浜松町の駅からすぐ近くに島嶼会館というビルがあって、駅のホームからも見える。しかし、この間の3月11日の地震で相当のダメージを受けたようで、現在は休館中だそうだ。今後についても建て直し案件になっているらしく、先の見通しはついていない。このビルは実は東京都の島嶼部の方々が東京に出てきたときに安く宿泊できるようにと作られた施設だったので、この地震で、島嶼部の皆様方にはかなりの影響が出ていることと思われる。
都内に住んでいると、釣りが趣味とか、噴火でもないかぎりあまり島嶼部のことに思い及んではいない気がする。カトリック教会には大島教会とか、おたあジュリアの神津島とか、少しは名の知れた島もあるわけだが、浜松町にすらたまにしか行かなくなってからは本当に縁遠くなっていたものだ。島嶼会館の今の状況も小笠原の世界遺産登録決定のニュースを見て改めて調べるまで、情けないが忘れていた。
しかし、今回の世界遺産登録決定は本当によかったと思う。小笠原諸島ははっきり言ってかなり遠い地域で、だからこそやたら簡単に往復できない分、自然環境が守られてきた面もある。けれどもほうっておけばさまざまな問題が出てくることも確かだった。
どこかの地域ではないが知らないうちに大資本に安く買い叩かれてリゾート開発が進んで、自然破壊にまっしぐらとか、あまりよいことはない気がする。世界遺産登録と決まれば、見る人の心も変わってくるだろうし、地元のためにも有益と思える。
その昔、島嶼会館に多少のご縁の会った当方、なんとなく他人事のような気がしないのだ。今の東京都の経済状況では建て直しも簡単にいくとは思えない。島の方々のためにも非常に心配している。小笠原諸島の世界遺産登録決定の記事のおかげですっかり考えさせられてしまった。