映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ワーキング・ガール~Working Girl~」

2008年05月05日 | 映画~わ~
1988年 アメリカ映画

いやー、ご無沙汰しちゃったわ。久々のアップです。更新のない一週間、サイトに訪れてくださった方、本当にありがとうございます。

先週、たまたまテレビでやっていて見ました。これも見るのは2回目。短大のときの先生のお気に入り映画で(アメリカ研究クラスでした)、たぶんそのときに見ました。

舞台は80年代後半のニューヨーク、ウォール街。証券会社で秘書として働くテス(メラニー・グリフィス)は、証券マン(ウーマン?)として働きたいという夢を持っているものの、学歴が足りないとの理由でその門は閉ざされている。女性重役で同い年のキャサリン(シガニー・ウィーバー)の秘書となったテスは、仕事上でのさまざまなアイデアを提供し、それを汲み取ってくれるキャサリンのことを尊敬していたが、実はそのアイデアを盗まれていたことを知る。キャサリンがスキーで負った怪我で休職する間、自分のアイデアを元に彼女の代役と勝手に銘打って、仕事を会社進めていくことを決意。恋人の浮気、新たな出会い、女性上司とのやり取りやテスのかわいらしさなど、テンポのよい女性向け企業コメディー。

2000年代はじめにあった『キューティーブロンド』みたいな映画ですが、その先駆けといえる作品かもしれません。『キューティーブロンド』のほうが、お気楽でコメディー度が高いですが、成功を収めていって突然“出来る女”風にならず、最初から最後までテスのかわいらしさをムラなく表現しているところがいいんじゃないかと思います。

80年代後半というのがミソで、登場する女性たちのファッションが痛快!自分の髪の毛を最大限にまで広げたライオン・ヘア(メラニー・グリフィスのライオン・ヘア画像を探したのだけど、これがなかなか見つからず…)。これが本当にすごい。西洋人のやわらかい髪質だから、あそこまで広がるんだろうなぁ。日本でもこの当時はみんな前髪巻いてたわ。うちのお母さんも会社行くとき巻いてたもん。通勤時の足元はスニーカー。ウォーキングです。エクササイズです。そう、ニューヨーカーは片時も時間を無駄にしないのです!オフィスについて、置いてあるパンプスに履き替えます。
キャサリンがかけているメガネも、「罰ゲーム?」と思わず疑いたくなるような、塩沢ときちっくな素敵なデザイン。時代って、トレンドって…。

なんといっても、主演のメラニー・グリフィスがかわいい!!!当時ヒットした『恋人たちの予感』のメグ・ライアン(ちなみにこのときは、演技できてましたよ!)も同じような雰囲気だったような気がします。こういうかわいらしい女性像、当時のアメリカは好きだったんでしょうね。パワフルさを誇示するキャサリン(シガニー・ウィーバー)との対比がものすごくよろしいのです。映画の最後までかわいい。つい「がんばって!」と応援したくなるようなかわいらしさ。

そしてハリソン・フォード。この人、変わりません。数ヶ月前に1982年のハリソン・フォードの主演作『ブレードランナー』を見たのだけど、今とぜんぜん変わらないの。これ、驚くわ。確かに当時から老け顔なんだけど、お直しが盛んなハリウッドでは珍しい存在よね。映画の中ではもてる二枚目役で「彼、かわいいわね」と女性たちにうわさされるのだけど、正直かわいくはありません。

ほかにも、この映画の出演者は今考えてみるとものすごく豪華。テスの恋人はアレック・ボールドウィン(出番が多い割りに気づかなかったけど…えへっ)、テスの親友シンシアはジョーン・キューザック(ジョンじゃなくて、ジョーンです)。この人、『インアンドアウト』や『スクールオブロック』に出てた、ちょっと堅めの役で記憶があるのですが、『ワーキングガール』ではテス同様、見事なライオン頭での登場です。そして、スケベ野郎役でケビン・スペイシー!!!彼はちゃんと気がつきましたとも! 

見始めると結局最後まで見てしまった作品。テンポよく、楽しく見ることの出来る一本です。『キューティーブロンド』が好きな方向け。あ、でもあんな派手さはないですよ。ファッションの参考にもなりませんけどね。


おすすめ度:☆☆☆★


追記:この映画のリメイクが決まっているようですね。主演はジェシカ・シンプソン。・・・リメイク関係者、この映画で成功しようと本気で思っているのか?

「ワン・ミス・コール ~One Missed Call~」

2008年04月07日 | 映画~わ~
2008年 アメリカ映画

日本映画『着信アリ』のハリウッド・リメイク版です。『リング』『ダーク・ウォーター』『呪怨』と日本のホラー映画のリメイク版が最近本当に多いですね。『リング』や『呪怨』の場合はリメイクで資本はアメリカですが、日本版と同じ監督を採用していたりもしますが、今回はアメリカ人監督です。エリック・バレット(Eric Balette)という方ですが、この監督のほかの作品は私の知らないものばかり。作品のポスターのデザインを見た感じでは、ホラーっぽいものもあったのでこういう作品すきなのかもしれません。

さて肝心の映画ですが、映画冒頭から脱力です。ホラー映画なのですが、全然怖くない。わたくし、いろいろホラー映画見ていますが、ホラー映画が好き、または得意なわけではありません。恐ろしく怖がりです。そんな怖がりな私が見ても、怖くない。

一生懸命怖がらせようとはしているんです。その努力はいたるところに伺えるのですが、残念ながらまったくの逆効果で、映画の内容とは関係なかったり意味を成さないものになっていたり。単に「ドッキリ要員」として動員された小道具たちがたくさん。

『着信アリ』って、聞きなれない着信音が携帯から流れてきたと思ったら、自分が死ぬ時の悲鳴や会話が録音されている…という心理的な恐怖を描いた作品のはずなんですが、今回の『One Missed Call』ではビジュアル的な怖さに頼ってしまっているんです。怖さというより「驚かせる」「びっくりさせる」と言ったほうが的確です。

日本の怪談やホラーの恐ろしさって、あるひとつの大きな出来事が人々を震え上がらせるのではなく、いくつもの小さな不思議な出来事が積み重なってじわじわと恐怖心が煽られるというものですよね。

もちろん『One Missed Call』はアメリカ映画なので必ずしも同じ方法でなくてもよいし、「怖い」と感じる部分も日本人とは異なるのかもしれませんが、「おかしな電話メッセージを聞いた後に必ず死んでしまう」というのは「お化けがでた」とか「死体が動いた」というような見た目の怖さとは種類の違うもの。「観客を怖がらせる」ための恐怖のイメージがものすごく短絡的でした。

ただ、原作は当たり前ですが『着信アリ』ですし、物語の複雑さや細かなディテールはもちろんよいです。でもこのよさを生かしきれていないのが本当に残念。


主演女優のShannyn Sossamon(なんて読むのかしら…シャニン・ソサモン?)は頑張っていたと思います。私には「孤軍奮闘」と言う言葉が浮かんだほど。これで彼女までだめだったら、最後まで見れなかったと思う。この人どこかで見たような気がする…と思い調べてみたら、ジョシュ・ハートネット主演の『恋する40デイズ』で相手役の彼女だったのですね。独特の雰囲気のある女優さんです。

ほかに刑事役にエドワード・バーンズも出ていますが、彼がパッとしなかった。様々な映画に出ている俳優さんなのですけどね。

でもね、一番のドッキリは・・・デイブ・スペクターです。「日本がらみ」という力を発揮しているのかどうかわからないコネクションを思い切り使ったと思われるこの配役。本当にいてもいなくてもいい役なんですけど、あるシーンではやたら出てくる。彼の存在に気づいたのは映画館にいた客の中で私以外にいなかったはず(だって日本人、私だけだったし)。でもなんというか優越感に浸れない、どうでもいいトリビアみたいな…。



おすすめ度:★  これを見るくらいなら、本家『着信アリ』を見てください。



******追記(7月15日)******
日本でも7月19日(土)から公開されるようです。題名も「着信あり」ではなく、ハリウッド版の題名そのままの様子(この記事のタイトルもそれにあわせて変えました)。テレビCMよく見ますね。さて、日本の皆様の反応はいかに!!!