チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『眠れる森の美女』#21(3幕緒曲)行進曲」

2010年08月16日 00時17分14秒 | やっぱりリラだ! 百年経っても大丈夫
この週末は遊び呆けてないで、
煎餅焼きに精を出した。土曜の
大東京湾華火も、家から小さく見えるのを
ちょっと見ただけだった。ところで、
って、物悲しい美しさがありますね。
8月に開催される大東京湾華火は、毎年、
帆船をかたどったホテル日航東京を設計した
故長尾宜子女史のことを思い出す。同女史は、
自分が設計したそのホテルから
大東京湾華火を見るのを楽しみにしてた。
ホテルは1996年3月に開業したが、
その年の夏は手術・入院で見れず、翌年の花火の日は
土日とも強風で中止になってしまった。そして、
大腸癌のリンパ節および肝転移による多臓器不全で、
1998年7月、ついに自分が設計したホテルから
大東京湾華火を見ることができないまま
死去した。そういう人生もあるのである。いっぽう、
虫けらのような人生の私は、この週末、
外出しなかった代わりに、
今週は昔仲間と"会食"する予定である。

[Allegro non troppo(4分音符=116)、4/4拍子、2♯(ニ長調)]
第2幕が3♭の変ホ長調の主和音で終わったのとはずいぶんと遠く、
2♯のニ長調主和音で開始される。

       [緒曲幕開き時の調性]      [終曲終いの調性]
【プロローグ】 #01行進曲=3♯(イ長調)     →#04終曲=4♯(ホ長調)
【 第1幕 】 #05情景=4♯(ホ長調)      →#09終曲=4♯(ホ長調)
【 第2幕 】 #10幕間曲・情景=2♭(変ロ長調)  →#20終曲=3♭(変ホ長調)
【 第3幕 】 #21行進曲=2♯(ニ長調)     →#30終曲・アポテオーズ=2♭(ト短調)

各幕内で、その緒曲での幕開き時の調性の主音と、
終曲の最後の小節の調性の主音とを比べてみる。すると、
【プロローグ】では完全4度下り、
【 第1幕 】では不変、
【 第2幕 】【 第3幕 】では完全4度上る、
のである。その「差」が何なのか、
林家正蔵(旧こぶ平)と温水洋一の顔をときどき間違える
拙脳なる私には解るはずもないが、
【第2幕】の幕開きが、【第1幕】を囲ってた
4♯(ホ長調)の最遠隔調である2♭(変ロ長調)であることは、
「フロレスタン王の国」と「デズィレ」が実は対極にある、
という示唆だと解するべきである。

ともあれ、
この第3幕緒曲の行進曲は、***♪
ドー・ー<レ・・>ドー・ー<ミ│<ソ♪
という動機でできてる(和声は主和音→六の和音→主和音)。
推移ではこれが、***♪
シー・ー、>ラ・・<シー・ー、>ソ│<ド♪
と変じられる。そしてまた主動機が戻り、幕開きとなる。
「王と婚約者二人の入場。廷臣らによる歓迎」
中間部は同調号のまま平行調のロ短調で、***♪
ミ<ファ>ミ、│ミー・ーー、・・<ソー・ー、>ファ│
     >ミー、・<ファー、・・<♯ファー、・<♯ソー、│
     <ラー・<ドー、・・<ミー>レー(>ド)、│
     ドーーー・・>シー♪
そして、ほぼ形どおり主部が再現されて、
短い結尾で曲を閉じる。
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