笑いの中にも「高齢者社会」の悲哀を鋭く描く
2月にして今年初めての映画
矢口監督作品、実は「ウォーターボーイズ」以来なんです。
何か大笑いしたくて、「爆笑もの」だと期待して行ったら…
個人的には、「高齢者社会」を鋭く描いてる感じで、最初は悲哀に満ち溢れていて笑えなかった…
でもね、何というか「苦笑の連続」で、最後まで楽しんじゃいました
あらすじはこちら↓(ネタバレです)
家電メーカー木村電器の窓際社員、小林(濱田岳)、太田(川合正悟)、長井(川島潤哉)の3人は、いつもワンマンな木村社長(小野武彦)から流行の二足歩行ロボット開発を命じられる。近く開催されるロボット博での企業広告が目的だった。しかし、ロボット博まであと1週間という時期になって、制作途中のロボット“ニュー潮風”が木っ端微塵に大破してしまう。窮地に追い込まれた3人は、ロボットの中に人間を入れてごまかす計画を立案。ロボットの外装にぴったり収まる人間を探すため、架空のオーディションによって、仕事をリタイアして久しい独り暮らしの老人、73歳の鈴木重光(五十嵐信次郎)が選ばれる。しかし、この鈴木さん、実はとんでもない爺さんだった…。さらに、“ニュー潮風”に恋をしたロボットオタクの女子学生・葉子(吉高由里子)も巻き込み、事態は思わぬ方向へ転がり出す……。(goo映画より)
だいたい、窓際社員が情けなくて…
事があそこまで大きくなると、なかなか言い出せないのもわかるんですが、いつばれるか、ずっとハラハラして
また、鈴木さんに振り回されてる彼らがホントに「何やってるんだよ~」って言いたくなっちゃって。
これが、濱田君をはじめとする3人が、「本当にそんな性格なんじゃないの?」という感じに演じてるというか、描かれてるというか。
埃っぽい部屋の空気や汗臭さ、体臭まで漂ってくるような生々しい映像が、余計に情けなさが伝わって来ちゃって
そこへ、ロボットオタクの吉高さんが関わってくることで、余計ややこしくなるか…と思いきや、未来の科学者たちの学生が、ロボットの性能に関して妙に盛り上がるという展開が、面白かったですね。
そう、
予想外の展開
が続き始めたころから、断然面白くなりました
吉高さんって、巧いんだなぁと改めて実感
ちょっと変わってるけど、普通の女子大生を何のてらいもなく、普通に見せられる…なかなか難しいですよねぇ。
しかも、キラキラしてて
大河ドラマの「江」を彼女がやってたらどうなってたのか、ちょっと考えてみたりして。
ロボットに入るおじいさん。
ミッキーカーチスと言えば、いつまでも
ロカビリーのスター
という印象だったのに、ロン毛まで切って、申し訳ないけど見事に
どこにでもいるおじいさん
でした
変に芝居してない感じが良いんですよ~。
面白かったのが、ロボットに入ってても、顔はミッキーさんを思い浮かべちゃうんですよね。
あの彼がロボットに入ってあの動きをしてるのかと思うと、余計に可笑しくてね
でも、ロールエンドの歌、さすがです
定年まで働いて、その後は年金暮らし。
話し相手もいなくて、ただ時が過ぎるのを待つという毎日。
心もかたくなになりますよねぇ・・・
やっぱり、年をとっても若くても、これっていう
「生きがい」「楽しみ」
を持たないと、日々満たされないんだなぁ~と改めて実感しました。
そして、いつまでも
「人とのつながり」
を大切にしないとね
さみしいおじいさんをロボットが救ったことにもなるし、逆に最先端のロボットを救ったのがおじいさんでもあるんですよね。
よくできた話だと思います。
こんにちは。
>さみしいおじいさんをロボットが救ったことにもなるし、逆に最先端のロボットを救ったのがおじいさん
確かに!
最先端技術が、こんな感じで世の中とつながっていけば楽しい毎日になるような気がするんですけどね‥・
ホント、上手い展開に、心がホッコリしました♪