チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『スペイドの女王』導入曲の中の『交響曲第5番』」

2008年12月27日 23時49分01秒 | スペードの女王さまの黒槍責め
["ffff" in Prelude to "THe Queen of Spades"]

明日の阪神競馬の最終競走に、
コレデイイノダ号が出走する。同馬は、2週間前、
18頭立ての17番人気で1着という穴をあけた。
ブルガリから借りたダイア・ジュエリーを
米国の某女優がネコババした疑いがある、
という報道がされた日、のことである。
同女優には万引きの前科がある。製作・主演した
"Girl, Interrupted (邦題:17歳のカルテ)"で、
自らの境界性人格障害をネタにしたが、演技では、
助演女優賞のオスカーを手にしたアンジェリーナ・ジョリーはおろか、
クレア・デュヴァル、さらにはブリタニー・ムーフィーにまで食われ、
興行成績も惨憺たるものだった。が、それが何だ。
コレデウィノナ! である。同女優の本名は
Horowitzである。同女優は手くせが悪いが、
トスカニーニの娘婿のピアニストで手先がよく回った
ヴラヂーミルをはじめ、ユダヤ人にありふれた名である。
プラーハの南西の町ホルジョヴィツェに由来するらしい。
ルーツはボヘミアンである。さて、

流浪といえば、チャイコフスキーの母系である。
フランス(ヴェルサイユ)→ドイツ(ドレースデン)→ロシア(ペテルブルク)、
という移動をしてきた。ところで、
オペラ「スペイドの女王」の「3枚のカードの秘訣」は、
パリのサン=ジェルマン伯爵→伯爵夫人→ゲルマン
(Saint-"Germain"→Old Countess→"Gherman")
と伝えられる。
"Germain"="Gherman"=German
みな、「ドイツ人」という意味である。
「スペイドの女王」の第2幕では、
モーツァルトのスィングシュピールをパロった劇中劇と、
伯爵夫人からカードの秘密を訊き出そうとする
ゲルマンの生々しい場面が並列されてる。
劇中劇の終い、ロシアの武力の誇示を意味する
「ポロネーズ」の場には、なんと、
エカチェリーナ女帝が御臨席される、のである。
同女帝はロシア人のDNAなど一滴も入ってない生粋の
「ドイツ人」である。つまり、
オペラ「スペイドの女王」には、
「ドイツ人」に牛耳られてるロシア、という
寓意が込められてるのである。それらはともかく、

オペラ「スペイドの女王」の導入曲は、やはり、
「3つの部分」から成ってる。その1は、
「交響曲第5番」の第1楽章主部の、
「ポウランド民謡」から採った、とされてる
主主題と似てる節でできてる。
「交響曲第5番」の第2楽章の
再現部と結尾部をつなぐブリッヂを吹奏した
クラリネットとそのオクターヴ下のユニゾンのファゴット、
という混合音色である。その2は、
「3枚のカードの動機」と呼ばれてる節が
展開される。その3は、
ゲルマンとリーザの「愛の主題」である。そして、
その2とその3との「橋渡し」部分では、
「交響曲第5番」の第2楽章の
再現部と結尾部をつなぐブリッヂで使われた
「タタタ・タタタ・・ターター・ターター│ターター」という
「3連・3連・・2連・2連│2連」ストロウクのリズムが、
そっくり再起用されてるのである。もっとも、
「交響曲第5番」のほうが、そのすべてのストロウクで
[g-b-d-e]というTristan Chordが
fffで刻まれる。対して、
「スペイドの女王」の導入曲では、
[d-a-h-f]→[cis-a-h-f]→[d-a-h-f]……
[c-a-c-f]→[h-a-♯c-f]│
→[b-gis-d-f]-[b-gis-d-f]
と変化させてるのである。そして、
最後に刻まれる[b-♯g-d-f]は、
「変ホ長調」の属7であり、また、そこから、
「ニ長調」の主和音に「落とす」のである。
これが「チャイコフスキー節」というものである。
旋律そのものの魅力よりもむしろ、和声、
絶妙な調性転換にこそチャイコフスキーの真髄がある。
おもに木管群とホルンによる物悲しい混合音色の
ニ長調のmfからpに減じられる主和音の上に、
*♪【ドー<レー<ミー│
同調の属7の上に、
ミー>レ・レー・・ー】、【レ<ミー<ファー│
という倚音に始まる小節、そして、
[a-c-dis]という減7の上に被せられる
ファー>ミ・ミー・・ー】、
と、やはり倚音に始まる次の小節、
というように、哀切きわまりない
「愛の主題」が弦群によってpで奏でられる。
それはクレッシェンドしていき、再びクライマックスを迎える。
こうしてみると、「交響曲第5番」は
「スペイドの女王」と共通した意識のもとで
アウトプットされたということがわかるのである。
【】の中は、もちろんバッハの【マタイ・バッション】由来の
ベートーフェンの【悲愴ソナト】の【3度上って2度下りる】
という、チャイコフスキーの脳を支配し続けてきた動機である。

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