたら、今まで耐えてきた私達だが
今度こそ殺人犯である。
しかし、世の中には人の嫌がる事をする行為に喜びを感じる
異常な奴がいるものだ。
どうせ暮らすんなら、みんな仲良く暮らした方が気持ちがいいのに。
老い先短いクセに「徳を積む」というコトバを知らないのだろうか。
ヘタするとサスケに害が及ぶ可能性があるので、
強い態度に出れないのも腹立たしい。
人の不幸を喜ぶ趣味は無いが、早く死んでくんねえかなあ
と唯一思う人物である。
それも寂しい事だよね。
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