結局、いつも通り年末には間に合わず、特になんでもない日に続きを書いています。
しかも、去年ですらなくまだ2023年の話をしているという。
つい先ほど、Netflixで数日前に公開されたドラマシリーズ『Adolescence(直訳すると”思春期”という意味)』を見終わったのですが、これが色々な意味で衝撃作で、この感想を書きたいなと久しぶりにサイトを開いたら、そういえば年間ベストが途中だったと気づいた次第です。
ということで、気を取り直して2023年の個人的ベストを紹介します。
まずは、ベストには入らなかったものでちょっと気になった
作品をいくつか。
・阪神タイガース 栄光のARE(2023年、日本)
もう、これはしゃあない。映画自体は、セリーグ優勝のところまでしかカバーされておらず、肝心な日本シリーズ部分は全くなかったというガッカリ感。もうね、これは内容云々ではなく、タイガースが優勝して映画になったということ自体を評価しようと。長らく海外在住だったのですが、たまたまこの時期には帰ってきていたというのはなかなかの奇跡でもありまして。次はいつこの喜びを味わえるかわかりませんので、阪神タイガースファンにとっては早めに冥土の土産を頂いたと思っています。
・シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 Military Wives(2019年、イギリス)
これ、イギリスの海軍の奥さんたちが作ったコーラス隊の実話がベースになっている映画です。このコーラスが編成されていくドキュメンタリーがテレビで放送されていて、イギリスの多くの人たちはこの物語をテレビで見ていたんですよね。海軍の夫・妻が仕事に出る時には、軍事機密のため場所も期間も一切知らされません。その間、残された家族たちはただただ無事に帰ってくることだけを祈って過ごします。その不安を語り合い、歌を歌おうと編成されたのがミリタリー・ワイフ・クワイヤーでした。基地での練習、個々人の葛藤、そして大舞台に招待されるまでが描かれています。
私はやっぱりイギリス映画が大好きで、その中でも普通の中高年たちの物語が好きです。こちらはその典型的な一本。
・トップ・ガン Top Gun(1986年、アメリカ)
これは、実はおすすめではなく逆なんですが…。トップガン・マーベリックを見るために本家を見ておこうと思い立ったわけですが、実は最後まで見ていられなかった。86年の作品なんですけど、やっぱり時代背景というのは無視できなくて、女性の扱いがねー。当時のアメリカ映画っておまけのようにお色気シーンを必ず入れていて、そういう余計なシーンは見ていられず、途中で見るのやめました。
(注:『トップガン・マーベリック』では、その女性とのその後が描かれてもいますので、今作では彼女は重要な役どころとして描かれています。ただ、別の女優さんが演じてるけどね。)
さて、いよいよ2023年のベストです。
第5位 ザリガニの鳴くところ Where the Crawdads Sing(2022年、アメリカ)
2020年にアイルランド・イギリスやその他諸外国で放送された大好きなドラマ『ノーマル・ピープル』。そこで主役を務めたデイジー・エドガー=ジョーンズが主演の今作。ベストセラーの映画化です。
米・ノースキャロライナの湿地帯で幼い頃から一人で必死に生き抜いき、のちに才能を開花させた少女の苦しみと成長の話なのですが、ミステリーでもあります。6歳から一人で生きてきた割には礼儀も所作も身なりもしっかりしていたりと疑問がないわけではありませんが、デイジー演じるカイアの人物像、その佇まいにただただ引き込まれ、さらに大自然の美しさをふんだんに取り入れたシネマトグラフィーの美しさに圧倒されます。絶対に大きな画面で(できれば映画館で、それが無理なら大きなテレビ画面で)見ていただきたい作品。内気だけど、何もかも自分でなんとかしながら生き抜いたきたカイアの秘めた強さはを表現するのにデイジーの配役はピッタリで、もうその人にしか見えませんでした。そしてミステリー要素も含まれている贅沢な内容の作品でもあります。それでも詰め込みすぎな印象はなく、人の心の揺れを丁寧に描いている良作。評価は大きく分かれているようですが、原作未読の私にはとても楽しめる一本でした。
第4位 生きる Living (2022年、イギリス)
黒澤明監督、志村喬主演の1952年の同名の映画のリメイクです。
舞台はイギリス、ロンドン。主演は大好きなビル・ナイ。脚本は、カズオ・イシグロ。重要な役どころで登場する、こちらも大好きな エイミー・ルー・ウッド。
ビル・ナイとエイミーが一緒に出演するのならば絶対に観る!と思うくらいのキャスティングなのですが、それがさらに黒澤さんの『生きる』のリメイクときたら観ないわけにはいきません。オリジナルの日本版も見たことがあるのですが、個人的には今回のイギリス版の方が好きでした。物語の基本的な内容は同じです。
とにかく明るいマーガレット(エイミー)との時間の中で、余命宣告をされたロドニー(ビル・ナイ)は少しずつ変わっていきます。その変化は部下たちにも伝わっていきます。市庁舎を雨の中出ていくときのシーンの美しさったら!今後テレビで放送されるたびに、私は見ちゃうんだろうな。
第3位 真実の瞬間 Metallica:Some kind of Monster(2004年、アメリカ)
アメリカのロックバンド ”メタリカ”のドキュメンタリーなのですが、音楽ではなくバンドの存続、メンタルの問題などに焦点を当てているというとても興味深い作品でした。全くもって音楽の話ではないのです。ですから、音楽に興味がなかったり知らない人でも、心理学などに興味がある人にはおすすめ。
危機を乗り越えてきたメタリカのメンバーたち。それまでアルコールやセックス、ドラッグに溺れる生活も落ち着き、メンバーそれぞれに自分たちに合った方法で地に足をつけた生活をしていた矢先のこと。最大のバンド解散の危機が訪れます。
そこで彼らは精神科医を雇いツアーに同行させ、メンバーそれぞれがカウンセリングを受けながら問題に向き合っていきます。そこには、男性社会のあるあるが詰まっていました。本音を言い合えない、人の評価が欲しくて求められた人物像になろうと必死になり自分を見失う、弱音を吐けない…。時間をかけて問題に向き合いながら、すると今度は人間のエゴというもっと根本的な問題が表面化したり。ハードロックバンドの中に、私たちが普段経験する社会の悩みがありました。「こんなに成功していて、好きなことをしている人たちでさえ同じことに悩んでいるのか」という新鮮さ。20年以上前にメンタルヘルスに着目し精神科医を雇ったという事実も良い意味での驚きがありました。
第2位 マディソン郡の橋 The Bridges of Madison County(1995年、アメリか)
30年前の作品です。昔見たことがあったけど、あまりピンとこず。
私自身が若かったんですよね。当時高校生でしたし。
不倫の話…なのですが、いや、不倫なのか?
なんというか、こんなふうにいうと逆に安っぽく聞こえてしまうかもしれませんが、不倫とかスリルとか刺激とかそんなものではなく、「本当の愛」の話だったように思いました。形としては不倫なんだけど、誰も傷つけず、それどころか全員が幸せで、全ての人への愛に溢れていたというか。
「ただ都合よく家族の目を盗んで不貞行為をした。それを墓場まで持って行った。」という話ではなく、「愛の形は色々だよね」ということでもなく。
彼らが持つ他の誰よりも深い愛を、二人はお互いだけでなく周りの全ての人たちに配ることを選び、会えなくなった二人は不幸なわけではなく、ただお互いが心から思い合っているという事実だけで喜びを感じているという究極に純粋な愛。
最近、大河ドラマ『べらぼう』を見ているんですけど、ちょうど先週が瀬川が吉原を出て嫁ぐシーンだったんです。瀬川と重三は絶対に結ばれないのだけど、二人は思い合っていてその愛を言葉で確認し合えただけで十分に幸せである…というのになんか似ている気がしたんです。そりゃもちろん、『べらぼう』でも『マディソン郡の橋』でも一緒になれたらそれはそれで幸せなのでしょうが、多分「一緒にいることで愛し合っているという証明をする」ということを必要しないほど、その愛は疑う必要がないものということなのかな、と。
この映画の深さは、そりゃ高校生にはわからんわな…と、その意味が当時よりも少しわかるようになった今見返して良かったなと思いました。
第1位 イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 Imitation Game(2014年、イギリス・アメリカ)
これ、前年にも観ているのですが、多分途中でやめてるんです。でもずっと気になっていた作品で、やっとちゃんと全部観れました。
いやー、素晴らしかった。この映画は、内容が前半後半に分かれています。それぞれの内容で映画一本作れちゃいそうなくらい濃厚です。
前半は、第二次対戦下にナチスドイツの暗号解読を行い成功したアラン・チューリングとそのチームの話。
アランの生い立ちや、人間関係の難しさ、意図せずとも人を怒らせてしまうところやレベル違いの天才ぶりなど、彼の人となりがよくわかるエピソードと共に、彼なしに話し得なかった暗号解読、そしてその能力があったからこそ厳しい決断を迫られる現実。
後半は、大戦後のアランの生活です。ナチスの暗号読解は政府の秘密裏で行われたため、彼の功績を世間は知らないまま。それよりも彼がゲイであることが問題になり(当時同性愛は違法)逮捕され薬を投薬されます。
並外れた頭脳を持ってしまったことの苦しみ。そしてゲイであることの苦しみ。
幾重にも重なる苦しみを背負った彼の生涯、そして彼を理解しようと努めた友人の存在。
元婚約者であり親友、さらに共に暗号解読を行なったジョーンは、普通でないことに苦しむ彼に「あなたが普通じゃないから世界はこんなにすばらしい」と伝えます。
私たちの生活って、こういう非凡の人々の努力や、場合により犠牲によって支えられているんだろうな…と、であるのセリフは深く沁みました。
ということで、2023年の年間ベスト。
これにて完結です☺︎
しかも、去年ですらなくまだ2023年の話をしているという。
つい先ほど、Netflixで数日前に公開されたドラマシリーズ『Adolescence(直訳すると”思春期”という意味)』を見終わったのですが、これが色々な意味で衝撃作で、この感想を書きたいなと久しぶりにサイトを開いたら、そういえば年間ベストが途中だったと気づいた次第です。
ということで、気を取り直して2023年の個人的ベストを紹介します。
まずは、ベストには入らなかったものでちょっと気になった
作品をいくつか。
・阪神タイガース 栄光のARE(2023年、日本)
もう、これはしゃあない。映画自体は、セリーグ優勝のところまでしかカバーされておらず、肝心な日本シリーズ部分は全くなかったというガッカリ感。もうね、これは内容云々ではなく、タイガースが優勝して映画になったということ自体を評価しようと。長らく海外在住だったのですが、たまたまこの時期には帰ってきていたというのはなかなかの奇跡でもありまして。次はいつこの喜びを味わえるかわかりませんので、阪神タイガースファンにとっては早めに冥土の土産を頂いたと思っています。
・シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 Military Wives(2019年、イギリス)
これ、イギリスの海軍の奥さんたちが作ったコーラス隊の実話がベースになっている映画です。このコーラスが編成されていくドキュメンタリーがテレビで放送されていて、イギリスの多くの人たちはこの物語をテレビで見ていたんですよね。海軍の夫・妻が仕事に出る時には、軍事機密のため場所も期間も一切知らされません。その間、残された家族たちはただただ無事に帰ってくることだけを祈って過ごします。その不安を語り合い、歌を歌おうと編成されたのがミリタリー・ワイフ・クワイヤーでした。基地での練習、個々人の葛藤、そして大舞台に招待されるまでが描かれています。
私はやっぱりイギリス映画が大好きで、その中でも普通の中高年たちの物語が好きです。こちらはその典型的な一本。
・トップ・ガン Top Gun(1986年、アメリカ)
これは、実はおすすめではなく逆なんですが…。トップガン・マーベリックを見るために本家を見ておこうと思い立ったわけですが、実は最後まで見ていられなかった。86年の作品なんですけど、やっぱり時代背景というのは無視できなくて、女性の扱いがねー。当時のアメリカ映画っておまけのようにお色気シーンを必ず入れていて、そういう余計なシーンは見ていられず、途中で見るのやめました。
(注:『トップガン・マーベリック』では、その女性とのその後が描かれてもいますので、今作では彼女は重要な役どころとして描かれています。ただ、別の女優さんが演じてるけどね。)
さて、いよいよ2023年のベストです。
第5位 ザリガニの鳴くところ Where the Crawdads Sing(2022年、アメリカ)
2020年にアイルランド・イギリスやその他諸外国で放送された大好きなドラマ『ノーマル・ピープル』。そこで主役を務めたデイジー・エドガー=ジョーンズが主演の今作。ベストセラーの映画化です。
米・ノースキャロライナの湿地帯で幼い頃から一人で必死に生き抜いき、のちに才能を開花させた少女の苦しみと成長の話なのですが、ミステリーでもあります。6歳から一人で生きてきた割には礼儀も所作も身なりもしっかりしていたりと疑問がないわけではありませんが、デイジー演じるカイアの人物像、その佇まいにただただ引き込まれ、さらに大自然の美しさをふんだんに取り入れたシネマトグラフィーの美しさに圧倒されます。絶対に大きな画面で(できれば映画館で、それが無理なら大きなテレビ画面で)見ていただきたい作品。内気だけど、何もかも自分でなんとかしながら生き抜いたきたカイアの秘めた強さはを表現するのにデイジーの配役はピッタリで、もうその人にしか見えませんでした。そしてミステリー要素も含まれている贅沢な内容の作品でもあります。それでも詰め込みすぎな印象はなく、人の心の揺れを丁寧に描いている良作。評価は大きく分かれているようですが、原作未読の私にはとても楽しめる一本でした。
第4位 生きる Living (2022年、イギリス)
黒澤明監督、志村喬主演の1952年の同名の映画のリメイクです。
舞台はイギリス、ロンドン。主演は大好きなビル・ナイ。脚本は、カズオ・イシグロ。重要な役どころで登場する、こちらも大好きな エイミー・ルー・ウッド。
ビル・ナイとエイミーが一緒に出演するのならば絶対に観る!と思うくらいのキャスティングなのですが、それがさらに黒澤さんの『生きる』のリメイクときたら観ないわけにはいきません。オリジナルの日本版も見たことがあるのですが、個人的には今回のイギリス版の方が好きでした。物語の基本的な内容は同じです。
とにかく明るいマーガレット(エイミー)との時間の中で、余命宣告をされたロドニー(ビル・ナイ)は少しずつ変わっていきます。その変化は部下たちにも伝わっていきます。市庁舎を雨の中出ていくときのシーンの美しさったら!今後テレビで放送されるたびに、私は見ちゃうんだろうな。
第3位 真実の瞬間 Metallica:Some kind of Monster(2004年、アメリカ)
アメリカのロックバンド ”メタリカ”のドキュメンタリーなのですが、音楽ではなくバンドの存続、メンタルの問題などに焦点を当てているというとても興味深い作品でした。全くもって音楽の話ではないのです。ですから、音楽に興味がなかったり知らない人でも、心理学などに興味がある人にはおすすめ。
危機を乗り越えてきたメタリカのメンバーたち。それまでアルコールやセックス、ドラッグに溺れる生活も落ち着き、メンバーそれぞれに自分たちに合った方法で地に足をつけた生活をしていた矢先のこと。最大のバンド解散の危機が訪れます。
そこで彼らは精神科医を雇いツアーに同行させ、メンバーそれぞれがカウンセリングを受けながら問題に向き合っていきます。そこには、男性社会のあるあるが詰まっていました。本音を言い合えない、人の評価が欲しくて求められた人物像になろうと必死になり自分を見失う、弱音を吐けない…。時間をかけて問題に向き合いながら、すると今度は人間のエゴというもっと根本的な問題が表面化したり。ハードロックバンドの中に、私たちが普段経験する社会の悩みがありました。「こんなに成功していて、好きなことをしている人たちでさえ同じことに悩んでいるのか」という新鮮さ。20年以上前にメンタルヘルスに着目し精神科医を雇ったという事実も良い意味での驚きがありました。
第2位 マディソン郡の橋 The Bridges of Madison County(1995年、アメリか)
30年前の作品です。昔見たことがあったけど、あまりピンとこず。
私自身が若かったんですよね。当時高校生でしたし。
不倫の話…なのですが、いや、不倫なのか?
なんというか、こんなふうにいうと逆に安っぽく聞こえてしまうかもしれませんが、不倫とかスリルとか刺激とかそんなものではなく、「本当の愛」の話だったように思いました。形としては不倫なんだけど、誰も傷つけず、それどころか全員が幸せで、全ての人への愛に溢れていたというか。
「ただ都合よく家族の目を盗んで不貞行為をした。それを墓場まで持って行った。」という話ではなく、「愛の形は色々だよね」ということでもなく。
彼らが持つ他の誰よりも深い愛を、二人はお互いだけでなく周りの全ての人たちに配ることを選び、会えなくなった二人は不幸なわけではなく、ただお互いが心から思い合っているという事実だけで喜びを感じているという究極に純粋な愛。
最近、大河ドラマ『べらぼう』を見ているんですけど、ちょうど先週が瀬川が吉原を出て嫁ぐシーンだったんです。瀬川と重三は絶対に結ばれないのだけど、二人は思い合っていてその愛を言葉で確認し合えただけで十分に幸せである…というのになんか似ている気がしたんです。そりゃもちろん、『べらぼう』でも『マディソン郡の橋』でも一緒になれたらそれはそれで幸せなのでしょうが、多分「一緒にいることで愛し合っているという証明をする」ということを必要しないほど、その愛は疑う必要がないものということなのかな、と。
この映画の深さは、そりゃ高校生にはわからんわな…と、その意味が当時よりも少しわかるようになった今見返して良かったなと思いました。
第1位 イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 Imitation Game(2014年、イギリス・アメリカ)
これ、前年にも観ているのですが、多分途中でやめてるんです。でもずっと気になっていた作品で、やっとちゃんと全部観れました。
いやー、素晴らしかった。この映画は、内容が前半後半に分かれています。それぞれの内容で映画一本作れちゃいそうなくらい濃厚です。
前半は、第二次対戦下にナチスドイツの暗号解読を行い成功したアラン・チューリングとそのチームの話。
アランの生い立ちや、人間関係の難しさ、意図せずとも人を怒らせてしまうところやレベル違いの天才ぶりなど、彼の人となりがよくわかるエピソードと共に、彼なしに話し得なかった暗号解読、そしてその能力があったからこそ厳しい決断を迫られる現実。
後半は、大戦後のアランの生活です。ナチスの暗号読解は政府の秘密裏で行われたため、彼の功績を世間は知らないまま。それよりも彼がゲイであることが問題になり(当時同性愛は違法)逮捕され薬を投薬されます。
並外れた頭脳を持ってしまったことの苦しみ。そしてゲイであることの苦しみ。
幾重にも重なる苦しみを背負った彼の生涯、そして彼を理解しようと努めた友人の存在。
元婚約者であり親友、さらに共に暗号解読を行なったジョーンは、普通でないことに苦しむ彼に「あなたが普通じゃないから世界はこんなにすばらしい」と伝えます。
私たちの生活って、こういう非凡の人々の努力や、場合により犠牲によって支えられているんだろうな…と、であるのセリフは深く沁みました。
ということで、2023年の年間ベスト。
これにて完結です☺︎