チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『白鳥の湖』における『対称性の破れ』」

2008年10月12日 21時49分55秒 | 瓢湖不充分白鳥の湖舞イアーリンク泡沫事件

チャイコフスキー 白鳥の湖


[Symmetry and Structure of Tchaikovsky's Ballet "Swan Lake"]

ここ数日、猫も杓子も往年の「黄桜」のTVCMのような騒ぎである。
♪イーケルケルケル・ケルケルケルケル、呑ーベル、ベルベルベルッ♪
なんでも、自然界には「自発的対称性の破れ」という現象がある、
のだそうである。その理論を打ち立てた1人の帰化アメリカ人と、
クォークは「6」つ(3ペア)以上存在するはず、そして、
それが存在すれば上記理論は説明できる、
という仮説が証明されたことによって、
2人の日本人学者がノーベル物理学賞を受けた、
ということである。ともあれ、
自然界=宇宙は「対称性が保たれては話にならない」らしい。だからか、
ペアを作りなさい、と“神様”が世の“男女”にお命じになっても、
キモい私だけあぶれてしまうことになる。すると、
対称性が崩れて、浮いてしまった私が皆からの笑いものになる、という
大笑性だけが残ることになる。これが、
「自発的対称性の破れ」なのだそうである。私だけひとり、
破れかぶれ、である。そういえば、
亡き愛妃のために造営した「対称美」なタージ・マハルだったが、
倅によって、ド真ん中に安置されてるムムタス・マハルの脇に
己の棺を置かれてしまったためにその「対称性」が崩されてしまった、
というシャー・ジャハーンもまた、
「対称性の破れ」を自らの体で具現化してるのである。いっぽう、
じゃあ・チャーハンに6つのグリーンピースをどう乗せよう、と、
乗せかたによってはいくつかの対称パターンが可能である。他方、
「ロスに始まりロスに終わる」だったらしい疑惑の銃弾屋も
「回転対称」なサイパン陰性度大だったようである。やはり、
「回転対称」なボウリングのピンの並びを3投連続で全ピン倒せば
ターキーであるが、いちおう、
自ら首をcouクルという決着をつけた、のだという。これで、
疑惑の銃弾に倒れた元妻の母親も少しは報われただろう。いくら、
あんな男のみてくれがよくて結婚したほうにも少しは落ち度があるとはいえ、
保険金の餌食にされたことはじつに哀れである。いずれにせよ、
放火に始まった犯罪づけ人生に
更生の余地などなかったはずである。ときに、コウセイといえば、
新人騎手の三浦皇成が、武豊の新人勝利69勝に並んだ。いっぽう、
その武騎手は今日、新記録達成がおもしろくないとでもいうように
5勝もしたことである。同騎手対近藤オーナー&松田博資調教師、
の確執はさまざまなrumorがあるようであるが、
脳のtumorで危篤らしいのは、
狂信的共産主義者の同志リンチ殺人事件の犯人である。
死刑が確定してからすでに15年。
日々、今日かもしれない、という仕置にも、
残虐に殺してった“同志”が被った“哀れさ”は、
こういう輩にはわからないのかもしれない。
まじめに働いてる人々の税金で何十年も飯を食い、
安全に囲われ、医療の恩恵も受けてきたのである。いずれにせよ、
いくら容姿が超不細工だからといっても、嫉妬で
自分よりみてくれのいい女同志らの顔をめちゃくちゃになるまでに、
歯が折れるまでに殴って殺害したことも、たとえ殺されたほうにも
もともとは反社会的犯罪の同志という瑕疵があるとはいえ、
これら猟奇犯罪のいいわけにもなりえない。ところで、

旧教対新教という凄絶な対立、という“ふくみ”がある
バレエ「白鳥の湖」は、
王子がたやすく「契りを破った」ことが破滅に直結する。とはいえ、
この王子がそうするのは自然の流れだった、ということに、
その“哀れさ”が美化される余地があるのである。
チャイコフスキーが作曲したバレエ「白鳥の湖」は、
「導入曲」を含めて全30曲である。
幕は4つ。それぞれ、
第1幕=(美しく青き導入部、を含めて)10曲、
第2幕=5曲、
第3幕=10曲、
第4幕=5曲、
という成り立ちである。つまり、
第1幕と第3幕、第2幕と第4幕、が同じ曲数であり、
「第1幕および第2幕という前半」と
「第3幕および第4幕という後半」とが
「対称」をなすという構成なのである。それは、ただ
「曲数」という因子だけではない。全曲についてはすでに
このカテゴリーの別項で触れてるので、ここでは
6曲(3対)についてだけ表示しておくが、
 ━━━━┯━━━━━━━━━━━━┳━━━━┯━━━━━━━━━━━━
     │     1幕     ┃    │     3幕     
 ━━━━┿━━━━━━━━━━━━╋━━━━┿━━━━━━━━━━━━
  #02│ワルツ/下属調から主調へ┃ #17│ワルツ/属調から主調へ 
 ────┼────────────╂────┼────────────
  #04│パ(トロワ)/ハープ使用┃ #19│パ(シス)/ハープ使用 
 ━━━━┿━━━━━━━━━━━━╋━━━━┿━━━━━━━━━━━━
  #08│ポーランド舞曲(ポロネ)┃ #23│ポーランド舞曲(マズル)
 ━━━━┷━━━━━━━━━━━━┻━━━━┷━━━━━━━━━━━━
というあからさまな対称をチャイコフスキーは配してるのである。
1幕のワルツの主要主題の主要動機「♪mi>re<fa>mi♪」は、
第11曲でオデットの身の上話の場面でも使われる。いっぽう、
3幕のワルツの主要主題の主要動機「♪so>fa>mi>re>do♪」は、
第18曲と第24曲で王妃の期待感が表わされる場面でも使われる。また、
「Pas de trois」のイントラーダの主要主題の主要動機
♪【so<do<re・<mi】<la>so♪
に対し、
「Pas de six」のイントラーダの主要主題の主要動機も、
♪【so│<do-----<re-・<mi--】<fa<so--<la♪
という♪【so<do<re<mi】♪音型を採ってるのである。そして、
第8曲と第23曲はそれぞれに「ポーランドの舞曲」、
という対称である。さて、
チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」の「謎」のひとつは、
第1幕の第7曲の「Sujet」である。これは
「1曲」とカウントするにはあまりに短く、実際、
次曲第8曲「セーヌ(情景)」への「導入部」でしかない。が、
チャイコフスキーはこれをれっきとした1つのナンバーとした、
のである。2年前のエントリー、
「『白鳥の湖』#7『スュジェ』」
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/89dcd8d2c12679d07f5e928087d26c7d
で触れてるので詳細は省くが、やはり、
このナンバーは重要な意味を持つのである。まず、
この曲から、舞台は「夜」になる、のである。つまり、
それまでの世界とは一線を画すということである。
美しく青き導入部を含めて7曲、そして、
第8曲ポロネーズ以降の前半第2幕終曲までも7曲、
という「折り返し」「軸」なのである。
第7曲「Sujet」の冒頭、実質イ長調でクラリネットが吹く節は、
♪so<la->so・->do-<re│<mi---・----│
 mi<fa->mi・->la-<ti│<do---・----│
<la<ti-<do・->ti->la│>so<la<do<mi・>re->do-♪
である。この最初の♪so<la>so>do♪は、前曲第6曲で
ヴォルフガング翁が酩酊して若い村娘を追い回す場面で用いられる
♪re<mi>re>la♪
と同型進行(2度上昇→2度下降→5(4)度下降)する動機、かつ、
第1幕終曲の第9曲の後半の長調部の
♪so-│<la->so-・>re-(<mi<fa│<so---・……)♪
とも共通するのである。いっぽう、
第7曲「Sujet」の、「本来」調であるホ長調に転じてオーボエが吹くのは、
先のクラリネットの節の後半と同じ、
♪<la<ti-<do・->ti->la│>so<la<do<mi・<so---│……♪
である。逆に、
この動機が「繰り返される」ということは、
「重要」である、ということである。そして、この
♪【【la<ti-<do・->ti->la】】♪は、
前半(第1幕&第2幕)の(導入部を含めた)第8番めの曲の
後半(第3幕&第4幕)への写像の第8番めの要素である
「第22曲」(第7曲のカウンターパートナー)、つまり、
「ナーポリの踊り」でコルネットが吹く
♪so<la・<do>ti>la>so│<ti-●●・ti---・・--、
>【【la<ti・<do・>ti>la】】<ti│>la-●●・>so---・・--♪
の節も構成してるのである。他方、
第7曲は本来調の下属調「イ長調」から「ホ長調(4♯)」へ、
第22曲は本来調の属調「イ長調」から「ニ長調(2♯)」へ、
という「導入」がなされてる、のである。ちなみに、
「Sujet(スュジェ)」とは、英語のSubjectにあたる語であり、
「主題」「主体」を表すのである。つまり、この
「第7曲」は「第8曲ポロネーズ」のたんなる「導入」、
という体を装わせながら、その実は、
「第【6】曲」で老ヴォルフガングが酔っ払ってクルクルと
【スピン】しながら若い女の子を追っかけたあとに日没となり、
これから王子のそして王家の身に破滅への道が訪れる、
という「変化」の始まりを表す「主たる場面」である、
という「対称性の破れ」を象徴させた曲だったのである。

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