2009年 アメリカ映画
1980年代後半、アメリカはペンシルバニア州の田舎町を舞台にした青春映画です。主人公ジェイムズは、コロンビア大学に進学しジャーナリズムを専攻することを楽しみにしていた矢先、両親から金銭的な援助は出来ないと告げられる。挫折感を感じながらも、夏休みの時間をアルバイトをしてすごすことにした彼が見つけたのは、アドベンチャーランドというものすごくしょっぼい、地元の遊園地。そこで個性豊かな同僚たちと出会い、同じゲームコーナーに勤務しているエムに恋心を抱くようになる。
新聞の映画批評のページ(英:デイリー・テレグラフ紙)で5つ星で紹介されていたので見に行ってきました。名前も内容も全く聞いたことが無かったのですが、何となく見てみたい衝動に駆られ2ヶ月ほど前に映画館で見ました。
80年代、アメリカ、青春映画…というと咽返るような青臭さに、見ているこっちが恥ずかしくなる、と言うようなイメージを持っているのですが、この作品はとにかくいろんな意味でバランスがよく一味違います。
まず、主人公のジェイムズのキャラクターが、抜群にいいのです。全然目立つタイプではないが、頭の回転が速く言葉選びがうまくて笑いが取れる。更に年齢の割りに冷静だけど冷めているわけではない。10代の若者が主人公の青春映画というと、目を覆いたくなるような情熱の強さと若気の至りとしか言いようがなくとにかく勢いだけで突き進む、と言うのが定説でそれが「こっ恥ずかしさ」の原因でもあると思うのだけど、この作品ではうまい具合に中和されています。だからと言って若者らしさが無いと言うのではなく、過剰すぎないのです。
映画の中に引き込まれて登場人物に感情移入をする類の映画ではなく、「ああ、この感覚!10代ってこんな感じだったかも」と見ている側は一歩ひいて冷静に、それでいて自分の人生経験の何かと重ね合わせたりして、どこか身近に感じられるような不思議な映画です。懐かしさを感じさせるような。
好きになったエムに隠し事があり、それに気づいたジェイムズ。エムの持つ闇の部分も、ジェイムズの若さゆえの不器用さも、過剰な演出をせず、しかしながら軽すぎることも無く、うまい塩梅で描かれています。
ジェイムズを演じているのは、ジェシー・アイゼンバーグ。ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』に出ていたそうですが、私の記憶の中ではあいまいです。しかし、この彼の演技力の高さは今後注目です。エムを演じているのがクリスティン・スチュアート。私は見ていませんが、『トワイライト』のシリーズに出ているそうです。また、ジョディー・フォスターの『パニック・ルーム』でジョディーの娘役を演じたのが彼女だそう。当時とは顔が違っているだろうし、ウィキペディア見るまで知りませんでした。
また、この映画の監督は、『スーパーバッド』の監督だそう。この映画も大好きで何度も見ていますが、同じく10代の若者主演の青春コメディーでもスタイルが全く異なっていると言うのが面白いです。この監督、10代の若者の心の揺れを描くのがものすごくうまいなぁと思います。しかもそれを「笑い」が中心となるはずのコメディーの中うまく描き出しているのだから驚きです。『スーパーバッド』はややグロい部分もあるので嫌う人も多い作品ですが、コメディー好きで見ていない方は是非!
そして脇を固めている俳優陣も本当に個性豊かで、最近サンドラ・ブロックと『プロポーザル』(まだ見ていないけど、ものすごく見たい)で共演していたライアン・レイノルズが重要な役どころで、遊園地の管理人は『スーパーバッド』で警官を演じていたマーティン・スタール(この読み方であってるのかしら?)。彼の存在で映画のコメディー部分が強化され、作品全体にメリハリが出ています。ほかにも、ジェイムズの幼馴染たちやエムの家族など、ちょい役なのだけれど個性がしっかりあって作品のスパイスになっているところも要チェックです。
日本での公開の予定は今のところなさそうですが、すっきりとした新しさのある青春映画でおすすめです。
おすすめ度:☆☆☆★
*日本では結局劇場公開されなかったようですが、DVDは発売されているようです。(2011年1月17日追記)
1980年代後半、アメリカはペンシルバニア州の田舎町を舞台にした青春映画です。主人公ジェイムズは、コロンビア大学に進学しジャーナリズムを専攻することを楽しみにしていた矢先、両親から金銭的な援助は出来ないと告げられる。挫折感を感じながらも、夏休みの時間をアルバイトをしてすごすことにした彼が見つけたのは、アドベンチャーランドというものすごくしょっぼい、地元の遊園地。そこで個性豊かな同僚たちと出会い、同じゲームコーナーに勤務しているエムに恋心を抱くようになる。
新聞の映画批評のページ(英:デイリー・テレグラフ紙)で5つ星で紹介されていたので見に行ってきました。名前も内容も全く聞いたことが無かったのですが、何となく見てみたい衝動に駆られ2ヶ月ほど前に映画館で見ました。
80年代、アメリカ、青春映画…というと咽返るような青臭さに、見ているこっちが恥ずかしくなる、と言うようなイメージを持っているのですが、この作品はとにかくいろんな意味でバランスがよく一味違います。
まず、主人公のジェイムズのキャラクターが、抜群にいいのです。全然目立つタイプではないが、頭の回転が速く言葉選びがうまくて笑いが取れる。更に年齢の割りに冷静だけど冷めているわけではない。10代の若者が主人公の青春映画というと、目を覆いたくなるような情熱の強さと若気の至りとしか言いようがなくとにかく勢いだけで突き進む、と言うのが定説でそれが「こっ恥ずかしさ」の原因でもあると思うのだけど、この作品ではうまい具合に中和されています。だからと言って若者らしさが無いと言うのではなく、過剰すぎないのです。
映画の中に引き込まれて登場人物に感情移入をする類の映画ではなく、「ああ、この感覚!10代ってこんな感じだったかも」と見ている側は一歩ひいて冷静に、それでいて自分の人生経験の何かと重ね合わせたりして、どこか身近に感じられるような不思議な映画です。懐かしさを感じさせるような。
好きになったエムに隠し事があり、それに気づいたジェイムズ。エムの持つ闇の部分も、ジェイムズの若さゆえの不器用さも、過剰な演出をせず、しかしながら軽すぎることも無く、うまい塩梅で描かれています。
ジェイムズを演じているのは、ジェシー・アイゼンバーグ。ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』に出ていたそうですが、私の記憶の中ではあいまいです。しかし、この彼の演技力の高さは今後注目です。エムを演じているのがクリスティン・スチュアート。私は見ていませんが、『トワイライト』のシリーズに出ているそうです。また、ジョディー・フォスターの『パニック・ルーム』でジョディーの娘役を演じたのが彼女だそう。当時とは顔が違っているだろうし、ウィキペディア見るまで知りませんでした。
また、この映画の監督は、『スーパーバッド』の監督だそう。この映画も大好きで何度も見ていますが、同じく10代の若者主演の青春コメディーでもスタイルが全く異なっていると言うのが面白いです。この監督、10代の若者の心の揺れを描くのがものすごくうまいなぁと思います。しかもそれを「笑い」が中心となるはずのコメディーの中うまく描き出しているのだから驚きです。『スーパーバッド』はややグロい部分もあるので嫌う人も多い作品ですが、コメディー好きで見ていない方は是非!
そして脇を固めている俳優陣も本当に個性豊かで、最近サンドラ・ブロックと『プロポーザル』(まだ見ていないけど、ものすごく見たい)で共演していたライアン・レイノルズが重要な役どころで、遊園地の管理人は『スーパーバッド』で警官を演じていたマーティン・スタール(この読み方であってるのかしら?)。彼の存在で映画のコメディー部分が強化され、作品全体にメリハリが出ています。ほかにも、ジェイムズの幼馴染たちやエムの家族など、ちょい役なのだけれど個性がしっかりあって作品のスパイスになっているところも要チェックです。
日本での公開の予定は今のところなさそうですが、すっきりとした新しさのある青春映画でおすすめです。
おすすめ度:☆☆☆★
*日本では結局劇場公開されなかったようですが、DVDは発売されているようです。(2011年1月17日追記)