チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「白鳥湖#19/パ・ドゥ・スィス-7(コーダ)」

2007年08月26日 20時34分15秒 | 瓢湖不充分白鳥の湖舞イアーリンク泡沫事件
今週の競馬は、土曜はまったくできず、今日日曜も
ほとんど検討できる時間がなかったのだが、購入した三場四レイス……
札幌は「キーンラドカップ」三連複10点買い、
新潟は「新潟記念」小林淳一騎乗馬複勝1点買い、
同最終レイス「出雲崎特別」三連複20点買い、
小倉は「最終レイス」熊沢重文騎手騎乗馬複勝1点買い
……すべてが当たりというラッキーデイだった。
今週末は(ざっくりとマクロにとらえれば地元の)麻布十番納涼まつりだった。
以前は商店街の知人への義理で祭りの日に立ち寄ったりしてたのだが、
商売替えしたり店をたたんだりするのが増えた3年前から
期間中に出向くのはやめた。もちろん車ではいけないし、
あまりに混雑しすぎて、納涼というよりも、我が愚脳の
脳梁が混乱錯綜をきたすからである。ときに、
雑色通りの洋食屋「edoya」の向かいのマンションは、かつて、
*♪ドード・ドーー・・<ミーミ・ミーー│<ラー・ー>ソ・・ーーーー♪
「ラァ~ィオネェ~ス、コォ~ヒィ~、キャァ~~~ンディ」
というCMソングで知られてた篠崎製菓があったところである。ちなみに、
この歌の終いは、
*♪ソ<ラ<シ│
 <『ドー・>ミ●・・<ラー・>レ●│<ソー・ー>シ・・<ドー』、
 <ソー│<ドー・ーー・・ーー♪
というものであるが、チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」の#5
「パ・ドゥ・ドゥー」の「coda」、
*♪ソ│<『ドー・ー>ミ│<ラー・ー>レ│<ソー・ー>シ│<ド』
 >シ・<ド♪
とおんなじ音型である。ともあれ、篠崎製菓の元は
「水飴」屋さんである。今でも、近くの「紀文堂」にも「水飴」が置いてある。
水飴というのは、あの「粘性」がいいのである。私が幼稚園児の頃はまだ
「紙芝居屋」さんというのがいて、銭を払うと「水飴」をくれて紙芝居を
見せてくれたものである。しかし、私が小学校いち粘性にもなると、
東京から紙芝居屋さんは少しずつ消えていき、もう
糖分見れなくなったのである。日本一多い名字は鈴木さんから
佐藤さん、という見解に統計が変わった頃のことである。

[アッレーグロ・モルト、2/4、4♭]
変イ長。「パ・ドゥ・スィス」の「coda」である。だからといって
エロカッコイイわけではないが、フランス・バレエの「伝統」に則って、
チャイコフスキーは「軽軽しく」て「騒々しい」曲風に仕上げてる。
「2番ファゴット+3番トロンボーン+両低弦(チェロは冒頭のみ)」が、
*♪ド●・>ソ●│<ド●・>ソ●♪(f)
という、じつに安っぽい伴奏を奏し、その休符部分を
ホルン4管+ヴィオーラが裏打ちする(f)。
小太鼓とシンバルの打ち掛けあいも「低級効果」の一躍を担う
(ただし、初っ端は「p」である)。
この「伴奏」は、1幕#4「パ・ドゥ・トゥルワ」の「コーダ」と
ほぼおんなじ「低俗効果手法」である。
フルート2管+クラリネット1管+ファゴット1管+両翼vn+チェロが、
*♪【ソー│ーー・<ラー│ーー・>ソー│ー>ミ・>レ>ド】│<ミ●、
  <ソー│ーー・<ラー│ーー・>ソー│ー>ミ・<ラ>ソ│>レ●、
  <ラー│ラー・ラー│<シ>ラ・<シ>ラ│<シ>ラ・<シ>ラ│>ミ、
  <ソー<ラ│ー、>ミ・ー<ソ│ー、>レ・ー<ミ│ー、>ラー<シ│<ド●♪
という主題を奏する。この旋律は、「白鳥湖」とほぼ同時期に作曲された
ヨーハン・シュトラオス(倅)の「こうもり」3幕のアデーレの「歌」、
「シュピール・イッヒ・ディ・ウンシュルト・フォム・ランデ(生娘を装って)」
*♪ソ<ラ<シ・>ラ>ソ>ファ│>ミーー・ミー♪のイントロ、
*♪【ソーー・<ラーーー│>ソ>ミ>レ・>ド】<レ<ミ│>(ラ>)ソー♪
を思い浮かべれば、ロートバルトが自分の娘に「深窓の令嬢」を演じさせて
ズィークフリート王子を「魅惑」させた、のと妙に符合してしまう。
主題が繰り返されると、打楽器に
トライアングルと大太鼓が加えられて(ff)に強化され、
**♪ラ>♯ソ<ラ<シ・<レ>ド>シ>ラ│<シ>ラ<シ<ド・<レー●●│
  >ラ>♯ソ<ラ<シ・<レ>ド<レ>ド│>シー●●・<レー●●♪
というパッセージが繰り返される。変ホ長にシフトして、
*♪ソー・ーー│<ラー・ーー│<シー・ーー│<ド●・●●♪(f)
という音型が、
*♪ファー・>ミー│>レー・<ファー│>ミー・>レー│>ドー・ドー♪(f)
という「反行」音型と4回奏される。次いで、
ファゴット+ピッツィカート両低弦に
裏打ちのクラリネット+ピッツィカート高中弦が、
*♪ソー・>ファー│>ミー・<ソー│<シー・>ラー│>ソー・<ドー│
 <ミー・>レー│>ドー・<ミー│<ソー・>ファー│>ミ、
 <ソ・<♭シ>ラ(これを<レ・<ファ>ミと置換して変イ長に戻り)│
 >レ>ド・>シ>ラ│>ソ<ド・>シ>ラ│>ソ>ファ・>ミ>レ♪
と主題の再起を促す。すると、今度は4つの打楽器も総出の
(fff)という超強の全奏で主題を再現する。旋律は
「ピッコロ+コルネット2管+トランペット2管+トロンボーン2管」
が受け持つという、
フランス・バレエの伝統的ディヴェルティスモンのコーダの慣習どおりの、
耳をつんざくような強烈な布陣である。
コーダの結尾は、
*♪ドー│ーー・<ミー│ーー・<ソー│ーー・<シー│ーー・ー、<レ│
  ー>ド・ー>ラ│ー>ソ・ー>ファ│ー>レ・ー<ミ│>ド●♪
を2度打ち出し、
*♪ファー│>ドー・<レー│<ミー、<ファー│>ドー・<レー│<ミー、
 <ファー│>ドー・<レー│<ミー、ファー│>ドー・<レー│<ミー♪
と管類が吹いて、ピッコロ+クラリネット2管+弦が、
*♪ソ・<ラ>ソ│<ラ>ソ・<ラ>ソ│
 <ラ>ソ・<ラ>ソ│<ラ>ソ・<ラ>ソ│
 <ラ>ソ・<ラ>ソ│<ラ>ソ・<ラ>ソ│
 <ラ>ソ・<ラ>ソ│<ラ>ソ・<ラ>ソ♪
と刻む。終いは、
*♪ド>ラ・>ソ>ミ│<ラ>ソ・>ミ>ド│
 <ソ>ミ・>ド>ラ│<ミ>ド・>ラ>ソ│
 <ド>ラ・>ソ>ミ│>ド<ミ・<ソ<ド│
 <ミ>ド・<ミ<ソ│<ドー・ドー│
 ドー・ドー│>>ドー・ーー(フェルマータ)♪
と、変イ長の主和音から変イ音のユニゾンで閉じられる。
これだけ下卑た曲想に仕上げても、チャイコフスキーの音楽は
「高揚」し「感動」するものになってしまうのである。それは
まるで、あれだけ下品な旋律を用い、粗野な芸風ながらも、
音楽の感動を引き起こすヴェルディを想起させる。ちなみに、
ヴェルディの出身地であるパルマに関わる人物の、
「パルマ……イタリア美術、もうひとつの都」展
(上野、国立西洋美術館)が、本日で終了した。
アントーニオ・アッレーグリやフランチェースコ・マッツォーラが
ヒコーキに乗らずに観れたわけで、超極上の
「パルミジャニーノ」・レッジャーノ(パルメザン・チーズ)を
空輸サーヴィヴィス附きで食せたような、
トスカニーニ指揮の演奏をロハでエアチェックできたような、
コレッジョうない、というお得な展示だった。次の
「東京でのお得展」は、来月26日から国立新美術館で開催される展示での
フェルメールの「牛乳を注ぐ女」である。見逃してしまっては、
「イティーズ・ノウ・ユース・クライング・オウヴァ・スピルト・ミルク」
なのである。

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