2009年 アメリカ映画
もう数ヶ月前になりますが、映画館で見てきました。前回の予告にも入っていない映画の感想のアップですが、気にしない気にしない。
14歳のスージー(シアーシャ・ローナン)は学校帰りのある日、近所に住むジョージ(スタンリー・トゥッチ)に殺害される。しかし警察の捜査にもかかわらず見つからない犯人。家族は苦悩にさいなまれ、それぞれがストレスを抱えながらの生活を余儀なくされる。スージーは天国への道すがら、自分が亡くなったということを少しずつ受け入れつつ、この世に残された家族や犯人たちの生き様を見つめ続ける。
ベストセラー小説の映画化だそうです。この映画の批評が新聞に載っていたのですが、イギリスでは大方「原作のファンにはがっかりな仕上がり」ということでかなり酷評されておりました。あたくしは原作読んでいませんし(毎度のことですが)、予告編を見たときから面白そうだったので見にいったのでした。
ものすごく独特なつくりの映画です。監督は『ロード・オブ・ザ・リング』(未見です、あたくし。何度かチャレンジしたけど、あたくしにはファンタジー過ぎて)のピーター・ジャクソン。特にスージーが天国?(それとも天国への途中の世界?)にいるシーンは、ファンタジー全開!同じファンタジーと言っても、ティム・バートンよりも毒味がなくて、もう少しガーリーな雰囲気が漂っています。それは14歳のスージーの世界に合わせたつくりなのでしょうが、映画の中のスージーの持つ優しくて、透明感があってかわいらしさを持ち合わせているイメージにぴったりなのです。そのファンタジーの中ではとにかく楽しそうで、むごい殺され方だったのだからせめてあの世ではこのくらい楽しいことが待っていてくれないと、スージーのみならず見ているこっちも救われないわ…とその表現に妙な納得をしてしまったり。
かなりファンタジーの要素が入った映画であると言えると思うのですが、何せ基盤となっているのは14歳の少女の殺害、そして家族の苦しみ。のうのうと生きている犯人の姿。正直かなりキッツいのです。犯人役のスタンリー・トゥッチの憎たらしさ、気持ち悪さといったら!もちろん彼の演技力の高さ、キャラクターデザインやメイクによる功績ですが、本気で胸糞悪くなるくらいこの犯人のキャラクターが立っています。彼のおかげで、2時間の映画、見ているのがかなり辛かったです。苦痛を感じるほど。映画としてよかったと思うのですが、また見たいかといわれたら、無理です。どんなに色合いを明るく、天国の様子を楽しげに描いていても、心躍る物語ではないのです。
主人公スージーを演じるシアーシャ・ローナン、ものすごくよかったです。演技がうまいと言うのはもちろんなのですが、独特の存在感と同時に透明感があり、さらにかわいらしい。容姿もとってもかわいいのだけど、視覚的なかわいさのみならず、内側からにじみ出るかわいらしさがあるのです。彼女が主人公を演じたからこそ、私はこの映画を見るのを苦痛に感じたのかもしれません。もちろん、よい意味で。こんな素敵なスージーが殺されなければならないなんて、という憤りによるものです。調べてみたら、彼女まだ15歳ですが、すでにアカデミー賞助演女優賞にノミネート(『つぐない』にて。当時13歳だったそう!未見)された経験があるのですね。存在感や演技力の高さに納得です。
また、脇を固める俳優陣が個性豊かで、父親にマーク・ウォールバーグ。父親役ができるまでになったのね、マーキー・マークが!母親役がレイチェル・ワイズ。私は彼女がものすごく好きなのですが、実は映画を見ている間ずっと、ローズ・バーン(テレビドラマ『ダメージ』や映画『サンシャイン』に出てた女優)だと思い込んでいました。だって、暗そうな感じが似てたんだもの。祖母役がスーザン・サランドン。スーザンのビッチな派手好きなおばあちゃん役、意外に合っていてびっくり。全く違和感が無い。これまでスーザンのビッチな感じの役ってあまり記憶が無いのですが、さすがです。
ほかにも、スージーが天国で出会う女の子たちがやたら個性的で、あまりの個性の強さに「なぜこの子をキャスティングしたんだろう」と疑問にさえ思ったりもしたのですが、映画のなかである種のアクセントになっていて、見終わってみると「あれも有りだわ」と感じたりもしました。
面白いつくりの映画だったけど、二度と見たくないです。見ているのが辛すぎるんだもの。
でも見ていない方はぜひ。
おすすめ度:☆☆☆☆
もう数ヶ月前になりますが、映画館で見てきました。前回の予告にも入っていない映画の感想のアップですが、気にしない気にしない。
14歳のスージー(シアーシャ・ローナン)は学校帰りのある日、近所に住むジョージ(スタンリー・トゥッチ)に殺害される。しかし警察の捜査にもかかわらず見つからない犯人。家族は苦悩にさいなまれ、それぞれがストレスを抱えながらの生活を余儀なくされる。スージーは天国への道すがら、自分が亡くなったということを少しずつ受け入れつつ、この世に残された家族や犯人たちの生き様を見つめ続ける。
ベストセラー小説の映画化だそうです。この映画の批評が新聞に載っていたのですが、イギリスでは大方「原作のファンにはがっかりな仕上がり」ということでかなり酷評されておりました。あたくしは原作読んでいませんし(毎度のことですが)、予告編を見たときから面白そうだったので見にいったのでした。
ものすごく独特なつくりの映画です。監督は『ロード・オブ・ザ・リング』(未見です、あたくし。何度かチャレンジしたけど、あたくしにはファンタジー過ぎて)のピーター・ジャクソン。特にスージーが天国?(それとも天国への途中の世界?)にいるシーンは、ファンタジー全開!同じファンタジーと言っても、ティム・バートンよりも毒味がなくて、もう少しガーリーな雰囲気が漂っています。それは14歳のスージーの世界に合わせたつくりなのでしょうが、映画の中のスージーの持つ優しくて、透明感があってかわいらしさを持ち合わせているイメージにぴったりなのです。そのファンタジーの中ではとにかく楽しそうで、むごい殺され方だったのだからせめてあの世ではこのくらい楽しいことが待っていてくれないと、スージーのみならず見ているこっちも救われないわ…とその表現に妙な納得をしてしまったり。
かなりファンタジーの要素が入った映画であると言えると思うのですが、何せ基盤となっているのは14歳の少女の殺害、そして家族の苦しみ。のうのうと生きている犯人の姿。正直かなりキッツいのです。犯人役のスタンリー・トゥッチの憎たらしさ、気持ち悪さといったら!もちろん彼の演技力の高さ、キャラクターデザインやメイクによる功績ですが、本気で胸糞悪くなるくらいこの犯人のキャラクターが立っています。彼のおかげで、2時間の映画、見ているのがかなり辛かったです。苦痛を感じるほど。映画としてよかったと思うのですが、また見たいかといわれたら、無理です。どんなに色合いを明るく、天国の様子を楽しげに描いていても、心躍る物語ではないのです。
主人公スージーを演じるシアーシャ・ローナン、ものすごくよかったです。演技がうまいと言うのはもちろんなのですが、独特の存在感と同時に透明感があり、さらにかわいらしい。容姿もとってもかわいいのだけど、視覚的なかわいさのみならず、内側からにじみ出るかわいらしさがあるのです。彼女が主人公を演じたからこそ、私はこの映画を見るのを苦痛に感じたのかもしれません。もちろん、よい意味で。こんな素敵なスージーが殺されなければならないなんて、という憤りによるものです。調べてみたら、彼女まだ15歳ですが、すでにアカデミー賞助演女優賞にノミネート(『つぐない』にて。当時13歳だったそう!未見)された経験があるのですね。存在感や演技力の高さに納得です。
また、脇を固める俳優陣が個性豊かで、父親にマーク・ウォールバーグ。父親役ができるまでになったのね、マーキー・マークが!母親役がレイチェル・ワイズ。私は彼女がものすごく好きなのですが、実は映画を見ている間ずっと、ローズ・バーン(テレビドラマ『ダメージ』や映画『サンシャイン』に出てた女優)だと思い込んでいました。だって、暗そうな感じが似てたんだもの。祖母役がスーザン・サランドン。スーザンのビッチな派手好きなおばあちゃん役、意外に合っていてびっくり。全く違和感が無い。これまでスーザンのビッチな感じの役ってあまり記憶が無いのですが、さすがです。
ほかにも、スージーが天国で出会う女の子たちがやたら個性的で、あまりの個性の強さに「なぜこの子をキャスティングしたんだろう」と疑問にさえ思ったりもしたのですが、映画のなかである種のアクセントになっていて、見終わってみると「あれも有りだわ」と感じたりもしました。
面白いつくりの映画だったけど、二度と見たくないです。見ているのが辛すぎるんだもの。
でも見ていない方はぜひ。
おすすめ度:☆☆☆☆