映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「M:I3」

2007年09月20日 | 映画~ま~
しばらくは最近1年間に見た映画の感想をアップします。
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紛れもなくトムちんのトムちんによる、トムちんのための映画でした。しかも私、途中30分ほど寝ましたので詳しいことはよくわかりませんが、ホラー会長の旦那は大満足していらっしゃいました。

トムちん映画はいつもこんな感じなので、よいのではないでしょうか。
私は全く好きではないですけど。


おととい『ミッションインポシブル』をテレビで見たのだけど、私はこのシリーズは1作目が一番好きです。きちんと(っていうか、まぁ楽しめる程度に)サスペンスや謎解き要素も含まれているし、丁寧に作っている感じがあるから。『…2』は何度見ても、最後まで見ることが出来ません。無駄に派手なカーチェイスのシーンで絶えられなくなるので。今回の3もそういうことかもね。



お薦め度:☆ …特にお薦めはしない。

「モーヴァン」

2007年09月20日 | 映画~ま~
イギリス映画で舞台はスコットランド。「モーヴァン」とは主役の女性の名前。

初めの30分は大変。面白くなさ過ぎて、3回ほど眠りに落ち、全部見るのに3日かかった。でも30分後からはロードムービーになり、少しだけテンポも出てくる。抑揚のある物語ではないので、娯楽としては全く面白くない。でも私は意外によいと思います。女性監督だからなのかわからないけど、記憶に残しておきたいと思うような美しい場面が多々あり、写真好きな人はそういう面でも楽しめるのではと思う。

冷静に考えてみると、かなり大波小波のある生活を短期間に送ることになった女性の話なのだけど、私は映画から彼女の心の動きがあまりよく見て取れなかった。悲惨な終わり方でもなければ、特にハッピーエンドというわけでもない、ただ淡々と普通の女性が生きている感じもする。それでもなんとなく興味を引かれるのは、波のない穏やかな海にも小さな揺れがあるような、些細な揺れが丁寧に描かれているからかもしれません。



お薦め度:★★☆

「モーガン・スパーロックの30デイズ Vol.3」

2007年02月07日 | 映画~ま~
1ヶ月間ひたすらマクドのハンバーガー、しかも特大サイズを食べ続けるというドキュメンタリー『スーパーサイズミー』の監督モーガン・スパーロックの「30日間」シリーズです。日本ではWowowで放映していたみたいだけど、私はビデオで見ました。『スーパーサイズミー』もDVDで観たのだけど、これが意外に面白かったので、このシリーズも観てみました。

先日見たのはこのシリーズの第5弾、第6弾。これはスパーロック本人ではなく、一般人が挑戦します。それをドキュメンタリータッチで追うというもの。そりゃそうだよな。何でもかんでも監督が自分の体を犠牲にしてたら持たないもん。


第5弾は、ニューヨークで都会生活に慣れきってしまったクラブ勤務の2人が、ミズーリ州のエコ生活を徹底しているコミュニティーで生活すると言うもの。シャワーは5日に1回。お湯も薪で沸かす。市販のシャンプーや整髪料、ソープ類等々、すべて禁止。闇雲に禁止ではなく、環境汚染につながるから。シャワーなどで使用した水はコミュニティー内の池に流れる。もしそこで循環しない市販のものを使えば、その水をリサイクルできなくなってしまうわけですな。

まず、基本はベジタリアンな食事。これも、肉を普段の生活に取り入れると言うことは、家畜の世話に使用する膨大な水・餌代・運搬用トラックにその燃料となるガソリン、スーパーに並ぶ時のプラスチック容器まで考えれば、とにかくコストがかかりすぎているし環境にも悪影響…という考え方の結果たどり着いた野菜食。30歳の女性は半月ほどでなれたみたいだけど、37歳の男性は肉がないと生きていけない典型肉食人間。終いにはコミュニティー内を走り回る野生のウサギを空気銃で撃ち殺し、食べ始める始末。
肉を食べることが悪いとは全然思わない。私も肉好きだし。でも、「食べたい」という理由だけで勝手に狩猟し、そのコミュニティーの人たちと一緒のテーブルでそのウサギを食らうと言うのはなんとも。日本には「郷に入っては郷に従う」ということわざがあるけど、この人にはないみたい。

使用済み食用油で走る車をみて大爆笑、というか馬鹿にした爆笑をする女性。「何でガソリンじゃないのよ!食用油だなんてバカじゃないの?」みたいな。いや、車は走ればいいじゃん?何でガソリンである必要があるのよ?とツッコミたくなる。むしろ食用油で走る車を開発したことを尊敬しようよ!・・・いやそれ以前に、どんなにエコ・コミュニティーとはいえアメリカで生活する限り車は不可欠なんだなぁ、とそこに関心してしまった。

「絶対洗脳されないぜ」とくだを巻いていたけど、30日間を終えた2人は少しは考えが変わったかも。特に女性のほうは「地元で取れた食べ物を選んで摂取するように心がけたい」と言っていたし。また、電球ではなく電球型蛍光灯を使うことで、電機の節約になるんだって!しかも6倍くらい長持ちするらしい。お金の節約にもなるよね。


第6弾は、大学に入って毎日パーティー三昧、週に4日は飲みすぎで記憶をなくしている娘の目を覚まさせたい!というもの。その方法が、母親が同じように30日間毎日酒を飲み続け、その姿を娘に見せることで反省を促そう…というものなんだけど、そもそもその方法が間違ってるよなぁ。なんか、「進め!電波少年」みたいになってるような気がする。


チャレンジする内容は、日本でもきっと受けるものなんだけど、チャレンジしながら変わっていく姿、意見、姿勢がやはり日本人とは全然違うんだよね。しかもアメリカ人って言うのがミソ。テレビシリーズだし繰り返し見るようなものではないけど、気軽に笑いながら、でもかなり深刻にアメリカの(時に日本にも置き換え可)の現状を知ることができるエッセンス的番組です。


お薦め度;★★★

「マリー・アントワネット」

2007年01月22日 | 映画~ま~
ソフィア・コッポラ最新作の『マリー・アントワネット』です。映画のトレーラーのソフィアならではの色彩や、音楽の使い方、そして何より彼女の監督2作目の『ロスト・イン・トランスレーション』が大好きなので期待大で見に行ってきました。

全体の印象は、ちょっとがっかり…。常にポップな音楽が大音響で流れていて、長いミュージックビデオを見ているような錯覚に陥りました。また、ソフィアが得意とする淡くかわいらしい色使いも、あれだけ洪水のように使われると目が麻痺というか退屈してきて、最終的にぼやけた印象に。それでもやはり彼女にしか出せない色使いは独特の世界観をかもし出していましたが。

実在した人物の伝記なので、盛り込まなくてはならないエピソードが盛りだくさん。でもひとつの「物語」を描くとすると必要のないシーンも。それが伝記映画の難しさなのかもしれません。

主演のキルステン・ダンストの起用は大正解だと思わされます。オーストリアからフランスへ嫁ぎ、新しい環境に馴染む前あたりまではテンポもよく面白いです。ソフィアは心のひだのほんのわずかな「揺れ」を描くのが本当にうまいなぁ、と感心させられます。映画上14歳という設定ですが、まぁ見た目は無理があるとしても、表情やしぐさ、新しい環境に適応しようとする姿勢を見事にキルステンが演じきっているように思います。当時の14歳と現代の14歳を同じ線上で比べることは出来ないので、「もし自分だったら…」という思考をめぐらすことは到底無理ですが、歴史の残酷さをこのガールズムービーのなかに見ることができます。もうちょっと歴史を知りたくなる映画です。

途中はやや中だるみ感あり。

子供が生まれ自分のプライベート空間を与えられた時間は、それまでが色の洪水だったのがよい意味で質素になり目にも新鮮です。「パンがないならケーキを食べればいいじゃない」と言ったとか言わないとか、と歴史の時間に教えられたマリー・アントワネットはその空間にはおらず、非常に素敵な1人の女性がいます。そう考えると、ソフィアの使った色の洪水はベルサイユでのありえない日常の異常さを伝えるうえで役立っているのかも。

最後は尻切れトンボな終わり方で、「えっっ!?」と思った時にはエンドロールが流れます。これでもかっ、と出てくるケーキも、たぶん日本のケーキ職人に作らせたほうがはるかに美しいものが出来ると思います。正直、内容はあまり頭に残りません。色の洪水と鳴り止まない音楽が押し寄せる、怒涛のガールズムービーです。


お薦め度:★☆