昨日は教会の帰りに映画を見てきました。パイレーツ・オブ・カリビアンの最新作「命の泉」です。なんとも中途半端な出来だと思います。
このタイトルを見ただけでもなんとなく不安を感じませんか。多分、これはあまりヒットしないかもねえ。だって誰にでもすぐに分かる面白い話しのような気がしないではないですか。日本にはほんの一握りしかいないキリスト教信者(カトリックもプロテスタントも含めて)だったら何かピンときた方もおいででしょう。
命の泉ですよ、永遠の命ですよ、これはもうまるっきり宗教ネタとしか思えない。ディズニー映画はこれをいったいどんな風に料理するのかと、別の意味でわくわくどきどき。
海の魔物、人喰い人魚のセイレンとキリスト教の牧師の出会い、これって大航海時代のヨーロッパの新大陸侵略、土着の民族との摩擦抗争を連想させますねえ。イスパニア(スペイン)軍が、永遠の命を与えるのはこんな異教の神殿ではなく、神(唯一全能永遠の真の神=キリスト教の教える神)だと、命の泉の神殿を破壊してしまう、これも考え方は正しいのだけど、なぜかスペインが中南米の古代文化を破壊してまわった歴史とかぶって見えたりしてしまう。
現実の歴史がかぶってくる舞台背景で、ここには更に必要な「何か」がたりないから真のファンタジーの世界が活きてこないではありませんか。中世ヨーロッパキリスト教の世界の聖杯伝説を思い出させながら結局全然生かせないまま、単なる盃に堕としているのも奇妙。今回の作品は55点から60点といったところではないでしょうか。真のファンタジーというのは、国や民族を超えて、誰が見ても心の奥深くを揺り動かされる「何か」が必要です。せめて次回作を期待してみることにしましょう。