映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「Borat」

2007年02月27日 | 映画~は~
イギリスのコメディアンが、カザフスタンのジャーナリストがアメリカを取材するというのがベースで、「異文化」という免罪符の元完全にアウトなことをしでかして笑いを誘う…という、なんとも低俗な作品。カザフスタン政府に訴えられたらしいけど、それは当然だわ。仕方がない。でもそれがヒットしちゃう皮肉。

いや、面白いのよ確かに。でも、えげつなさ過ぎる。1回見れば充分。観ないと悶々とするので、見て損はなかったけど、途中胸くそわるくなります。そこを狙ってるんだけどさ。


お薦め度:★☆

「ルパン3世 カリオストロの城」

2007年02月16日 | 映画~ら~
ダンナが借りてきたDVDを一緒に観ることに。旦那はイギリス人。日本語も話せますが、映画などは英語のほうがもちろんわかりやすい。今回見た『カリオストロの城』は英語字幕つきでした。

ルパン3世を久しぶりに見ましたが、これはまさにエンターテイメントだね。アニメ映画だし、子供でも楽しめるけど、これは断然大人が楽しむアニメ。最近になって日本政府も麻生外相を中心に、日本のアニメを「商業」として世界にアピールしていくという政策を発表したばかり。本当に「やっと」ですね。この『カリオストロの城』は1968年の作品。

30年も前の日本の作品ですよ。それでもルパンはいつ観ても古さを感じさせない。宮崎作品って、ルパンのみならず『となりのトトロ』も古さを全然感じさせないんだよね。それに、ストーリーが素晴らしい。一応、世の中では一般的でいまだに主流はハリウッドだけど、クオリティーの高さは比にならん。比べては失礼だわ、こりゃ。

旦那の豆知識によると、スティーブン・スピルバーグもこの作品の大ファンで、「世界一のアクション映画だ」と絶賛しているらしい。納得。

ルパンはアニメだけど、今の映像技術を使えばそのまま実写も可能。でも、この作品に匹敵するようなものはいまだに実現していない。スピルバーグの作品って個人的にあまり好きではないのだけど、この人の意見には激しく賛同した。

細かいウィットやディテール、そして何でもかんでも台詞にして話を説明し、わかりやすくさせるような陳腐なつくりではなくて、まさに「行間を読む」ことをさせる作品。想像力、思いやる気持ちを持たないとこれは楽しめない。


ちなみに英語字幕は、明らかに誰もしゃべっていないシーンなのに長々と英文が。アメリカ向けなのでしょうけど、そこまで細かく状況を説明しないとわからんのか?それとも翻訳者が悪かったのか?

宮崎アニメのDVDには結構字幕付が多いのだけど、あの低レベルさには毎回あきれます。


でも、この『カリオストロの城』は最高。
銭形警部が乗っていた日本のパトカー、埼玉ナンバーだった。そこがツボでした。


お薦め度:★★★★

「モーガン・スパーロックの30デイズ Vol.3」

2007年02月07日 | 映画~ま~
1ヶ月間ひたすらマクドのハンバーガー、しかも特大サイズを食べ続けるというドキュメンタリー『スーパーサイズミー』の監督モーガン・スパーロックの「30日間」シリーズです。日本ではWowowで放映していたみたいだけど、私はビデオで見ました。『スーパーサイズミー』もDVDで観たのだけど、これが意外に面白かったので、このシリーズも観てみました。

先日見たのはこのシリーズの第5弾、第6弾。これはスパーロック本人ではなく、一般人が挑戦します。それをドキュメンタリータッチで追うというもの。そりゃそうだよな。何でもかんでも監督が自分の体を犠牲にしてたら持たないもん。


第5弾は、ニューヨークで都会生活に慣れきってしまったクラブ勤務の2人が、ミズーリ州のエコ生活を徹底しているコミュニティーで生活すると言うもの。シャワーは5日に1回。お湯も薪で沸かす。市販のシャンプーや整髪料、ソープ類等々、すべて禁止。闇雲に禁止ではなく、環境汚染につながるから。シャワーなどで使用した水はコミュニティー内の池に流れる。もしそこで循環しない市販のものを使えば、その水をリサイクルできなくなってしまうわけですな。

まず、基本はベジタリアンな食事。これも、肉を普段の生活に取り入れると言うことは、家畜の世話に使用する膨大な水・餌代・運搬用トラックにその燃料となるガソリン、スーパーに並ぶ時のプラスチック容器まで考えれば、とにかくコストがかかりすぎているし環境にも悪影響…という考え方の結果たどり着いた野菜食。30歳の女性は半月ほどでなれたみたいだけど、37歳の男性は肉がないと生きていけない典型肉食人間。終いにはコミュニティー内を走り回る野生のウサギを空気銃で撃ち殺し、食べ始める始末。
肉を食べることが悪いとは全然思わない。私も肉好きだし。でも、「食べたい」という理由だけで勝手に狩猟し、そのコミュニティーの人たちと一緒のテーブルでそのウサギを食らうと言うのはなんとも。日本には「郷に入っては郷に従う」ということわざがあるけど、この人にはないみたい。

使用済み食用油で走る車をみて大爆笑、というか馬鹿にした爆笑をする女性。「何でガソリンじゃないのよ!食用油だなんてバカじゃないの?」みたいな。いや、車は走ればいいじゃん?何でガソリンである必要があるのよ?とツッコミたくなる。むしろ食用油で走る車を開発したことを尊敬しようよ!・・・いやそれ以前に、どんなにエコ・コミュニティーとはいえアメリカで生活する限り車は不可欠なんだなぁ、とそこに関心してしまった。

「絶対洗脳されないぜ」とくだを巻いていたけど、30日間を終えた2人は少しは考えが変わったかも。特に女性のほうは「地元で取れた食べ物を選んで摂取するように心がけたい」と言っていたし。また、電球ではなく電球型蛍光灯を使うことで、電機の節約になるんだって!しかも6倍くらい長持ちするらしい。お金の節約にもなるよね。


第6弾は、大学に入って毎日パーティー三昧、週に4日は飲みすぎで記憶をなくしている娘の目を覚まさせたい!というもの。その方法が、母親が同じように30日間毎日酒を飲み続け、その姿を娘に見せることで反省を促そう…というものなんだけど、そもそもその方法が間違ってるよなぁ。なんか、「進め!電波少年」みたいになってるような気がする。


チャレンジする内容は、日本でもきっと受けるものなんだけど、チャレンジしながら変わっていく姿、意見、姿勢がやはり日本人とは全然違うんだよね。しかもアメリカ人って言うのがミソ。テレビシリーズだし繰り返し見るようなものではないけど、気軽に笑いながら、でもかなり深刻にアメリカの(時に日本にも置き換え可)の現状を知ることができるエッセンス的番組です。


お薦め度;★★★

「幸せのちから」

2007年02月06日 | 映画~さ~
ウィル・スミス、見てきました。
息子がかわいいのなんの。目元が似てるような気がします。

どん底から這い上がっていくアメリカンドリーム話なんだけど、実はあんまり感情移入は出来ませんでした。
だってウィルさん、「デキる男」なんだもん。学校では成績優秀だったと言うし。もうその時点でわたし、全然違うし。自慢じゃないけどわたくし、進学校でもなんでもない高校に通ってましたけど、成績は最後から数えたほうがはるかに早かったですから。数学0点取ったことありますから。ちなみにウィルさん(映画の中ではクリスさん)は数学得意です。

奥さんも異様にあっさりと息子を置いて出て行ってしまうし。そこは詳細を描く必要はなかったんだろうけど、ちょっと気になった。

それに人によるといえばそれまでだけど、日本の貧乏生活って本当に狭い狭いアパートでその日の食事も…的なイメージなんだけど、ウィルさんが家賃を滞納している割に、夕食は大きなハンバーガーとかダイナーとか。あんまり「どん底?」と思えなかった。まあ、文化が違うので、比較のしようがありませんね。

<ネタばれあり>
一番どきどきしたのは、ウィルさんがタクシーの中でルービックキューブをやっているシーンです。あれはちょっと握りこぶしで見てしまった。

それから印象に残っているのは、ホームレスになってトイレで寝るシーン。地下鉄のトイレなんだけど、地下鉄の駅、ホームもトイレも意外にキレイ。日本の地下鉄のトイレより全然きれいです。だからと言って寝たくはないけど。

あと、いい走りしてます。MI3のトムチンも年の割りにいい走りでしたが、ウィルはちがうわ。アフリカ系の鍛え上げられた肉体美がそもそもちがう!「高校時代は陸上やってました」みたいな美しい走りっぷりです。最近映画やドラマ見ていて、俳優の走りっぷりについ注目してしまいます。結構走らされてるよね。昨日のテレビドラマでは橋爪功が走ってました。絶対無理!わたし、俳優にはなれません。走れないから(問題はそこかっ?)。

それでもエンディングは涙なのです。サクセスストーリーですので、ハッピーエンドで終わってもらわなくてはこちらも納得できませんのでね。一時期、90年代後半から2002年前後まで、すごく後味悪いというかどうにもこうにもハッピーエンドな映画がない時期がありましてね。どれを観ても大どんでん返しで救いよう無し!だったのですが、最近はまたハッピーエンド物が多くなってきて、ちょっと救われます。せめて映画の中くらいハッピーで終わってくれ、とおもうこの頃。そんな年頃です。


お薦め度:★★★☆