若い頃
一度東京で働いて
ちょっと事情があって岩手に帰って来た時に
友達とペットを飼いたいと話をしていた
当時、その友達はシベリアンハスキーという大きな犬を飼っていて
俺が遊びに行くとバカみたいに吠えるし
遊んでほしいのか俺に向かって飛びかかろうとするし
もうね、犬が苦手な俺には怖くて怖くてたまらなかった
…
でもな…何かペットが欲しいな
仕事から帰って来た時に
『待ってたよ~』みたいな感じのやつがいいな
とにかく可愛いヤツがいいな
そして思いついたのがハムスターだった
その友達とペットショップに買いに行きました
26~7年前の事で記憶が定かじゃないんだけれど
種類がそんなに無かった気がする
俺は茶色と白の毛で、目の真っ赤なゴールデンハムスターを購入した
ハムスターを入れるカゴと
カゴの底に敷くチップみたいなやつ
クルクル回るオモチャと
水を飲むボトルと餌を購入して帰ってきた
…
ネズミが嫌いなおふくろは
俺がハムスターを飼うと言うと大変に気持ち悪がったが
カゴから出さないし、鳴かないし、迷惑はかけない。
俺の部屋だけで飼うから。
って言って飼い始めた
…
一緒に遊んだり
クルクル回るやつで遊ぶのを見たり
そういうのを楽しみにしてたのに
俺がカゴを見ると
キレイな丸い形の穴を作って
その中に引っ込んでばかり
餌をあげて、手に持って食べる場面を見たいのに
ほっぺに欲張っていっぱい入れて
自分の気にいった場所に隠す
ちょっと思ってたのと違うなコイツは…。
俺との相性が抜群に悪かったのは夜
…
アイツら夜行性なのな
夜になるとカサカサと動き回ったり
クルクルのオモチャにぶつかるのか変な音を出したり
挙句の果てには
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
延々と何かを齧ってる音がする
眠れねぇよ!!!って電気をつけると
カゴの金網に捕まって
その金網に噛みついているのだった
明るくなったのが分かるのか一瞬だけ止まって
…
…
…
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
うるせぇわ!!!
金網の外からは何も出来ないので
カリカリやってるお腹に向かって息を強く吹くと
ビックリして転げ落ちた
…ま、可愛いんですけどね。
『静かにしろぃ!!眠れねぇぞ!!』
俺は電気を消した
その数分後
…
…
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
この攻撃のすさまじい事
俺を寝かさないつもりだ
どうやったら大人しくなるかと思って
餌を与えてみた
するとまた欲張ってほっぺに入れて
お気に入りの場所へ何度も往復しながら運ぶ
その静かになった間に寝るのだ
このタイミングで寝ないと俺は倒れる
だって次の日だって仕事が
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
バカヤロウ!!
よくよく調べてみると
夜行性なのだと分かった
日中に何か厚い布をカゴに被せて
夜はそれを外して
ってのを繰り返しているうちに
昼夜逆転して夜に大人しくなるというのを知った
…
お蔭で日中はカゴの中を覗けず
夜は夜で俺が寝るのでハムスターを見れず
ただ餌をやって
水を換えて
トイレを掃除して
…
…
え?
こんな事の為に飼ったんだっけ??
冬が来て
ボロボロの我が家は家の中も寒くてたまらないのだった
ある冬のとても冷え込んだ日
カゴの中を掃除しようと思って開けると
ハムスターが動かなくなっていた
コロンと転がって
完全に死んでいるのだった
…
寒さで死んじゃったな…
可哀想な事をしたな…
…しかし俺はちょっと変わったやつで
あんなに可愛いと思っていたのに
死んだと思ったら触れないのだ
暖かくて手のひらでモニョモニョと動いてる時は
全然平気だったのに
死んだと思ったら怖くて触れない
生きていたものが死んで硬くなって動かない事が
当時の俺は怖くて仕方が無かった
それまで猫も何匹も飼ったが
死んだとなると触れないのだった…
…
俺は弟を呼んだ
『ハムスター死んじゃったからさ、俺は庭に穴を掘って来るよ。』
弟はハムスターを手のひらに乗せて
ずっと亡骸を眺めていた
俺は外に出て雪かきをして
庭の花壇の土まで掘った
『おい!!兄貴!!』
弟が俺に声を掛けた
『ネズミ、生き返ったぞ!!』
…
寒すぎて冬眠状態になってたみたいで
弟の掌の熱で目が覚めたのでした
普通なら喜ぶ場面ですよ
『おお~生きててくれたか!!』ですよ
熱い抱擁とキスですよ
しかし、一度死んだと思っていたネズミがまた動くと思ったら
怖くて怖くて今度は近づくのも出来ない
『見てみろよ。ほら、ゆっくりだけど動いてる。』
『いや、いい。分かった。うん。カゴに戻して。お願い。』
『お前、冬眠してたの埋めようとしてたんだぞ!!』
『あああ…怖い…怖い…生き埋め殺人になるとこだった…もっと怖い…』
…
俺の怖い気持ちが元に戻るのには
結構、時間がかかったような記憶があります
そしてもっと怖かったのは
当時の弟(次男、学年2個下)は、札付きのワルと言うか
とんでもない不良だった
金髪に染めて、喧嘩で前歯が無く
THE不良だった
そのクサレ不良が手のひらに死にかけのハムスターを乗せてる映像ね。
怖いよね。うん。
以前にもちょっとハムスターの記事を書いていた
まだ読んでいない方…どうぞコチラ
また飼おうかなって少し思ったけど
ウチには危険な動物が一匹いたな…
ダメダメ…危ない危ない。
一度東京で働いて
ちょっと事情があって岩手に帰って来た時に
友達とペットを飼いたいと話をしていた
当時、その友達はシベリアンハスキーという大きな犬を飼っていて
俺が遊びに行くとバカみたいに吠えるし
遊んでほしいのか俺に向かって飛びかかろうとするし
もうね、犬が苦手な俺には怖くて怖くてたまらなかった
…
でもな…何かペットが欲しいな
仕事から帰って来た時に
『待ってたよ~』みたいな感じのやつがいいな
とにかく可愛いヤツがいいな
そして思いついたのがハムスターだった
その友達とペットショップに買いに行きました
26~7年前の事で記憶が定かじゃないんだけれど
種類がそんなに無かった気がする
俺は茶色と白の毛で、目の真っ赤なゴールデンハムスターを購入した
ハムスターを入れるカゴと
カゴの底に敷くチップみたいなやつ
クルクル回るオモチャと
水を飲むボトルと餌を購入して帰ってきた
…
ネズミが嫌いなおふくろは
俺がハムスターを飼うと言うと大変に気持ち悪がったが
カゴから出さないし、鳴かないし、迷惑はかけない。
俺の部屋だけで飼うから。
って言って飼い始めた
…
一緒に遊んだり
クルクル回るやつで遊ぶのを見たり
そういうのを楽しみにしてたのに
俺がカゴを見ると
キレイな丸い形の穴を作って
その中に引っ込んでばかり
餌をあげて、手に持って食べる場面を見たいのに
ほっぺに欲張っていっぱい入れて
自分の気にいった場所に隠す
ちょっと思ってたのと違うなコイツは…。
俺との相性が抜群に悪かったのは夜
…
アイツら夜行性なのな
夜になるとカサカサと動き回ったり
クルクルのオモチャにぶつかるのか変な音を出したり
挙句の果てには
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
延々と何かを齧ってる音がする
眠れねぇよ!!!って電気をつけると
カゴの金網に捕まって
その金網に噛みついているのだった
明るくなったのが分かるのか一瞬だけ止まって
…
…
…
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
うるせぇわ!!!
金網の外からは何も出来ないので
カリカリやってるお腹に向かって息を強く吹くと
ビックリして転げ落ちた
…ま、可愛いんですけどね。
『静かにしろぃ!!眠れねぇぞ!!』
俺は電気を消した
その数分後
…
…
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
この攻撃のすさまじい事
俺を寝かさないつもりだ
どうやったら大人しくなるかと思って
餌を与えてみた
するとまた欲張ってほっぺに入れて
お気に入りの場所へ何度も往復しながら運ぶ
その静かになった間に寝るのだ
このタイミングで寝ないと俺は倒れる
だって次の日だって仕事が
『カリカリカリカリカリカリカリカリ…』
バカヤロウ!!
よくよく調べてみると
夜行性なのだと分かった
日中に何か厚い布をカゴに被せて
夜はそれを外して
ってのを繰り返しているうちに
昼夜逆転して夜に大人しくなるというのを知った
…
お蔭で日中はカゴの中を覗けず
夜は夜で俺が寝るのでハムスターを見れず
ただ餌をやって
水を換えて
トイレを掃除して
…
…
え?
こんな事の為に飼ったんだっけ??
冬が来て
ボロボロの我が家は家の中も寒くてたまらないのだった
ある冬のとても冷え込んだ日
カゴの中を掃除しようと思って開けると
ハムスターが動かなくなっていた
コロンと転がって
完全に死んでいるのだった
…
寒さで死んじゃったな…
可哀想な事をしたな…
…しかし俺はちょっと変わったやつで
あんなに可愛いと思っていたのに
死んだと思ったら触れないのだ
暖かくて手のひらでモニョモニョと動いてる時は
全然平気だったのに
死んだと思ったら怖くて触れない
生きていたものが死んで硬くなって動かない事が
当時の俺は怖くて仕方が無かった
それまで猫も何匹も飼ったが
死んだとなると触れないのだった…
…
俺は弟を呼んだ
『ハムスター死んじゃったからさ、俺は庭に穴を掘って来るよ。』
弟はハムスターを手のひらに乗せて
ずっと亡骸を眺めていた
俺は外に出て雪かきをして
庭の花壇の土まで掘った
『おい!!兄貴!!』
弟が俺に声を掛けた
『ネズミ、生き返ったぞ!!』
…
寒すぎて冬眠状態になってたみたいで
弟の掌の熱で目が覚めたのでした
普通なら喜ぶ場面ですよ
『おお~生きててくれたか!!』ですよ
熱い抱擁とキスですよ
しかし、一度死んだと思っていたネズミがまた動くと思ったら
怖くて怖くて今度は近づくのも出来ない
『見てみろよ。ほら、ゆっくりだけど動いてる。』
『いや、いい。分かった。うん。カゴに戻して。お願い。』
『お前、冬眠してたの埋めようとしてたんだぞ!!』
『あああ…怖い…怖い…生き埋め殺人になるとこだった…もっと怖い…』
…
俺の怖い気持ちが元に戻るのには
結構、時間がかかったような記憶があります
そしてもっと怖かったのは
当時の弟(次男、学年2個下)は、札付きのワルと言うか
とんでもない不良だった
金髪に染めて、喧嘩で前歯が無く
THE不良だった
そのクサレ不良が手のひらに死にかけのハムスターを乗せてる映像ね。
怖いよね。うん。
以前にもちょっとハムスターの記事を書いていた
まだ読んでいない方…どうぞコチラ
また飼おうかなって少し思ったけど
ウチには危険な動物が一匹いたな…
ダメダメ…危ない危ない。