近年は東京郊外でも、渡る世間にお庭なし、なくらい
集合住宅が立ち並んでる。
スィドニー・ポラックが先週に胃癌で亡くなった。同人は
もともと役者志望だったので「存在感ある顔」をしてた。だが、
愚脳な私には「監督」としてしか印象がない。というよりも、
オスカーに輝いた「(邦題)愛と哀しみの果て/(アフリカをあとに」)
よりも、その「ひとまわり以前」の、
「(邦題)追憶/(僕らが選んだ人生)」のほうが、
伴宙太と番場の忠太郎の区別も、梶原一騎と長谷川伸の違いもわからない
愚脳な私には、圧倒的にササる映画だった。たしかに、
「主題歌」はこの映画には「おおげさ」な歌である。なおかつ、
「追憶」という邦題も、どちらかの相手が死んだわけでもないのに
いかがなものかと思う。がしかし、
それらのアンバランスもなんともいえず味がある。それより何より、
このラスト・スィーンは映画史上の超名場面である。
共産主義者のストライサンドとノンポリのくせに「レッド」フォード、
ブサイク女性の代表と当時のハンサムの代表、
という取り合わせの不釣り合いもまた魅力である。
二人は大学の学友だったが、思想的には相いれない。
ともに大学に通うようなインテリだったが、1930年代の大学生に
インテルなど知りようもない。ゆえに、
二人の間に触れあう面積が増えても二人の愛情醸造処理能力は
その平方根にしか増加しない、というポラックの経験則どおり、
学生時代には二人の仲は進展しない。歴史に
「タラ」レバはない、と言われるのと同様、人それぞれの
人生にも「タラ」レバはないのである。が、数年後に再会したときには
デュアルコアな時代になってたためか、二人はいい仲になり、
結婚して子まで設ける。だが、軍人あがりから映画脚本家となった
レッドフォードへの「赤狩り」回避のために結局二人は別れる。
それからまた数年、街中で、
♪オッペケペッポー、ペッポッポー。オッペンハイマー、ペッポッポー♪
と原水爆反対のビラ配りにいそしむストライサンドを見つけたレッドフォードは、
同女をしばし見てる。やがて、レッドフォードに気づいたストライサンドが
懐かしそうに近づいてくる。二人は言葉を交わす。ストライサンドは再婚したと言う。
ストライサンドはレッドフォードの髪に触れる。が、
二人はまた立ち別れる。そして、
またビラ配りに戻る活動家のストライサンドに「主題歌」が重ねられてく……。
信念や信仰または思想で容量がいっぱいになった脳はなんとも哀れである。
郷愁が涙を誘う。ただ、本人はそれが生きる道なのだから、
どうすることもできない。それが、
レッドフォードがストライサンドを見つめる一歩引いた目、である。
*♪ラー・ー>ソ・・ソー・ーー│ーー、ソ<ラ・・<ド>シ・>ラ>ソ│
>ミー・ーー・・ーー・ーー│ーー、>レ<ミ・・<ソ>ミ・<♯ソ>ミ*♪
memories……。1973年、米コロンビア。
集合住宅が立ち並んでる。
スィドニー・ポラックが先週に胃癌で亡くなった。同人は
もともと役者志望だったので「存在感ある顔」をしてた。だが、
愚脳な私には「監督」としてしか印象がない。というよりも、
オスカーに輝いた「(邦題)愛と哀しみの果て/(アフリカをあとに」)
よりも、その「ひとまわり以前」の、
「(邦題)追憶/(僕らが選んだ人生)」のほうが、
伴宙太と番場の忠太郎の区別も、梶原一騎と長谷川伸の違いもわからない
愚脳な私には、圧倒的にササる映画だった。たしかに、
「主題歌」はこの映画には「おおげさ」な歌である。なおかつ、
「追憶」という邦題も、どちらかの相手が死んだわけでもないのに
いかがなものかと思う。がしかし、
それらのアンバランスもなんともいえず味がある。それより何より、
このラスト・スィーンは映画史上の超名場面である。
共産主義者のストライサンドとノンポリのくせに「レッド」フォード、
ブサイク女性の代表と当時のハンサムの代表、
という取り合わせの不釣り合いもまた魅力である。
二人は大学の学友だったが、思想的には相いれない。
ともに大学に通うようなインテリだったが、1930年代の大学生に
インテルなど知りようもない。ゆえに、
二人の間に触れあう面積が増えても二人の愛情醸造処理能力は
その平方根にしか増加しない、というポラックの経験則どおり、
学生時代には二人の仲は進展しない。歴史に
「タラ」レバはない、と言われるのと同様、人それぞれの
人生にも「タラ」レバはないのである。が、数年後に再会したときには
デュアルコアな時代になってたためか、二人はいい仲になり、
結婚して子まで設ける。だが、軍人あがりから映画脚本家となった
レッドフォードへの「赤狩り」回避のために結局二人は別れる。
それからまた数年、街中で、
♪オッペケペッポー、ペッポッポー。オッペンハイマー、ペッポッポー♪
と原水爆反対のビラ配りにいそしむストライサンドを見つけたレッドフォードは、
同女をしばし見てる。やがて、レッドフォードに気づいたストライサンドが
懐かしそうに近づいてくる。二人は言葉を交わす。ストライサンドは再婚したと言う。
ストライサンドはレッドフォードの髪に触れる。が、
二人はまた立ち別れる。そして、
またビラ配りに戻る活動家のストライサンドに「主題歌」が重ねられてく……。
信念や信仰または思想で容量がいっぱいになった脳はなんとも哀れである。
郷愁が涙を誘う。ただ、本人はそれが生きる道なのだから、
どうすることもできない。それが、
レッドフォードがストライサンドを見つめる一歩引いた目、である。
*♪ラー・ー>ソ・・ソー・ーー│ーー、ソ<ラ・・<ド>シ・>ラ>ソ│
>ミー・ーー・・ーー・ーー│ーー、>レ<ミ・・<ソ>ミ・<♯ソ>ミ*♪
memories……。1973年、米コロンビア。
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